神社のある風景

山里の神社を中心に、歴史や建築等からの観点ではなく、風景という視点で巡ります。

散歩

2016年12月22日 | その他

今夏、話題になったゲームアプリのお陰で散歩によく出掛けるようになった。
散歩といっても、家の近所の場合もあれば、電車やバスで出掛ける場合もあるので、厳密に言うと散歩とは違うのかも知れないが、今まで歩くことの無かったような場所を歩いたりして楽しんでいるから、私としては散歩気分である。
深夜に歩き回ることも多くて、深夜徘徊という言葉も当て嵌まってしまいそうだ。
それはともかく、私はゲームの類は殆どやることは無かったし、流行り廃りにも関心が無い。
このゲームは、日本で配信される前に、たまたま海外で話題になっているという翻訳記事を目にして興味を持った。
そこには、アメリカやオーストラリアの人達のプレイした感想が載せられていたのだが、まさに私向きというか、外を出歩くことで成り立つ、歩けば歩くほど得るものが多い、というゲーム性に惹かれた。
日本でのゲーム配信日を待って、早速ダウンロード。
予想では、人が行かない山奥に行けば有利と思っていたのだが、実際は全く逆で、都会の方が断然有利ということに不満を持った。
不満は持ったものの、のめり込んでしまった。
どこか昆虫採集に似た楽しみがあるし、今まで見向きもしなかった場所の風景に、改めて目を向けるきっかけにもなった。
ブームは去って、プレイする人は随分と減ってしまったが、面白いことに、今でもこのゲームをプレイしている人の多くは、子供ではなく大人ということで、しかも結構な割合を中高年が占めるということだ。
このことについては私なりの考察というか持論があったりするけれど、語り出すと長くなりそうなので省くとして、あちこち出掛けては写真も撮ったりしたので載せておこうと思う。
写真は全てスマートフォンで撮ったもので、神社の写真は無いけれど、私としては、これはこれで楽しい撮影だった。



早朝、近所の公園に行くと、比較的大きな公園はどこもお年寄りがウォーキングに勤しんでいる。
餌をやる人が多いのだろうか、そういったところは野良猫も多いので、珍しく猫の写真を撮ったりした。



西宮の海辺から、芦屋、六甲山方面。



西宮の、とある住宅地。
人工的な緑、という気がしないでもないけれど、羨ましい環境だな、とも思う。



ヨットハーバー。
海とはあまり縁が無いので、こういった風景は新鮮に感じる。
この近くで同じゲームをされている70歳くらいの人に話しかけられて、一時間ほど一緒にプレイした。



大阪駅が新しくなってから、乗り換えることはあっても構内をちゃんと歩くことは無かった。



随分と綺麗に、壮大な空間になった。



それでいて、時間帯にもよるが、そんなに人のいない寛げるスペースがあるのがいい。



淀川河川敷は自宅から6kmほど。
ごくたまに気が向いて歩いて行くことがある。
私は散歩のつもりだが、友人に言わせると、あの距離を歩くのは散歩ではない、らしい。



この日は台風一過で爽やかな空が広がっていた。
ここから見る梅田方面の風景は、変わりゆく街を実感させてくれる。



ランドマーク的存在のスカイビルも、竣工から20年以上が経過した。
当時、ワクワクしながら完成を待ちわびたことが、そんなに昔のこととは信じられない思いだ。



万博記念公園にも行った。
小学校低学年のとき以来で、芝生の上でお弁当を食べたりした記憶しか無い。
頭の中にある太陽の塔は、当時の記憶なのか、以後の写真や映像で見たものか判らないほど有名なものだけど、見れば、「ああ、久しぶりだなぁ」と思わせる存在感で迎えてくれる。



公園には豊かな緑が広がって、多くの人が憩い、多くの人が私と同じゲームをプレイしていた。
こんなところまで来てゲームを、と、眉を顰める人もいるだろうが、ゲームをしつつも、その場の空気に触れ、その雰囲気を楽しんでいる人は多いようだ。
このゲームのプレイヤーが集うネットの掲示板を見ても、万博公園を気に入った人は多いようで、入園料が要るにも関わらず、再訪する人も少なくない。
私は、所々で断片的な記憶を拾うように歩き、大きく育った木々の、当時の姿を覚えていたならなぁ、なんて思いながら歩いた。



大阪都心部も歩く。
意外に思われるかも知れないが、私は都市景観も好きである。
人が多いところは苦手なので最近は撮っていなかったが、一時期、ビルの写真をよく撮っていた。



淀屋橋から見る中之島の風景も随分と変わった。
高層ビルが増えて、より美しさが増したと感じるのは私だけでは無いと思う。



夕景に心惹かれて写真を撮っている私の背後では、ビジネスマン達が忙しなく行き交う。
誰も気にも留めない風景の中で写真を撮るのは、少しばかり勇気がいるし、お上りさんのように見られそうだなぁ、なんて思ったりもする。
が、写真を見せて友人にそのことを話すと、「写真を撮っている人を見て、なるほど、改めて見ると綺麗な風景だなぁ、と思ったりするんじゃないですか」と言う。
そんな風に、見過ごしていた風景に気付いてもらえたらいいのだけれど。



大阪城公園にも行った。
手前のレンガ造りの建物は、大阪砲兵工廠。



大阪城公園を訪れるのは、高校一年のとき以来。
当時に比べると外国人観光客が多い。
横道に逸れると人は少なくなって、意外と静かな秋を味わえる。



自然風景の描写はスマホは苦手なようで、色合いも明暗も気に入らないが、辛うじて秋の風景を残していた。



公園の樹林越しにOBPのクリスタルタワーを見ると、四角い青空がそこにあるかのように見えた。



城の石垣の上からクリスタルタワーを見る。



大阪ビジネスパーク全景。



私が都市景観を好きになったのは、高校一年のときに大阪城公園を訪れて、このOBPを見たのが始まりだ。
京都で生まれ育った私にとって、高層建築といえば京都タワーくらいしか無かった。
タワーは棒のようなものであるのに対し、ビルの存在感には圧倒された。
以後、壮大な阪急梅田駅や、数々の高層ビルに魅せられていった。
全面ガラス張りのビルは珍しくないが、OBPのクリスタルタワーほど青空の美しさを映し出すビルを他に見たことは無い。



藤田邸跡公園からOBP。



このゲームに於ける聖地として有名な天保山には何度も訪れた。
これは人の少ない時間帯に撮ったもので、階段下に女性が一人立っていて絵になるな、と思って撮ったものだが、この女性もゲームに興じているだけだったりする。
最近は寒さのせいか、ユーザーが減ったからか、混み合うほどのことは無いけれど、人が多いときには数百人がひしめき合っていた。
西宮でご一緒した方を天保山でお見かけしたので声をかけ、また一時間ほど一緒にプレイしたこともあった。
多くのゲームは、飽きてしまうと何も残らないというか、時間を無駄にしてしまったような気がしてしまうのだが、このゲームは実際に行動してあちこち訪れたりするし、こんな風に出会いもあったりするから、それらの体験が何かしらの形として残るのがいい。



天保山から少し移動すると海遊館があって、その辺りの海辺からは綺麗な夕日が見られることが多い。



シルエットになっている人は、全てゲームプレイヤーだったりする。












でも、私と同じように夕日に魅せられて、ゲームをやめて写真を撮る人も多かった。



天保山の観覧車と巨大な客船。
写真では判りにくいが、まるで海にビルが浮かんでいるのかと思えるほど大きな船だった。



天保山公園横の小道とカーブミラー。
上に見えるのは斜張橋の天保山大橋で、対岸に見えるビルはUSJのホテル群。



12月に入る頃になると、クリスマスに向けて海遊館周辺はイルミネーションに彩られる。



カップルも多くなって肩身の狭い思いをするところだが、私と同じく孤独のゲームプレイヤーも多いので心強い。








自然が描く風景の美しさにはとても敵わないけれど、超高層ビルを見たり、こういった装飾を見たりすると、人間も頑張ってるなぁ、なんて思ったりもする。

このゲームのプレイヤーのマナーの悪さや、ゲームをしながら車の運転をして起きた事故などが報道されたりするけれど、数百人がいる天保山公園を何度も訪れて、歩きタバコをしている人は皆無だったし、ポイ捨てする人は二、三人見かけた程度。
迷惑駐車は確かに多いし、レアなポケモンが出ると無理な道路の横断をする人も少なくないが、ボランティアでゴミ拾いしている人もいたし、殆どの人はマナーを守る素敵な人達だった。
多くの人がひしめき合っているのに、いざこざや揉め事も見たことは無い。
孤独にプレイしている人が多いけれど、何となく連帯感というか、共有している感覚があって、ずっとこんな感じが続いていけばなぁ、なんて思っている。

とまあ、こんな感じであちこち歩き回ってはいるのだが、せめて紅葉の写真くらいは、神社や山に撮りに行けばよかったかなぁ、と少し後悔。
何より、神社ブログなのに今年最後の記事がこんな内容で申し訳なく思ったりしますが、これはこれで楽しんでいただければ…。

この一年、殆ど更新してませんが、見てくださった方々に感謝です。
冬はもともと撮影に行くことは少ないので、次の更新もだいぶ先になりそうですが、どうか良いお年を。