神社のある風景

山里の神社を中心に、歴史や建築等からの観点ではなく、風景という視点で巡ります。

走田神社

2008年04月02日 | 京都府

京都府亀岡市余部町

亀岡市街の西の外れ、周りを水田に囲まれた平坦地にある神社である。
山里の神社を主に訪ねている私としては、あまり関心を持たずにいたのだが、いざ訪れてみて、思いのほか奥行きのある神域に驚かされた。
木々は深く、周辺の雰囲気とは隔絶された別世界で、心ゆくまで神社の気配に浸れるのである。
ただ、やはり周りが水田のためか、夏の蚊の多さには閉口させられる。写真を撮ろうとカメラを構える腕に、二匹、三匹と集ってくる。
また、マムシの多いところでもある。一度など、樹上からマムシが落ちてきて肝を冷やした。

市街の南にある鍬山神社と共に、亀岡を代表する神社であろうが、鍬山神社には華やいだ印象があるのに対して、ここはあくまでしっとりと落ち着いている。



周りが水田地帯に思えないほど、鳥居の先は奥行きがある。
神社入り口の左には、茅葺の立派な社務所。


緩くカーブを描く参道。
石灯篭が無ければ、緑濃い公園の散策路のようだ。


参道を進むに従い、苔が見事になっていく。


時おり、椿がポトリと音を立てて落ちてくる。苔の緑との対比が綺麗だ。


石灯籠が連なる場所の右手に本殿がある。


柔らかな日差しが降り注ぐ。
鳥の囀りも賑やかだ。


本殿背後の木は、やや寂しい。
が、広い空間にあってなお、潤いある景観を作っている。


再び苔と椿。
背後は弁財天社。


どの季節に訪れても、苔の絨毯は色褪せずにある。


境内社の稲荷神社。


朱色のトンネルは、やはり独特の美しさがある。

撮影をしている時、神主さんと思しき方が、本殿の清掃に来られた。
そして不思議そうに私を見る。
「いったい何を撮ってはるんですか?」
「神社の風景です」
「?」
「神社が好きでして、あちこちの神社を巡って写真を撮ってるんですよ」
「はあ・・・そうですか」
・・・何だか最後まで不思議そうな顔をされていた。
それほど特殊なことをしているつもりは無いのだが。


2万5千分1地形図 亀岡
撮影日時 080328 7時半~10時半

地図 



最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
正解です (era)
2008-04-02 21:29:22
行きましたよぉ。ここは亀岡の神社のなかでは宮川
神社の次にお気に入りです。
ここのマムシは昔から、人を咬まないと云われてい
ますよね。hiro1jzさんも大丈夫みたいだったよう
で、なによりです。
あと、ここは時代劇の撮影で、よく使われている
そうですよ。社務所に俳優さんのサインを書いた
ノートがありましたよ。

カメラを使いこなせていないって書いてありますけ
ど緑が綺麗に撮れてますね。このカメラに慣れた
ら、もっとキレイに撮れるんでしょうね。楽しみ。

ホント神社の環境は関西の方が恵まれています。
関東・甲信越・東海は、マズイ話が多いですよ。
我侭な氏子さんも増えてますし、初詣と七五三以外
は神社に行かない人が多すぎですね。
関西は、それに比べれば少しマシと感じます。
ちなみにお寺の方は関東でも人気あるとこ多いん
ですよね。。。なんでだろ?

hiro1jzさんはhiro1jzさんのスタイルでOKですよ。
自分は、頭でっかちで理論追及形ですが、それでも
美しい神社に行くと神社最高と思いますもんね。
式内社の掲載が多いの大歓迎ですが、人知れない
美しい社も楽しみですよ。
う~ん北の方角の神社が多くなりそうですね。
楽しみにしてますよ。
返信する
Unknown (hiro1jz)
2008-04-03 06:49:05
ここのマムシは咬まない、とは聞いていたのですが、
子供のマムシながら、凄い威嚇してきました。
知らずにそばを通ってたら、絶対咬む、と思いましたね(笑
確かに時代劇の撮影に使えそうですね。
京丹波町にも時代劇に使えそうな神社がありまして、
ここはあまり知られていないようなので、
いずれアップしようと思っています。

初詣と七五三以外に神社に行かないっていうのは、
関西でも似たようなものだと思います。
あとはまあ、小中学時代の遠足先が、決まって奈良や京都の寺社仏閣なので、
そのぶん多少の親しみはあるかもです。
逆に、辟易してしまう子供も多いですが。

いよいよこちらも桜の満開が近づいてきました。
桜が綺麗そうだと目星をつけている神社がいくつかあるので、
ここで紹介出来たらと思います。
やはり「風景」というスタンスが前提なので、
それを見る人が、それぞれの関心の方向へ思いを馳せていただければ、と。
返信する

コメントを投稿