神社のある風景

山里の神社を中心に、歴史や建築等からの観点ではなく、風景という視点で巡ります。

この一年

2019年02月08日 | その他

この二月で、ブログを開設して11年が経ちました。
11周年というのもキリが悪いので、「この一年」と題して、この一年間でそれなりに気に入った写真を、例によって大きめサイズで載せようと思います。
とは言え、撮影に出掛けた回数はたったの7回でして、自分としても、もっといい写真が撮りたい、という物足りなさのようなものを感じています。
直近に掲載したものもあって、新鮮味にも欠けるかも知れませんが、大きい画像で見ていただいて、またちょっと違った印象を持ってもらえれば。

一年を通して反省点は多々あるのですが、なんといっても更新頻度の少なさは致命的で、アクセス数もそれに比例しています(笑
写真は別にして、日常の、身の回りのことも書いてみようかなぁ、などと思ったり、実は書きたいこともそれなりにあったりするのですが、果たして需要があるのかという思いもあり、自重しています。
ご意見があれば、お聞かせください。

少ないながらも、このブログを支持してくださる方々には、感謝の念に堪えません。
末永く、お付き合いいただければ幸いです。


















































































物足りないとは書きましたが、それぞれの場所に、それぞれ思い入れがありますし、春夏秋冬、花、滝、海、紅葉、雪、そして神社と、わりと多彩に写真が撮れたな、という気もしています。
みなさんのお気に入りになるような写真があればいいのですが、あれの方が良かった、とか、あの記事のあの写真がいい、とかいう意見もあってほしいなぁ、と思います。

一つ気になっている点として、過去記事などの画像で、明らかに掲載時より画質が劣化しているものがあります。
また、最近のものでも、アップ時に画質が劣化するケースが多々あります。
粒子が粗くなっていたり、潰れたようになっている画像があって見苦しいのですが、原因が判りません。
似たような別画像をアップし直すと問題なかったりもするのですが…。ご容赦ください。


大龍神社

2019年02月02日 | 再訪

兵庫県三田市上相野


休日の前夜に雪が降れば、どこかの神社に行こうと考えていた。
湖北や但馬辺りにでも行けば雪景色の神社を見るのも容易いだろうが、もう少し身近なところで少ないチャンスに出逢い、普段とは違う姿を見てみたい。
だが、そうそうタイミング良く、休日の前夜に降り積もって朝頃には止む、なんてことにはならない。
雪景色は、降り止んだ直後が最も美しいと思うが、そんなタイミングを待っていたら、そのまま春になってしまいそうだ。
ところが、上手い具合に休日の前日から冬型の気圧配置が強まった。
兵庫県河川監視カメラシステムのホームページで、篠山や三田辺りのカメラ画像を何度も確認し、気象庁のレーダーで雪雲の動きを追う。
積雪は1~3センチくらいか。
もう少し欲しい気もするが、風景としては充分に普段とは一変した姿を見せてくれる筈だ。
さて、問題はどこの神社に行くか、である。
最初に思い浮かんだのは、以前に雪景色を撮影したことがある篠山の八柱神社だったが、やはり同じ場所というのは面白味に欠ける。
地形図を見て、この近くで雪景色が映えそうな神社は、と探して、すぐに大龍神社に目が留まった。
ここは、常緑照葉樹が多く、雪が積もればそれらは白を纏う。
それに、いつもはその常緑照葉樹の光の照り返しで、写真が上手く撮れない気もしていたから、雪が覆えば撮影条件も良くなるのではなかろうか。
よし、ここにしようと決める。

7時過ぎの電車に乗る。
川西辺りから屋根が薄っすらと白くなりだし、武田尾では雪を纏った木々の山峡に目を奪われた。
以前に掲載したことのある廃線跡のトンネルから、今度は雪景色を撮りたい! なんて思って下車したくなるが、快速電車なので通過する。
三田に入れば、白くなった平地が広がる。
やはり少し物足りないと思える積雪量ではあるけれど、山々の雪化粧は綺麗で気持ちは昂る。

相野駅で下車。
スマホで気象庁のレーダーを確認しても雪雲は表示されないが、弱い雪が降り続いている。
線路沿いの道を10分も歩けば大龍神社前に着く。



眠い、寒い、メンドクサイ、などと、出かける前はいつも思う。
でも、来て良かったな、と思える風景が出迎えてくれる。



山際に立つ鳥居は、朝の賑わいと、まだ目覚めたばかりの空気との境界のようだ。



長床を見ると、いつも「いいなぁ」と思う。



ここに来るのは四回目だし、その向こうの景色も知っているわけだが、何故かドキドキさせられるのだ。



それに今日は、どんな雪化粧を纏っているのか、というワクワク感がある。



長床自体も、普段よりちょっと厳かにみえる。



下をくぐって社殿が見えだしたときの気持ちの高まり。



ああ、と心の中で声を漏らす。
高まるものと、しーんと静まるものが同居する。



雪と戯れ、はしゃいで駆け回っていた子供の頃、ふと周りを見渡して、その美しさに気付いた瞬間の、暫し呆然と言葉を失う感覚を思い出す。



綺麗な、あるいは美しい、または、神秘的なとか、神々しい、それとも、森厳や静謐。
当てはまりそうな言葉は幾つか出てくるけれど、やっぱり、ただ「ああ」という感覚が勝る。



普段は緑豊かな潤いある風景が好きなのに、この色彩を排したような厳しい風景にも強く惹かれる。



本殿。



本殿前から長床。



本殿向かって左側の境内社。



手が悴み、痛い。



雪は止んだが、時おり木々から落ちてくる。



こちらは右側の境内社。



朱の鳥居は雪の中でも映える。



気温はマイナス1~2℃程度だと思うが、指が思うように動かずシャッターが切りにくい。
火気厳禁の看板が無ければいいのに…。



今日は日曜日だが、当然、誰も来ることなく、この空間を独り占めする。



電車の音や車の音が聞こえてくることはあっても、ひっそりと、静かで心地いい。






ただまあ、やっぱり寒くて手は痛いけれど。



雪を被った狛犬さん。
実は走り回りたいのではなかろうか。






さて、そろそろ帰ることにする。



長床をくぐる。
往きのときのような高ぶりは無いけれど、ゆったりと満ち足りたような想いで通る。



きゅっきゅと踏みしめるほどの雪が無いのは残念だが、いい風景に出逢えて満足。



いつも、その年最初の更新は雪の神社にしたいと思っているのだが、今年はそれが叶って良かった。
と言っても、もう2月になってしまいましたが…。


撮影日時 190127 8時15分~9時15分
地図