神社のある風景

山里の神社を中心に、歴史や建築等からの観点ではなく、風景という視点で巡ります。

水無瀬渓谷

2016年01月08日 | 滝・渓谷

大阪府三島郡島本町尺代


年明けの最初の記事は雪化粧をした神社を、と考えていたのだが、そう都合よく雪が降るわけもないので、前回の若山神社の後に立ち寄った場所を載せることにする。
それはともかく、改まって新年の記事は書きませんでしたが、本年もよろしくお願いいたします。
更新が少ないせいもあって、以前よりアクセス数も随分と減ってしまいましたが、地道に続けていくつもりです。
コメントも減って、果たして見て下さる方がどれくらいいらっしゃるのか判りませんが…。

タイトルは水無瀬渓谷としたが、地形図を見ても特にどうということもない地形で、凡そ渓谷と呼ぶには相応しくないと思える。
この程度の谷川は山間部に行けばどこでも見られるし、京阪間からちょっと山に入ったところ、といった場所柄から、普通の谷川が渓谷と称されているのだろう。
山吹渓谷とも呼ばれていて、割と長い距離に亘って民家も無く、確かに近辺に於いては希少な存在かも知れない。 
あまり期待は出来ないが、久しぶりに山を歩いてみたかったので足を延ばすことにした。 

若山神社の本殿横から車道を下り始めると、 すぐに右へと大きくカーブするところにトイレがある。
その辺りで左へと分岐する山道があって、尺代へ、と書かれた看板が立っている。
よく踏まれた道で、迷う心配は無い。



途中、右手に畑があって、まだ霧が残っているせいか、どこか高地の畑のようだ。
道は概ね竹林の中を行くが、神社付近と比べれば少し荒れており、写真にはしにくい。
やがて急な下り坂になり、尺代集落へ出る。
橋を渡ってすぐに左への林道に入る。



舗装されていた道は暫くで地道になり、こんな切通しもある。
途中に、落石の危険があるため通行止め、という看板とゲートがあるが、もう長い間この状態であるらしく、誰も気にせず入っているようなので、私も気にせず奥へと進む。



林道は谷川に沿っているものの、流れからそんなに近くない場所が多い。
所々で水際へと降りていく踏み跡があるので、流れの様子を見に行く。



上流に集落や採石場らしきものがあるので、少し濁りがある。
まあ夏ならば水遊びしたい程度には綺麗な水だ。
この季節の平日だから人の気配は全く無いが、それなりに賑わう時期もあるのだろう。
あまりそういう時期には来たくないと思いつつ、そういった緑濃い季節に訪れれば、結構いい表情の水が撮れるのでは、と思ったりもする。






思っていたよりも渓谷らしくなる。
京阪間の駅から徒歩で来られることを思えば、なかなかいいのではなかろうか。

やがて対岸に細い滝が見える場所に出る。
乙女の滝と呼ばれているらしく、事前に調べていたので知っていたが、支流の貧弱な滝と思っていたわりに、雨後のせいかそれなりに水量がある。
林道からはよく見えないので、少し戻って谷川へと降りる踏み跡を使う。



水車の残骸が現れる。
結構な大きさで、稼動していた頃の姿を見てみたかったと思う。



ちょっと険しいところを下って水際に降り立つ。
なるほど、渓谷と称しても差し支えないような表情に出逢う。



この辺りの標高は120mほどだ。
渓相も悪くないし、意外と植林が少なく、それでいて常緑広葉樹が多くて、この季節でも緑が多い。



乙女の滝が見えてくる。



滝そのものよりも、滝のある周囲の雰囲気がいい。






水量は少ないが、結構な落差がある。



本流の方は廊下状になって、この先の風景が気になる。
とはいえ、足を濡らさずに先へ進むのは難しそうだ。
対岸ならもう少し先へと行けそうなので、飛び石伝いに対岸へと渡る。



まずは乙女の滝の傍へ。






やはり対岸から、本流と絡めて見る姿が美しいように思うが、全く期待していなかったので、充分に嬉しくなる風景だ。



本流の方にも滝が見えて、しかも険しい表情を見せて先へは進めない。
夏ならば、もう少し滝へ近寄ろうと試みたかも知れないが、今回はここで引き返すことにする。
若山神社も水無瀬渓谷も、大阪近郊とは思えない風景に出逢えて楽しい一日であった。


撮影日時 151224 9時50分~11時50分
地図