和歌山県東牟婁郡那智勝浦町口色川
ここは以前に「筆藪滝・猿手滝・部屋滝」として下流部を掲載している。
当時、部屋滝より上流は、私の技術と体力では無理と判断したのだが、いろいろ調べているうちに、なんとか行けるかも、と思えてきた。
それに最近は、やや歩行距離の長い場所や渓谷に行く機会も増え、休日には殊勝にもジョギングしてみたりと、体力の回復を実感したりしていたので、まだ見ぬ上流部の探索を試みることにした。
ただ、前回のように下流の瀧本集落から上流部にかけてを往復すると距離が長くなるので、今回は上流部から谷を下降することにした。
上流部には林道が通じており、都合の良いことに熊野古道の地蔵茶屋という休憩所がある。
さて今回(1回目)としたのは、二日がかりで探索する予定が二日目は雨だったため、上流の一部しか探索出来ず、都合、約一ヵ月後にもう一度訪れることになったからである。
一回にまとめようかとも思いつつ、春の一ヶ月は、その表情を大きく変えるので、一回目と二回目を分けて掲載することにした。
尚、ここは沢登りをする人の間でも人気が高く、危険箇所での逃げ道もあって、沢登りでは初心者向けコースとなっているが、沢登りの難易度はハイキングなどとは大きな隔たりがあり、一般的には熟練者向きとなるので、安易な入渓は避けて下さい。
朝に自宅を出て昼過ぎに地蔵茶屋に到着。どんよりとした曇り空だ。
普段はカメラバッグと三脚を肩にかけて歩いているが、今回ばかりはそんな出で立ちでは無理なようなので、高校時代に使っていたリュックを引っ張り出してきた。
久しぶりにリュックを背負って歩き出すと、何やら武者震いにも似た高揚感が湧き上がってくる。
未舗装の林道に入って暫く進むと、谷川へと降りていく階段がある。
降りたところに発電用の取水堰堤があり、そこからは流れに沿って歩く。
水は普段より少し多いくらいだろうか。新緑の色はまだ浅い。
この辺りの山は岩盤質で、流れは岩床の上を滑るように流れるところが多い。
前半は穏やかな流れで、水に濡れることさえ厭わなければ特に危険な場所も無い。
水深はだいたい膝くらいまでであるが、溝状に突然深くなっているところもあるので、足を取られないように。
滝もいいけれど、こういう穏やかな流れもいい。
もう少し穏やかな流れに浸っていたかったが、辺りの地形は険しくなり、流れは急流となって下っていく。
急流の先はストンと切れ落ちて滝となっている。
前方には岩壁が聳え立ち、ちょっと怯んでしまいそうになる。
だいたい、沢登は下降の方が難しいし、昔のカンを取り戻すのにも時間がかかる。
最初はちょっと手間取りながら、なんとか滝の下へ。
上から見たときは凄い傾斜に見えたのに、下から見れば緩やかな滝だ。
ただ、左岸にそそり立つ岩壁と川幅いっぱいに流れ落ちる姿は、なかなかスケールがある。
ほっと一息つく間もなく、流れはまた切れ落ちて、下方からごうごうと音を立てている。
この滝の下へ降りるには、崩壊地を横切る場所もあり、ちょっと危険を伴う。
何とか河原に降り立ち、比丘尼滝の前に立つ。
事前にネットで写真を見ていたけれど、思っていた以上に良い滝だ。
滝壷は深く泳げるほどの広さがあるし、滝前は広い河原で開放的な心地よい空間。
それでいて滝そのものは深い緑に包まれて陰翳もある。
滝のすぐ下流から、流れはまた穏やかになる。
ミツバツツジが所々で咲いている。
下のツツジは花付きが悪く寂しいが、頭に描いた通りの写真になったので満足。
時おりヒカゲツツジも見かける。
この先で広い河原に出た後、谷はゴーロ帯になる。
ゴーロ帯とは、巨岩が谷を埋めている場所を言うが、私はこのゴーロ帯が苦手である。ルートは判別しにくいし、見た目以上に危険で時間も食う。
時刻は15時過ぎになっているし、おまけに小雨も降ってきた。
この谷でいちばん見たい滝はまだ先だが、今回は諦めて引き返すことにする。
地蔵茶屋に戻る頃には薄暗くなっており、雨もやや強くなってきた。
ただ、ここから300メートルほど谷沿いの林道を遡ると、牛鬼滝(奥比丘尼滝)というのがあるので、もうひと頑張りする。
ここは林道からすぐのところにあるので容易に見ることが出来る。
これも予想より立派な滝であったが、すぐ横が林道のため、緑の深さが無く、日中だと味わいが薄れそうだ。
夕暮れ時のおかげで、多彩な表情を見ることが出来た。
2万5千分1地形図 紀伊大野
撮影日時 100419 13時~18時20分
駐車場 地蔵茶屋にあり
地図
ここは以前に「筆藪滝・猿手滝・部屋滝」として下流部を掲載している。
当時、部屋滝より上流は、私の技術と体力では無理と判断したのだが、いろいろ調べているうちに、なんとか行けるかも、と思えてきた。
それに最近は、やや歩行距離の長い場所や渓谷に行く機会も増え、休日には殊勝にもジョギングしてみたりと、体力の回復を実感したりしていたので、まだ見ぬ上流部の探索を試みることにした。
ただ、前回のように下流の瀧本集落から上流部にかけてを往復すると距離が長くなるので、今回は上流部から谷を下降することにした。
上流部には林道が通じており、都合の良いことに熊野古道の地蔵茶屋という休憩所がある。
さて今回(1回目)としたのは、二日がかりで探索する予定が二日目は雨だったため、上流の一部しか探索出来ず、都合、約一ヵ月後にもう一度訪れることになったからである。
一回にまとめようかとも思いつつ、春の一ヶ月は、その表情を大きく変えるので、一回目と二回目を分けて掲載することにした。
尚、ここは沢登りをする人の間でも人気が高く、危険箇所での逃げ道もあって、沢登りでは初心者向けコースとなっているが、沢登りの難易度はハイキングなどとは大きな隔たりがあり、一般的には熟練者向きとなるので、安易な入渓は避けて下さい。
朝に自宅を出て昼過ぎに地蔵茶屋に到着。どんよりとした曇り空だ。
普段はカメラバッグと三脚を肩にかけて歩いているが、今回ばかりはそんな出で立ちでは無理なようなので、高校時代に使っていたリュックを引っ張り出してきた。
久しぶりにリュックを背負って歩き出すと、何やら武者震いにも似た高揚感が湧き上がってくる。
未舗装の林道に入って暫く進むと、谷川へと降りていく階段がある。
降りたところに発電用の取水堰堤があり、そこからは流れに沿って歩く。
水は普段より少し多いくらいだろうか。新緑の色はまだ浅い。
この辺りの山は岩盤質で、流れは岩床の上を滑るように流れるところが多い。
前半は穏やかな流れで、水に濡れることさえ厭わなければ特に危険な場所も無い。
水深はだいたい膝くらいまでであるが、溝状に突然深くなっているところもあるので、足を取られないように。
滝もいいけれど、こういう穏やかな流れもいい。
もう少し穏やかな流れに浸っていたかったが、辺りの地形は険しくなり、流れは急流となって下っていく。
急流の先はストンと切れ落ちて滝となっている。
前方には岩壁が聳え立ち、ちょっと怯んでしまいそうになる。
だいたい、沢登は下降の方が難しいし、昔のカンを取り戻すのにも時間がかかる。
最初はちょっと手間取りながら、なんとか滝の下へ。
上から見たときは凄い傾斜に見えたのに、下から見れば緩やかな滝だ。
ただ、左岸にそそり立つ岩壁と川幅いっぱいに流れ落ちる姿は、なかなかスケールがある。
ほっと一息つく間もなく、流れはまた切れ落ちて、下方からごうごうと音を立てている。
この滝の下へ降りるには、崩壊地を横切る場所もあり、ちょっと危険を伴う。
何とか河原に降り立ち、比丘尼滝の前に立つ。
事前にネットで写真を見ていたけれど、思っていた以上に良い滝だ。
滝壷は深く泳げるほどの広さがあるし、滝前は広い河原で開放的な心地よい空間。
それでいて滝そのものは深い緑に包まれて陰翳もある。
滝のすぐ下流から、流れはまた穏やかになる。
ミツバツツジが所々で咲いている。
下のツツジは花付きが悪く寂しいが、頭に描いた通りの写真になったので満足。
時おりヒカゲツツジも見かける。
この先で広い河原に出た後、谷はゴーロ帯になる。
ゴーロ帯とは、巨岩が谷を埋めている場所を言うが、私はこのゴーロ帯が苦手である。ルートは判別しにくいし、見た目以上に危険で時間も食う。
時刻は15時過ぎになっているし、おまけに小雨も降ってきた。
この谷でいちばん見たい滝はまだ先だが、今回は諦めて引き返すことにする。
地蔵茶屋に戻る頃には薄暗くなっており、雨もやや強くなってきた。
ただ、ここから300メートルほど谷沿いの林道を遡ると、牛鬼滝(奥比丘尼滝)というのがあるので、もうひと頑張りする。
ここは林道からすぐのところにあるので容易に見ることが出来る。
これも予想より立派な滝であったが、すぐ横が林道のため、緑の深さが無く、日中だと味わいが薄れそうだ。
夕暮れ時のおかげで、多彩な表情を見ることが出来た。
2万5千分1地形図 紀伊大野
撮影日時 100419 13時~18時20分
駐車場 地蔵茶屋にあり
地図