神社のある風景

山里の神社を中心に、歴史や建築等からの観点ではなく、風景という視点で巡ります。

宮川神社

2013年05月31日 | 再訪

京都府亀岡市宮前町宮川


ここを掲載するのは二回目だけど、自宅から一時間以内で行けるし、とても気に入っている場所でもあるので今までに何度も訪れている。
ちょっとドライブがてら、といった感じで友人を連れてきたことも何度かあって、神社に興味の無い友人が、ここの雰囲気を気に入ってくれたりもした。
だからここは、仲良くなった人や、その人の感性に自分との共通点を見出したりすると連れてきたくなる場所でもある。
そんな風に親しみある神社だから、回数でいえば今までで一番多く訪ねた神社かも知れないが、それだけに気軽に立ち寄るので、ちゃんと写真を撮ることがあまり無い。
いつも思いつきで立ち寄って、木々に包まれながらせせらぎを聴いてぼーっとする。
それだけで何となく満たされて帰る、といった感じだ。
だから今回は気合を入れて、夜明け前から撮ろうと思ったのだが、結局、日が出てからの撮影になってしまった。
まあ、また何度でも行けばいいし、何度でも行くだろうと思う。

記事の内容とは全然関係無いのだけど、今更ながら携帯をガラケーからスマホに切り替えた。
話に聞いていた通り、第一印象は使い勝手が悪い。
私はネットはPCでいいと思っているし、数多くあるアプリにも興味は無いので、通話とメールが出来ればそれでいいくらいなのだが、神社等へ行く際に地図機能だけはほしいと思っていた。
それに関しては満足したので、 あとは慣れるだけなのだが、ついでに自分のブログをスマホで見てみてちょっと驚いた。
写真の色合いがPCで見たときとだいぶ違うのである。
青みが強く、全体的に派手な色合いになっていて、これで見てもらうのはちょっと嫌かなぁ、と思うものの、PCの発色が正しいとも限らず、まあ今まで通りの感覚で撮るしかないのだけど。
それにしても、スマホに付いているカメラが、使っているデジタル一眼より画素数が多いって・・・。 



何度も来ているから新鮮な感動は無いものの、代わりにホっと寛げる穏やかな空気がある。



初めて見たときは、ちょっと寺院っぽいなぁと思った参道だが、今では余所で似たような雰囲気の場所に出逢うと、宮川神社っぽいなぁ、なんて思うようになった。






晴天で光は鋭いけれど、朝ならではの柔らかさがある。



拝殿と本殿。
ここで違和感を覚える。
何故かと考えて、石段の手摺が原因であることに気付く。
確か前回までは無かった筈で、改めて境内を見渡してみると、いま上ってきた石段にも、この先の杜の中へ続く小道にも手摺が銀色に光っていた。
より多くの人に安全に参拝してもらうためにはいいことなのだが、写真を撮るにはちょっと厳しくなる。









拝殿から谷川方向を見れば、緑いっぱいで嬉しくなる。



拝殿奥から杜の中へと続く小道。
ぐるっと周って本殿横に出られるのだが、この小道が宮川神社に惹かれる大きな理由であると思う。
ただ、今は常緑広葉樹の落葉の季節であるので、ちょっと落ち葉がうるさく感じられる。
時期によっては、もっと苔生して素敵な道になる。
右上には手摺が見えているので、小道がどういうふうに付けられているか判ると思うが、それを無視すれば、まるで森の奥深くへどこまでも続いていくかのような趣がある。






この小道の魅力を更に高めてくれるのが、横を流れる清流だ。
ちょっと水量が少ないので雨後の方が見栄えがするし、よく見れば対岸にゴミがあったりするけれど、立ち去り難いほど居心地がいい。






小道に沿って、ひっそりと摂社。



やや雑然として、目を見張るような大木も無いが、杜の気配を満喫できる。



本殿覆屋の横に出てくる。



その覆屋に覆い被さるように磐座。
何度来ても、楽しく清々しく心地よい神社空間だと思う。


撮影日時 20130517 6時~7時10分
地形図
道路地図
駐車場 なし 神社前の道路脇に邪魔にならないよう
 


八柱神社(沼)

2013年05月24日 | 兵庫県

兵庫県丹波市氷上町沼


今回もまた八柱神社だけれど、べつに八柱神社に拘っているわけではなく、たまたまこの地域で行きたかった神社に八柱神社が多かっただけである。
私が行きたい神社を決めるときの基準は、参道が長そうであること、杜が深そうであること、苔が豊かそうであること、などなどで、氷上の八柱神社は苔に、前回の西芦田と今回の八柱神社は参道の長さに誘われたようなものだ。

集落の北の外れ、道が少しだけ広くなった場所に車を止めて神社まで歩く。
鳥居横の民家では庭弄りをされているおじさんがいたので、何となく気が引けて鳥居の写真は撮らずに参道に入る。



参道は200メートルほどあるのだが、途中に作業小屋のようなものがあって、それより手前からでは写真にしにくい。
コンクリートの側溝も少し目障りではあるけれど、杉木立の先に見える建物には惹かれる。



こういう建物、いつも何と呼ぶべきか迷う。
神門、なのだろうか? 反対側に回れば舞台のようでもあるし・・・。
まあ多目的な建物であろうから、呼び方はともかく、こういう「くぐる」建物が好きである。
鳥居もそうだけれど、結界感というか、ちょっと違う世界に足を踏み入れるような感覚になれる。



向こう側を少しだけ見せられることで、より向こう側を焦がれてしまうような。



振り返ればこんな感じ。
大木といえるような木は無いが、なかなか落ち着いた杉林。



ちょっとドキドキします(笑)



日陰に入ると同時に、ふっ、と心も静かになる。



ただ何となく撮りたくなって・・・。






こちら側に回れば、建物の用途は物置状態なのだが、何やら色々な物が置かれていて見ていて楽しい。






これは本殿の覆屋なのだろうが、こういう立派なものだと写真にもしやすい。
ただ、本殿の様子は全く判らないけれど。






帰りに「くぐる」ときには、「戻る」という感覚になる。



更に、暗がりから出て明るい鳥居をくぐれば俗世間で、仕事やら人間関係やら、日々ストレスと煩わしいことだらけ・・・。
とはいえ、先日、かつての仕事の後輩と話していると、「俺はいい先輩に恵まれてました」なんて殊勝なことを言ってきた。
話も合ったし、仕事とは何かを教えてもらえた、みたいなことを言ってくれたので、人間関係は大変だけれど、人間関係っていいなぁ、とも思う。
まあ彼は酔っていたので、どこまで真剣に言っているのか判りませんけど・・・。 



撮影日時 20130503 12時10分~12時40分
地形図
道路地図
駐車場 なし 駐車場所からは徒歩3分
 


八柱神社(西芦田)

2013年05月17日 | 兵庫県

兵庫県丹波市青垣町西芦田


道の駅「あおがき」でちょっと買い物をして、そのまま徒歩で西芦田の八柱神社に向かう。
集落内の狭い道を抜けて山際に出ると、谷間に入っていく林道があったので、恐らくこの先が神社だろうと林道に入る。
動物避けの柵を開けて上り坂の林道を進んでいくと、左右に横切る道に出た。
右を見れば社殿が見え、左を見れば鳥居が見える。
どうやら参道の途中に出てしまったようなので、左に進み、鳥居を見に行くことにする。






雰囲気のいい石段だが、周囲は手入れのされていない貧弱な杉林で鬱蒼という感じとは違う。
ただ雑然と薄暗いだけだ。



参道入り口までは歩いていないが、こんな感じの杉林の中の道。



鳥居から先は木々の雰囲気が変わる。
といっても、参道沿いだけではあるが、それでも杜といっていい気配になる。
丹波市はその道の職人さんがいらっしゃるので、神社の檜はどこでも皮が剥かれて赤い肌をしている。



この辺りで、空気が澱んでいるかのような、何か重さみたいなものを感じる。
言葉にはしづらい違和感。
普段、私はそういったことには鈍感なのにどうしたことだろう?

 
陽が射せば暗い雰囲気は無いのに、ちょっと異様な感じが拭えない。



左にある、やや大きな木の横を通り過ぎたとき、何故かふと、振り返るようにその根元に目をやった。
人形やら縫いぐるみやら、おもちゃの類と思しきものが幾つか、崩れたり汚れたりして折り重なっていた。
ちょっと「ゾッ」とさせられる光景だけど、何か供養的な意味があるのだろうか。



何故かそこを過ぎると、もう空気の重さみたいなものは感じられなくなった。



石段を上り、本殿覆屋の正面へ。
なかなか立派な石垣だが、本殿への石段はかなり急だ。



知り合いに子持ち狛犬が好きな人がいるのを思い出した。






本殿は予想外に美しいものだった。






本殿前から振り返れば、木漏れ日と戯れる風情の狛犬。



更に下へと続く参道を見下ろせば、青みを帯びた砂利のせいか、ゆらゆらと揺れる木漏れ日のせいか、まるで水底を透かし見るような感覚になった。

往きに感じた空気の違和感は、もうどこにも感じられなくなっていた。
澄み渡った、神社らしい空気があるのみだ。


撮影日時 20130503 11時~11時40分
地形図
道路地図
駐車場 なし 道の駅から徒歩10分
 


浄丸神社

2013年05月14日 | 兵庫県

兵庫県丹波市青垣町稲土


丹波市の最北端に近い山中にあって、山を越えればもう但馬だ。
神社よりも境内にある浄丸の滝の方が知られているようで、道路沿いにも「浄丸の滝」の看板をいくつか見かけた。
谷間に滝の音が響く、素敵な環境にある神社である。

ここは6年ほど前に訪れているけれど、記事として掲載するのは初めてだ。
前回はアブに纏わりつかれて閉口したこともあって、いい場所なのにあまり再訪する気になれずにいた。
それに当時はまだコンパクトデジカメを使っていて、陽射しも強く、写真の出来もひどいものだった。
久しぶりの再訪だし、出来れば薄曇の条件で撮りたかったのだが、残念ながら今回も陽射しが強くて似たような条件。
カメラのお陰か、それとも少しは腕が上がったのか、前回よりはまともに撮れたので掲載することにしたけれど、こんな山奥の神社でもネット上にはたくさんの紹介記事が見つかるし、いいなぁと思う写真もたくさんある。
もっとここの良さを写せればよかったのだが、今度再訪するのはいつになるだろう。

稲土川沿いの道を上流に向かって走り、民家が途切れると動物避けのネットが道を塞ぐ。
いったん車を停めてネットを開け、車を通したらネットを閉める。
そこからは林道といった感じになり、少しで神社入り口に着く。



陽射しは強いが、空に雲が全く無いわけでもないので、陽が翳る瞬間を待って写真を撮る。
それでも明るいので、山奥らしい趣があまり出ない。



手水鉢はもともとあった自然石を穿ったものだろうか。



赤い橋と本殿。
周囲の岩は苔生しているし、新緑も鮮やかで緑いっぱいである。



橋の下から浄丸の滝が落ちている。
ただ、本殿とセットで撮るにはもっと広角のレンズがいる。
まあ写真にしにくい滝であるので、滝そのものの撮影は早々に諦めた。






橋を渡って振り返る。
陽射しのせいでコントラストが強すぎるけれど、新緑が眩しい。
橋の欄干の赤が、緑とよく似合う。



本殿は小さいものの、山中の神社としては立派なものだ。


本殿横の境内社。






本殿前から。



舞台のようなこの建物は、かなり傷んでいる。



だが、そこから見る新緑が一際美しかった。



浄丸の滝ではなく、本殿横の小さな落差。



写真は撮りにくいけれど、陽が射している時の方が水は綺麗だ。
今回はアブもおらず、谷のせせらぎと匂い立つような緑に包まれて、清々しい時間を過ごすことができた。


撮影日時 20130503 9時20分~10時20分
地形図
道路地図
駐車場 神社入り口付近に可
 


八柱神社(氷上)

2013年05月10日 | 兵庫県

兵庫県丹波市氷上町氷上


集落の奥にある神社なので、駐車場所に困るだろうと思い、1キロ近く離れた場所に駐車して田圃の真ん中の道を歩き出す。
田植えシーズンなので、付近は農家の方々が総出といった感じで賑やかだ。
道路脇の用水路には山からの清冽な水が勢い良く流れ、水路を開かれた田圃に水が張られていく。
田の畦には春の花もたくさん咲いているし、神社までの10分ほどの道のりは退屈しない。
田園地帯の明るい道から木陰に包まれた山際の道に入り、やがて鳥居が見えてくる。
神社のそばに駐車できるスペースがあったが、春らしさを満喫できたからまあ良しとしよう。






本当はもう少し早い時間に来たかったのだが、内尾神社で粘りすぎた。
太陽の光が射し込んでしまって、ややコントラストが強いけれど、何とか撮れるだろうか。



それにしても、ここは参道の苔が見事だ。






まさに緑の絨毯で、踏むのが躊躇われてしまう。
いや、けっこう踏んだけれど。









木漏れ日と苔と戯れる感じで写真を何枚も撮ってしまう。



何往復でもしたくなるが、きりが無いので先へ。



まずは境内社の稲荷神社の鳥居が目に付く。
参道も良かったが、この先も何やら心惹かれそうな気配。



本殿前も見事な苔の絨毯だった。






それなりに明るく開けた境内だし、さして湿度が高い環境でも無さそうなのに、どうしてこんなに苔生すのだろう?






苔もいいが、本殿もなかなか立派なもの。









この土塀の傷み具合も何となくいい感じ。









狛狐と稲荷神社。



社務所、ではなく舞台?
木漏れ日と苔がとても綺麗で、風化した木の色も味わい深く美しかった。



何となく勢いで、この建物の側面、木の板が剥がれて土壁が剥き出しになっているところまでパチリ。

とても心地よい時間に満足して、駐車場所へとのんびり歩き出す。


撮影日時 20130503 7時50分~8時40分
地形図
道路地図
駐車場 神社前駐車可


内尾神社

2013年05月04日 | 再訪

兵庫県丹波市氷上町三原


午前2時過ぎに出発、4時に内尾神社に着く。
訪ねるのは5年ぶり、というか、丹波市自体が久しぶりだ。
内尾神社はとても好きな場所なので、最近では珍しく、夜明け前からの撮影を試みたが満足できる一枚が撮れず。
それでも、夜明けを待っている間、鹿や梟が鳴き、明るくなってからは常に小鳥が囀っていて気持ちよかった。
神域という言葉が相応しい空間でもあり、杉の大木に囲まれて佇んでいれば、時間の経過を忘れる。
とはいえ、この朝の最低気温は3℃で、長時間に亘って居座る私は鼻水をすすりながらの撮影である。
ここは神社の向かいがゴルフ場なので、朝早くからゴルフ場整備で結構騒がしくなるのが残念。












本当はもっと暗いうちから撮っているのだけど、その幽玄な気配が全く写せなかったのでボツ。






それにまあ、時間に関わらず、この空間に湛えられた空気は揺ぎ無いものだろう。



今回は鳥居を振り返ったときの光の状態が気に入った。
鳥居から遠ざかっていく感じで何枚か。これに限らず時系列はバラバラです。


















杉が主体の杜なので、僅かな落葉樹の新緑が映える。



参道もいいけれど、この拝殿を取り巻く木々の濃密な気配も見事だ。



ここに立つと、荘重という言葉が思い浮かぶ。












襟を正す思いがする場所ではあるが、楽しさやワクワク感が勝ってあちこち動き回る。






何となく思いつきで御神籤を引いてみた。
今まで生きてきて御神籤を引いたことなんて数えるほどしかないけれど、いつも可もなく不可もなくといった感じだった。
今回は───末吉だった・・・つまらない。
まあ死を匂わせる文章が綴られた「大凶」を引いたことのある友人に比べれば、平凡な末吉でいいけれど。



本殿。






境内社。
以前に来たときに、アライグマが池に潜って金魚を捕食しているのを見たし、そのとき金魚は残り一匹だったと思うが、数か増えていた。
アライグマのほうは、どうなっただろう?


撮影日時 20130503 5時~7時過ぎ
地形図
道路地図
駐車場 あり