京都府亀岡市保津町
丹後に出掛けて以来の撮影だから、二ヶ月以上、どこにも写真を撮りに行っていなかったことになる。
冬を除けば、こんなに撮影に間が開くのは初めてだ。
あまり遠くに行く時間も気力も無いので、以前から少し時間があれば立ち寄ろうと考えていた請田神社に行ってみることにする。
気軽に手軽に行けるところだけど、久々の撮影ということで、ちょっと気合いを入れて早朝を狙うことにした。
早朝の神社となると、四ヶ月ぶりだ。
亀岡の道は走り慣れているが、請田神社への道は初めてで、予想以上の狭さにちょっと戸惑う。
家並みを抜ければ迷うことの無い川沿いの一本道だが、離合出来る場所は殆ど無く、所々で落石も転がっている。
途中で道の脇に鳥居が現れるが、神社入り口まではまだ少しある。
やがて左手に登っていく道が分かれ、その先で道路は通行止めになる。
その近くに少し広くなっている場所があるので方向転換。といっても、軽自動車でないなら何度か切り返さないといけない狭さだ。
先ほどの分岐点に戻って駐車。一台分くらいしかスペースは無い。
まだ暗い中、舗装された道を登っていく。
すぐに神社が見えてくる。
暗い中にも朱が鮮やかで、その空間にいざなわれるような気がする。
淡い光に浮かび上がる参道にも誘われる。
右手には大木があるものの、保津川への視界が開けており、先日の台風の影響で増水した川では、濁流が轟々と音を立てている。
川の音はあまり優しくないけれど、気配は朝のそれで、しっとりと柔らかい。
拝殿の屋根を照らす光も、朝の柔らかさ。
保津川とは反対の本殿側は意外と深い杜で、まだ朝が入り込めない暗さを残している。
木の間越しに見る本殿。
直射光ではない斜めからの光というのは、社殿を最も美しく見せてくれる。
普段は撮らないこういった装飾も、朝の光に浮かび上がって綺麗だった。
瑞垣内にある木は、ここに限らず、何故か大木でなくても惹かれるものが多い。
独特の気配を纏っているように思う。
瑞垣内にある境内社もまた、何か独特な雰囲気を湛えている。
これも境内社のもの。
普段はこういったものもアップで撮らないけれど、朝の光だと味わい深く感じる。
最後は振り返りつつ、この場を後にする。
2万5千分1地形図
撮影日時 110923 5時30分~6時10分
駐車場 神社入り口前に1台可
地図
どこにも出掛けられずにいるので「寄せ集め」の2を。
といっても、先日は少し時間があったので、珍しく友人と近場の神社に行ってきた。
まだ20代前半の友人は、もちろん神社に興味を持っていないのだが、ドライブがてら、ついでといった感じで神社に誘った。
場所は亀岡の出雲大神宮と宮川神社、それから南丹の摩気神社。
出雲大神宮では磐座や上の社なども周ってみると、友人はそこそこ楽しんでいる様子。
単純に神社そのものだけでなく、ちょっとハイキングっぽい気分や、涼しく深い杜の雰囲気が気に入ったようだ。
次の宮川神社では、せせらぎのそばの小道に腰を下ろして暫くぼーっとした。
それがまたとにかく気持ちよかったらしく、「うわー、いいっすね、神社っていいっすね。こんなとこなら何時間でもいられます」と絶賛している。
更に、「彼女をここに連れてきて、もし何も感じないようでしたら、俺、別れますわ」なんてことまで言っている。
最後は摩気神社。
ここでは茅葺の屋根などに感心していたが、とにかくさっきの宮川神社が気に入ったようだ。
ああいう環境は、なかなか無いとはいえ、またどこかを連れまわして神社好きにしてやろう、などと考えている。
カメラは持っていかなかったので、このときの写真は無し。
「寄せ集め」だけれど、本来なら「雑多」に掲載すべき場所がいくつか混じってますが・・・。
兵庫県丹波市氷上町上新庄 若宮神社
とても小さな神社で、薄暗い参道の杉も貧弱。
だが、小さく開けた本殿周りの空間にとても惹かれた。
本殿前にモミジがあるが、もしこれが色づいて、そこに淡い光が降り注いだら・・・、などと、見てもいない光景にうっとりしてしまうのだ。
兵庫県丹波市青垣町稲土 浄丸神社
渓谷沿いにある神社で、境内には滝もある。
本殿と滝をメインに撮るべきなのだが光線状態が悪すぎたので境内社を。
ここは撮り直しに行きたい。
兵庫県丹波市青垣町桧倉 若宮神社
手水を引くパイプが無粋で残念だが、苔生した素朴な手水鉢と木々の雰囲気は見事だった。
福井県三方上中郡若狭町常神 常神社
滋賀県高島市新旭町安井川 大荒比古神社
鳥居周りは鬱蒼としていたのだが、参道や境内は明るく、写真にはしにくかった。
滋賀県高島市新旭町饗庭 波爾布神社
ここも光線状態が厳しくて、まともに撮れたのはこの御神木と境内社のみ。
滋賀県長浜市木之本町黒田 大澤神社
京都府南丹市園部町竹井 摩気神社
冒頭でも触れたが、これを撮ったのはずっと前。
朝靄に煙る本殿背後の茅場。
兵庫県三田市波豆川 八阪神社
滋賀県長浜市余呉町坂口 意波閇神社
福井県小浜市竜前 若狭彦神社
奈良県下北山村前鬼 不動七重の滝
京都府亀岡市本梅町中野 廣峯神社
苔生した参道が美しいけれど、普段は落葉に覆われていることが多い。
こんな姿を見せてくれるのは、意外と限られた時期だけだ。
和歌山県那智勝浦町大野 比丘尼滝
滝壺は深く広く、滝の表情も豊か。
大雨でこの姿はどうなっただろうか。
兵庫県新温泉町海上 シワガラの滝
奈良県吉野町山口 吉野山口神社
奈良県宇陀市室生龍口 山椒谷
和歌山県白浜町久木 ドン谷
タイトルが思い浮かばないので、無題で失礼します。
近畿の西側を台風が通過すると、紀伊半島は大雨になることが多い。
風は、低気圧に向かって反時計回りに吹くから、台風が西側にあると、南東からの湿った空気が紀伊山地にぶち当たって多量の雨を降らすことになる。
今回はそういった状況が長時間に亘って続いた。
だから私は気になって、度々、気象庁のホームページや、国土交通省の「川の防災情報」のページを見て、雨量をチェックしていた。
上北山村の積算雨量が1000ミリを超えたときには目を疑った。
いくら大雨に慣れている地域とはいえ、ただごとではない。
もっと避難指示、避難勧告を出すべきではないかと思った。
積算雨量は最終的に1800ミリ、大台ケ原山などは2400ミリに達した。
大阪の年間降水量は1500ミリほどだから、それを上回る量の雨が、たった数日間で降ったことになる。
何度も書いているけれど、紀伊半島は私の大好きな地域で、たぶん100回以上は訪れている。
今回の災害で、新聞に載っていた写真のほぼ全てが、見覚えのある、けれど記憶とは違ってしまった風景だった。
写真に写っている道路の看板や、学校や、ガソリンスタンドや、橋や民家、山や川も全て、目にしたことのあるものばかりだ。
つらい。
生まれたときからその風景に接してきた人々の心中には遠く及ばないが、早く元の姿に戻ってほしいと思う。
決して戻らないものも沢山あるのだろうけれど、新たな価値あるものも、きっと生まれると信ずる。
記事とは全く関係ないですが、分類上、今までどの記事にも載せられなかった写真を二枚。