神社のある風景

山里の神社を中心に、歴史や建築等からの観点ではなく、風景という視点で巡ります。

八柱神社

2016年02月29日 | 再訪

兵庫県篠山市初田


車に乗っていた頃は、月に一度は篠山に行っていた。
星を見るためであったり、神社を訪れるためであったり、無目的なドライブであったりと、とにかく馴染み深い場所であった。
ここ暫く疎遠になっていたので、久しぶりに篠山を訪ねてみようと思う。

電車で篠山に行くのは初めてのことで、何かと勝手が違う。
駅の跨線橋の階段が、下車客で一杯になるなんて想像もしてなかったし、駅前の風景も慣れ親しんだものとは違って、どこか知らない場所へ来たかのようだ。

気温はマイナス3度ほど。
寒いというより冷たいという感じで、田畑には霜が降りて薄っすらと白くなっている。
田松川という用水路のような川に沿って歩くが、最初は進行方向とは逆向きに流れていたのに、水門のあるところから先は、進行方向に向かって流れるヘンな川だ。
水門までは加古川水系、水門からは武庫川水系になっている。 
分水嶺という言葉があるように、通常は山が水系を隔てるものだが、こういう絶妙な地形の兼ね合いで分水された場合、谷中分水界と言うらしい。
河川争奪など、地形図を見ていると数百年、数千年後には、この流れはこっちの谷に奪われているだろうな、と想像出来るところもあったりして楽しいが、ここは人為的に運河が開削された結果によるもののようだ。

これから向かう初田の八柱神社は、過去に何度か訪れたことがあって、とても好きな神社の一つである。
雪景色が似合いそうに思ったので、本当は雪の積もった時に来たかったのだが、残念ながらそう都合よくはいかなかった。 

やがて、知らない場所が見知った風景になる。
初田の集落に入って、民家が途切れるところから林道に入る。
林道が左にカーブするところで神社への参道が岐れる。



ああ、と心の中で声が漏れるほど、この風景は懐かしく、何度見てもいいなぁと思える風景だ。



真っ直ぐに伸びた左の杉と右の竹。
朱の鳥居と石の鳥居。
その向こうに屹立する巨杉。



厚着をしてきたので寒くは無いが、手袋をしていないので手が悴む。
痛みを覚えつつも、暫しそれを忘れたりもする。



車で訪れている時には意識していなかったが、ここは篠山口駅から2キロ弱だ。
もっと辺鄙なところという印象を持っていたけれど、意外と身近なところに素敵な自然がある。
電車であちこち訪ねるようになってから、新たな発見が色々あって楽しい。



ここに来ると、いつも森厳という言葉が頭に浮かぶ。



とはいえ、そういった厳かな気配が写せなくて、いつも落胆するのだけれど。



石の鳥居と木の鳥居、その先に続く石段と、奥に見える本殿。



参道には杉の枯葉がたくさん落ちていて、やや雑然としているけれど、やっぱり森厳とした空気は変わりないように思う。
手入れされているとかいないとか、そんなことを抜きにして神域なのだと感じる。



本殿に近づくと、ちょっと失礼な言い方かも知れないが、旧知と再会するかのような高揚感を覚える。



本殿背後の杉林には、朝の光が射し込んでいる。






狛犬さんもお久しぶり。



本殿左手から。



右手から。



前回の再訪記事で、地元のおばさんが「存亡の危機ですわ」と神社の維持の大変さをおっしゃっていたことを書いたが、部分的に修繕はされているようだ。
余所者の無責任な言葉かも知れないが、どうかこの環境を残していただきたいと思う。



境内社。



境内社と杉林。



垣の外に出て、横から本殿を見る。



直線の杉と、曲線の屋根に見入ってしまう。

過去に二回掲載しているし似たような構図も多いかも知れないが、今までと少しは違う雰囲気が出せた…ような…気がする。


撮影日時 160226 8時半~9時10分
地図 


八周年

2016年02月05日 | その他

初めてこのブログに記事を書いたのは、2008年の2月4日のことです。
つまり、この2月で、ブログ開設から八年が経過したことになります。
私個人としては、「おお、八年も続いたのか、スゴイ」などと思ってみたりもするのですが、まあ何だかんだと随分とサボったりしてますし、実際のところ、全然スゴイ訳じゃないので、こういった「八周年記念」みたいな記事を書くのもどうかと思いつつ、最近はどこにも出掛けていないので…。

過去に、気に入った写真を大きめのサイズにして掲載する記事を何度か書きましたが、「三周年」の記事以降、全くやっていません。
多分、節目となったのは2012年の秋に、それまでPCに保存していた画像を全て失ってしまったことで、それ以後、気に入った写真が撮れることがガクンと減ってしまいました。
写真を撮る楽しさは変わらないものの、気合というか、のめり込み具合が違ってしまった感じです。
地形や天気を読んで、最もいいと思える時間帯に行き、時には何時間も粘る、ということは殆どしなくなりました。 
一日に10社以上も周ったり、ということも無くなりました。
今は割と気儘に、割と妥協しつつ、という感じで、別に悪いことばかりでも無いのですが、確率的には気に入った写真は撮れにくいといった状況になっています。
とはいえ、その時から三年以上も経過しましたから、それなりに気に入った写真も溜まってきましたので、この八周年の機会に、久しぶりに大きめ画像を載せてみようと思い立ちました。
ただ、最近はスマホなど、小さな画面で見られている方も多いようで、そういった場合は普段と同じになってしまいます。
もし可能ならば、大きな画面で見てもらえれば。

この八年、随分と沢山の方からコメントを頂きました。
それはブログをやっていく上で一番の喜びであり、もしかしたら撮ってきた写真よりも意味のあるものかも知れません。
かつてコメントを下さった方、お元気でしょうか?
そして、ずっとお付き合い下さっている方、これからもよろしくお願いします。
また、コメントのやり取りは無くとも、見て下さっている方へも感謝です。
気が向けば、何かコメント下さればと思います。

この記事に載せる画像を選んでいると、もっといい写真が撮りたい、もっといい風景に出逢いたい、という思いを強くしました。
次にこういった企画をするとすれば、恐らくは十周年ということになると思いますが、その時にはもっといい写真を掲載出来るようにしたいものです。
これからもきっと、サボり勝ちでマイペースなブログになると思いますが、地道に撮り続けようと思っていますので、ちょくちょく見に来て頂ければ嬉しいです。



































































































































































































































 












以上、この三年間で気に入った画像でした。
何の説明も解説もしませんでしたし、中には暗い中、高感度で撮ってノイズが目立つものもあって見苦しいかも知れませんが、気に入って頂ける画像があれば幸です。
残念なのは、「三周年」の記事で大きい画像を載せてからPCのデータ消失までの間に、結構お気に入りの画像があったことです。
特に海の写真が一枚も無いのは寂しい感じがします。
まあ悔やんでも仕方ないので、これからの写真を頑張ろうと思います。