神社のある風景

山里の神社を中心に、歴史や建築等からの観点ではなく、風景という視点で巡ります。

西吉野の花木を訪ねて その1

2018年03月30日 | その他

奈良県五條市西吉野町北曽木


三月下旬には、篠山か朝来にあるミツマタの群生地に行こうと考えていた。
ミツマタというのは早春に黄色い花を咲かせる落葉低木のことで、薄暗い杉林の下で開花する様は、無数の星が散りばめられたかのようにも見えて、撮影意欲が掻き立てられる。
ただ、篠山方面は最近も何度か行っているし、どこか全く違う方面に行きたくはあったので、そういった、ミツマタを含む、いわゆる花木の類の画像検索をしてみたところ、奈良県の西吉野に行き当たった。
ミツマタは無いが、サンシュユやモクレン、サクラなどの花木が彩る西吉野の山里の風景には心奪われるものがあった。
実のところ、一昨年くらいからミツマタ群生地に行こうと考えていたのに、それはあっけなく霞んでしまった。

いつものようにT君の運転で出発。
大阪市内は阪神高速で抜け、奈良県の御所市を経由して、十津川や南紀方面へ行くときに何度も使った国道168号線に入る。
まずは賀名生梅林に立ち寄ろうと思う。
十津川や南紀だと、さあ、これから長い長い山中の道のりだ、という感じになるのだが、西吉野だと、まだ序の口といった感覚のところであっさり梅林入り口に着いてしまう。
とはいえ、普通の人ならこの辺りでも山奥と感じるだろう。
南朝の賀名生皇居(行宮)跡のところに無料の駐車場があるので、そこから歩くことにする。
梅林内の車道が崩落のため通行止めになっていることは事前に調べて知っていたし、どちらにせよ道は狭そうなので、ゆっくり撮影するなら歩くしかない。
が、これも事前に判っていたことなのだが、運動不足の身には、かなり堪える上り坂で、私よりだいぶ若いT君もゼエゼエ言っている。
しかも時期が遅いので、梅の花もイマイチ冴えない。
梅が観賞に堪えないようなら、すぐに引返して次の場所を目指そうと思っていたものの、こういった場所の常で、この坂を上りきれば、あのカーブを曲がれば、とにかく先へ進めば素敵な風景が待っているかも知れない、なんて考えがちで、そう容易く引返せないのである。
しかし、上り坂が辛ければ辛いぶんだけ、着実に標高も高くなるわけで、 気付けば展望も広がり、梅の花も多くなってくる。



山間部に入ってからは曇りがちだったが、ここで薄日が差してきた。



今まで梅の写真は撮ったことはあっても、いわゆる梅林と呼ばれるようなところへは行ったことはない。
人出の多いところは避けたいし、桜ほど惹かれないというのもある。
けれど、霞のように斜面を埋める梅の花の写真をどこかで見て、いずれ見てみたいと思うようになった。
今回、賀名生梅林に寄ろうと思ったのも、そういう風景に出逢いたかったからだが、やや花数は少ないものの、来て良かったと思わせてくれる風景に出逢えた。
ただ、この後、光線状態は悪くなり、いい風景でも冴えない写真ばかりになる…。



ある程度の高さまで上ってしまうと、平坦な道が多くなって散策気分になる。
時期の遅い平日でもあるので、観梅客やカメラマンは殆ど見かけない。
無人販売所があったので梅干を購入。300円也。



道路の奥に見えているのは簡易トイレだったりする…。



梅林内で最も標高の高い辺り。
急斜面の多いところだが、民家はあちこちに点在し、梅林と生活が密着しているようだ。
民家の上に見えるピンクの花は啓翁桜であろうか。



ここから見える小道の風景は、とても気に入った。



でも気に入った光にならない。
というより、今回から新しいカメラになったので、カメラの液晶に表示される画像の出来映えと、それをPCに取り込んで見たときのズレが掴めていない。
実際、現地で撮ったばかりの画像を確認したときは、久々に会心の写真が、と思ったのだが、PCで見ると、こんなはずじゃなかった…、となってしまった。



それだけに、ここは再訪して撮り直したいところだ。



早朝、夕暮れ、雨の日も良さそうだ。
次に訪れるのは、いつになるだろう。






廃小屋と梅。



こんな小道もあるが、ネットが張られているので入れない。



随分と高くまで来たものだ。






斜面を埋める梅は見事だが、光線状態は最悪で、空気も透明感が無い。



うーん、梅が映えない…。



それでも、梅以外にも花は咲いているし、道は殆ど下りになったし、気持ちの良い散策だ。



既に筋肉痛になってはいるけれど。



どこを切り取っても梅が入るくらいで、期待以上の場所であったが、写真の方は新しいカメラへの期待もあったので、不満が残る結果になった。



最後は、駐車場の横にある、皇居前の有名な枝垂桜。
ここはカメラマンが多かったので、片隅をパチリと撮ってその片鱗だけを。


撮影日時 180327 8時40分~11時20分
地図