奈良県宇陀郡曽爾村長野
屏風岩と呼ばれる岩は各地にあって、このブログでも過去に丹後半島の屏風岩を紹介したことがあるが、私の知る限り、近畿で最も立派な屏風岩はここだと思う。
垂直に切り立つ柱状節理の大岩壁で、形状もまさしく屏風だ。
付近は屏風岩公苑として整備されていて訪れる人も多く、ちょっと私の好きな環境ではないと言えるけれど、整備されているからこその美しさがあるのも確かで、なかなか見事に周囲の自然と調和しているのではないかと思う。
それに、名張に住んでいた頃は手近な景勝地として何度も訪れた場所でもある。
今思えば、その頃にもっと写真を撮っておくべきだったと後悔しきりで、久しぶりに訪れてみたところで、そうそう狙い通りの写真は撮れるわけもない。
特にここは山桜が美しいので、いつかはその咲き誇る姿を納得のいく写真にしたい。
屏風岩に行く前に、鎧岳を見ておく。
山そのものが岩の塊といった感じの尖峰で、初めて見たときは驚いたものだ。
朝の光を浴びる岩壁、というものが撮りたくて、その対象を屏風岩にすべきか鎧岳にすべきか悩んだのだが、こっちを選んだ。
残念ながら、背景が青空ではなかったので、簡単に手持ち撮影。ブレてます・・・。
細く曲がりくねった坂道を上り、屏風岩公苑の駐車場へ。
平日の朝なので、さすがに訪れている人はいない。
空は曇りがちで屏風岩に陽も射していないので、岩の反対側、展望の開けている方へ行く。
時おり雲間から光が射す。
幾重にも山が連なる風景にはとても惹かれる。
遠くに見える尖った山の名前はなんだろう?
地形図を読むのは得意なつもりなのに、山座同定は苦手だ・・・。
手前のススキにもっと日が当たってくれたら良かったのだけど・・・。
公苑には小さな神社もある。
扁額には早高神社とあった。
晴れないので付近を歩き回る。
山桜は立派な古木が多く、それぞれに表情があって見飽きない。
何の変哲もない林なのだが、朝の光のおかげで何だかいい雰囲気になった。
展望のために木々が伐採されたようで残念ではあるけれど、これも朝の光のおかげで綺麗に見える。
雲の切れ間が増えてきて、やっと秋らしい青空が顔を覗かせるようになってきた。
屏風岩にも日が当たる。
かと思えばまた曇って、手前の斜面だけが照らされたりする。
陽を浴びた山桜も表情があっていい。
やがて雲は流れ去り、ほぼ青空に。
清清しく、胸のすくような景観が広がる。
ただ、紅葉は期待したほど鮮やかではなかった。
こちらは公苑内の風景。
この場所から屏風岩を見上げるわけだが、最近は岩よりもこの山桜の古木群に惹かれるようになってきた。
下草や雑木が刈られているので、この個性ある木々の広がる空間を満喫できる。
これ以上、手を加えることなく、現状を維持してほしいと思う。
撮影日時 121107 6時50分~8時20分
駐車場 あり(500円)
道路地図
地形図
奈良県宇陀郡御杖村神末
一年一ヶ月ぶりの神社カテゴリでの記事だ。
この間、訪れた神社は再訪ばかりでたったの10社ほど。
この御杖神社も再訪ではあるし、確か以前に「雑多な写真」で載せたとは思うものの、一つの記事としての紹介は初めてだ。
相変わらず遠出や神社巡りに時間が割けない状況ではあるのだけど、それとは別に、以前とはちょっと考え方というか気持ちの持ちように変化があって、最近は以前のように、新たな神社を見つけ出そう、といった気負いみたいなものが無くなった。
気に入った場所を何度も訪れたり、気になったところを気ままに訪ねたり、といった感じで、時間が無いぶん必死になるのではなく、寧ろマイペースになった。
また、隈なく撮ってやろう、などとも思わなくなり、撮りたいところを撮りたいように、といったスタイルになりつつある。
なんてまるで悟りを開いたようなことを言っているが、あくせくするよりのんびりを欲しているだけなのだろう。
ここ御杖神社はのんびりするのに相応しい山里にある。
当初、寄るつもりも無いどころか念頭に全く無かったのだが、いかにも山里らしい鎮守の杜が視界に入って、数年ぶりの訪問となった。
この日は寒風の吹きすさぶ荒れた天気で、寒さだけでなく雨も降ったり止んだり。
そして時々、こんな風に束の間だけの陽射しが顔を覗かせる。
ここの鳥居は特徴ある縦に長い姿で出迎えてくれる。
周囲は長閑な山里の風情だが、鳥居をくぐれば雰囲気は一変して厳かな気配に満ちる。
神域は狭く、すぐ背後には道路や民家があるが、そうとは感じさせない深さがある。
振り返れば里の気配。
まだ紅葉は残っているけれど、鳥居前から見える三峰山は白く雪化粧していた。
狭い神域とはいえ式内社で、社殿はそれなりに規模がある。
ただ、撮りにくい位置にある本殿は撮影せず。
いちばん気に入った角度から撮ったものだが、実はトイレの前からだったりする。
柔らかな陽射しが気持ち良い。
境内右奥には境内社。
この後、霰混じりの雨が降ったりしたものの、私にとっては懐かしい名張周辺をドライブ。
最後にはまた御杖村に戻ってきて、ここから程近い谷間で車中泊。
名張に住んでいた当時、何度か星を見て眠った場所だったので、とても心地よく眠れた。
撮影日時 121115 12時半~12時50分
駐車場 神社西側の道路にあるガソリンスタンド跡が参拝者用駐車場になっている。
道路地図
地形図
先日、我が家のすぐ近くに落雷があった。
その影響で、パソコン関連機器、すべてが壊れた。
起動させていたわけではないが、コンセントを抜かないと落雷の影響は防げない。
そのことは知っていたし、在宅中でもあったのに対応しなかったことが悔やまれてならない。
この記事は借り物のノートPCで書いている。
今まで撮り溜めてきた数万枚の写真が生きているかどうかが気にはなるが、暫く新しいパソコンを買えそうにないし、復旧に取り組むにしても当分先になりそうだ。
ただ、データを復旧できる可能性は低いだろうと考えている。
喪失感というか、虚無感というか、何も手につかないような精神状態に陥りそうだけど、先週、気分転換を兼ねて、室生、名張方面に撮影に出かけた。
久しぶりの本格撮影、久しぶりの遠出、久しぶりの名張、ということで、とても楽しく充実した時間を過ごせた。
借り物PCで使い勝手が悪いとはいえ、そのときに撮った写真もまた載せていきたいと思う。
一枚だけだが今回もそのときに撮った写真を。
名張川に沿う国道は、名張に住んでいた頃にドライブで何度も走った。
住み始めた当初、この国道は狭いところが多かったが、広い新ルートに付け替えられてこの視点が得られるようになった。
以後、秋にここを通る度、この紅葉に目を奪われた。
目を見張るような、とか、目の覚めるような、といった鮮やかさはないのだけれど、いいなぁ、としみじみ思うような紅葉である。
場所は名張市ではなく美杉村になる、というか、美杉村は今は津市の一部だ。
名張市と津市が隣接している? と疑問を呈したくなるほど違和感があって、未だにそれが拭えない。