神社のある風景

山里の神社を中心に、歴史や建築等からの観点ではなく、風景という視点で巡ります。

京都北西部の神社と滝巡り その3

2016年11月24日 | その他

前回の「その2」から随分と間が空いてしまいました。
申し訳ないです…。

さて、山國神社からは来た道を戻る形で、往きとは違う場所に立ち寄りながら帰ることにする。
まずは余野という集落にある九頭神社に参拝。
ここは以前に掲載したことがあり、お気に入りの場所でもあったが、どうも以前と印象が違う。
何となく乾いたような風景になっていたので、何故かと見渡して、参道横に本殿方向へと続く車道が出来ているのに気付いた。
車道といっても、舗装されているわけでもなく、軽トラがやっと通れるほどの道ではあるが、多少は木々が伐採されたようで、風通しと日当たりが良くなっている。
景観を大きく損なうようなものではないけれど、明らかに緑の潤いは勢いを失っていて、参道の苔もかなり減っていた。
ただ、こういった道は多くの神社で見かけるし、数年も経てばある程度は回復するものと思われるが、今回は載せたいような写真は撮れなかった。

九頭神社から西側の峠を越えた谷間に滝又ノ滝というのがある。
「その1」で載せた菩提の滝を初めて見た時から滝に魅せられた私は、中学生の頃には滝又ノ滝の存在を知っていたのに、今に至るまで行く機会は無かった。
車で行くには道が悪そうだし、近くまで来たとはいえ行くのは躊躇ってしまうのだが、むっちゃんさんは「行きましょう」、と言ってくださる。
お言葉に甘えることにする。

案の定の悪路で、途中で車を降りて歩き出そうかと思ったりしつつも、何とか林道終点まで辿り着く。
そこからは谷川に沿って下る山道で、地形図を見る限り穏やかな道のりなのだが、こちらは案に相違して意外と険しい。
というよりも、地形図に記載されている滝又ノ滝の位置がおかしいように思われる。
もう少し下流、山道が右岸に移ってから等高線がやや密になった辺りが滝の位置であろう。



滝付近の険しい地形を巻いて急坂を下り、谷川に降り立ったところから上流側に歩くと滝が現れる。



なかなかに表情豊かな滝であると思うのだが、正面からの表情しか上手く撮れず。



滝の下流側は、右岸の岩壁が迫り出していて、小さい滝ながらも、やはり滝を形成するだけの地質というか、地形を形作っている。
行こうか迷ったが、来て良かったと思える場所だった。



滝又ノ滝の次は、大森の加茂神社に立ち寄る。
ここも以前に掲載したことがあるが、前回訪れた時と全く変わらない印象で嬉しくなる。



神社前は、やや草が茂っているけれど、ちゃんと手入れされているし、いかにも山里の神社といった風情で心地よいところだ。



ここは式内社でもあり、それなりの規模がある。






本殿は覆屋の中。



本殿向かって右側にある境内社。



ここは秋には紅葉が美しいだろうと思う。









以前に載せた写真と同じようなものだが、境内から鳥居の外を見た風景は惹かれるものがある。

加茂神社の少し上流に、加茂神社の旧社地があるらしいので、そちらに向かう。



明神祠と呼ばれているらしいその場所は、せせらぎの響く林内にあった。



なるほど、これは神域だ、と思わせる気配が残っている。



最後は、岩戸落葉神社に参拝。



もう夕暮れ時で薄暗くなってきたけれど、しっとりと落ち着いた気配に満ちていた。



苔も豊かで、すぐそばに民家もある場所でありながら、潤いある空間になっている。



陰翳を纏った神社は美しく、この日を締め括るのに相応しい風景を見せてくれた。

最後に、遅くなりましたが、むっちゃんさん、お誘いくださりありがとうございました。
お陰様で、思い出深い一日になりました。
またどこか、ご一緒できればと思います。