神社のある風景

山里の神社を中心に、歴史や建築等からの観点ではなく、風景という視点で巡ります。

三周年 3

2011年03月08日 | その他


今回が最終回。
枚数は、やっぱり増えて18枚になった。
基本的に、神社や滝の写真ばっかり撮っているので、今回の「その他」は少なくなる筈だったのだが、あっちを選べばこっちも、という感じで増えてしまった。
それに、「その他」と言っても、神社や滝・渓谷で撮った写真が殆どで、ただそれらが主役ではなかった、というだけのことである。
それでも前回、前々回に比べると、ちょっとバラエティ豊かに見える気もして、「その他」という大雑把な括りも悪くないかなと思う。

三年というのは色んな面で節目と言われることが多い。
私のこの趣味は、三年経ったからといって特に変わる様子も無いし、何か特別な節目になるわけでも無いけれど、適当でありながらも三年続けられたことは、やっぱり素直に嬉しい。

昔、漠然と教師になりたいなぁ、なんて思ったことがあったり、けっこう具体的に、小説家になりたい、と思った時期があったりした。
要は、人に影響を与えられる仕事がしたかった。
勿論そんな夢は叶っていないのだけど、この趣味は、そんな想いを少しだけ投影しているのかも知れない。
当然のことながら、このブログに人に影響を与えるような力は無いけれど、写真を見て、ほんのささやかな、小さな小さなものでもいい、感動と呼べるものが与えられたなら、或いは、神社や自然に関心を持つ、ちょっとしたきっかけになれたなら、こんなに嬉しいことは無いと思う。
この三年間に、いったいどれ程の人が見に来てくれたか判らないけれど、そんなふうに感じてくれている人がいますよう、などと、ちょっと贅沢なことを考えてたり・・・。



賀田湾
もっと鄙びた漁村とかだったら風景として良かっただろうし、この写真の風景は「被写体」としては弱いのだけど、いかにも朝という気配に満ちていて、色合いや雰囲気が気に入っている。



滝本北谷
これは大袈裟に言えば、気配、が撮れたかな、と。
風景自体は特に目に留まるものではなくて、あれを撮ろうとか、そういった対象を狙ったわけでもなく、その場に漂う空気感というか・・・。



滝本北谷
これも上と同じく滝本北谷で撮ったもの。
花付きの悪いミツバツツジだが、寧ろそれに惹かれた。
夕暮れに近い光は、ぽつぽつと咲く花によく似合った。



石部神社
朝の参拝を済ませた男性が、集落へ向かって歩いている。
神社の風景と言えなくもないが、早朝の山里が主役なので。



稲荷神社
何でこれがお気に入り? と思われそうだけど、花の写真では一番気に入っている。
フラットな光なのにメリハリがあるというか、程よく花や葉に光が当たっているのに、しっかりと影も描かれ立体感を出してくれる、という理想的な光線状態だった。



花枝神社
神社の杜に、朝の太陽の光が弾けるように注ぎ込んできた。
黄色く色づいたモミジを、もう少し活かしたかった。



上北山村
谷間を挟んで、国道の向かいにある斜面に晩秋の斜光線が当たり、葉を落とした木々の枝を、一本一本、白く浮かび上がらせた。
残っている紅葉と共演しているかのようで、とても賑やかに感じられた。



瀧本集落
何となく好きな一枚。
でも昔はこういう写真をよく撮っていた気がする。
風情、というものを捉えようとしていたのだけど、最近の写真はちょっと風情成分が足りないなぁ、という気もしてくる。



意上奴神社
これも微妙かもと思いつつ、私自身はやっぱり好きな写真。
濡れた石段と葉の艶、羊歯の繊細な造形、雨上がりの緑の匂い、とまあ、実際に現地にいたから感じるのかも知れないが、それらのものが写せた気がする・・・。



玉置神社
巨杉の立つ森の朝は、まさに神々しい風景だった。
玉置神社は撮影したい場所がたくさんあって、ここでは慌しく数枚の写真を撮ったのみ。
もっと色んな撮り方をすればよかったと、少し悔やんでいる。






琉璃渓
「滝・渓谷」に入れようか迷ったけれどこちらに。
こういう小さなものをクローズアップすると、写真の楽しさを再認識する。



日置川
日置川沿いの古い道にある素掘りのトンネル。
岩の陰影がよく出る方向から撮り、立体感と奥行きが感じられるように狙った。
何より、こういう風景そのものがワクワク出来て好きだ。



甲森谷
桂の巨木が群生する谷間。
桂という木が持つ独特の表情、そして森の豊かさを写したかった。



投石ノ滝
滝の近くにある石仏。
描かれた影や、日を浴びた緑の表情などが気に入っている。
石仏にもう少し光が当たってくれたら・・・。



江須崎海岸
初めて海をスローシャッターで撮った。
頭で描いていたようには撮れなかったけれど、岩の表情が良かったので。



江須崎海岸
これも上と同じ場所だが、道の先には神社の鳥居も見え、神社の風景でもある。
でも主役は青い空と、暖地特有の濃密な緑だ。
この写真は一般受けするのか、知人に見せると殆どの人が「いい」と言ってくれる。



琉璃渓
氷の写真をどれか一枚、と思って悩んだのだが、決めかねたので取りあえずという感じで選んだ。
「滝・渓谷」でも一枚入れておけばよかった・・・。

以上で、ちょっと無理やり感のある企画も終了です。
また暫く更新が滞りそうです・・・。


三周年 2

2011年03月01日 | その他


更新ネタが無いが故の引っ張り企画、第二弾です。
今回は「滝・渓谷」の気に入った写真を集めてみた。
前回の神社編で「枚数は12枚に統一」と書いたし、実際その12枚は選出済みだったのだが、今になってまた迷いだし、結局16枚に増えてしまった。
この調子だと、次回の「その他」編でも枚数が変わりそうな気がする・・・。



御船の滝
撮った当初は気に入った写真でもなかったのだけど、何故かだんだんと好きになった。
表情豊かで撮影の楽しい滝。



鶏鳴の滝
この滝もいろんな表情が撮れて楽しかった。
これは滝そのものよりも、落ち椿と光の当たっている岩の表情が妙に気に入ったので・・・。



部屋滝
載せるかどうかかなり迷った。
差し込んだ光は印象的だし、撮影時の感動は大きかったけれど、その結果としての写真には不満が残る。



荒滝
実際に見るまでは、全く期待していなかった滝。
紅葉、そして夕暮れ時という条件も手伝って、予想外の美しさを目にすることが出来た。
すぐ横を林道が通っており、やや荒れた雰囲気であるのが残念。



雨滝
直瀑は写真で撮るには面白味に欠けると思っているが、ここは左岸の岩の造形が特徴的なので、それを大きく取り入れて撮った。
写真的にはともかく、端正な滝姿は美しく、雰囲気も最上級だった。



片川川
谷の合流点には何故か惹かれる。
だが、それが上手く写真に納まる場所は少ない。
地味な風景かも知れないが、二本の白い帯と、落ち椿のアクセントがとても気に入っている。



植魚の滝
最も好きな場所の一つ。
安寧と高揚と畏怖が同居するような感覚を味わった。
暗がりに落ちる白い水と、その下に湛えられた青い水が神秘的だった。



古座川源流
植魚の滝のすぐ下流。
深い岩峡の出口から見る緑はことのほか鮮やかで、虚を衝かれたように見入ってしまった。



溜ノ湾殿滝
ずっと以前から見たかった憧れの滝。
水量、日当たりの加減で豪快な姿を写すことが出来た。



猿壺の滝
写真家の間では有名な優美な滝。
滝の美しさは落差とは無関係であることを教えてくれる。
撮った当初は気に入った写真だったのに、だんだんつまらなく思えてきた写真でもあり、これも掲載を迷った。






山椒谷
静かな淵と、水面に映る緑に癒される場所。






赤目渓谷
有名な四十八滝の写真は一枚も選ばず、上流部の穏やかな流れから二枚。
滝姿も充分に美しいところだけど、あまり顧みられることの無い上流部の、隠れた美しさに惹かれた。



塩津谷
滝を正面から見ると、横向きのラインを描く岩の表情が魅力的で、それを捉えた写真がお気に入りだったのに、いざ一枚を選ぼうとしたら、何故かこれが最後に残った。
羊歯も水も優しげに写ってくれたからだろうか。



和佐羅滝
滝を高速で撮るかスローで撮るかは、天気と滝のある場所の環境に左右される。
ここは中間的な条件で、もう少し速いシャッターも切れたし、もっとスローも可能だった。
悪く言えば、やや中途半端なシャッタースピードを選んだが、それが躍動感を出してくれたのでは、と思っている。