たむたむの独り言

写真を中心にした情報です。

未明の東ゴビ砂漠

2010-07-10 12:08:28 | Weblog
2010年7月1日(木)【1】、現地案内人からモンゴルの草原の星空を見に行かないかと誘われ、午前3時に行きたい人はロビーに集合することになった。夜中の2時半に起床し、身支度をしてカメラを持ってロビーに行く。欠席者は2名だけで、通訳を含めて5名が参加した。
 しかし、残念ながら今日は月が明るすぎて満天の星空という訳には行かなかった。それでも、何もない暗闇の中での大草原の夜空は、まるで自分が宇宙空間にいるような圧倒的な空の広さに包まれる感じがした。帰りには車のヘッドライトに驚いて草原を飛び跳ねるノウサギの姿も見ることができた。ホテルに戻った頃には東の空が明るくなってきたので、そのままホテルの階段の踊り場から夜明けの空を撮ることにした。

〈大草原の夜明け前、地平線の東の空が少し明るくなってきた。その上に星(明けの明星?)が一つ輝いている。〉

〈ヘッドライトに集まる虫を必死に探すスタッフ〉

〈ホテルに戻って日の出を待つ。結局この夜は2時間ほど眠っただけだった。〉
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砂漠の蜃気楼

2010-07-10 07:03:39 | Weblog
2010年6月30日(水)、昨日の雨で空気中のチリやほこりが浄化されたらしく、今日はモンゴリアンブルーの空が特に青く、遠くまで見通しがきく。午前中はサインシャンド中心部から45㎞北東にある地下水が自噴しているという現場に案内してもらった。
しばらく走ると車窓はやがて一本の線のみとなる。360度どこを見ても地平線までほとんど景色は変わらない。強い光にゲルがところどころに白く光って見える程度である。しかし、地表の植生は同じではなく、昨日と同様場所によって異なってるのがわかる。土壌PHの違いか地下水の高さによるものではないかと思われる。
 現場に到着すると、そこには白いパイプから勢いよく水が噴出している。汲み上げるポンプも見あたらない。やはり自噴しているのである。昔旧ソ連軍が駐留していたときにボーリング調査をしていて水が噴き出し、その後も20年以上自噴し続けているという。しかし最初に不思議に思ったのは、この水場を中心にして半径100mほどが全く草も生えていない裸地になっている。普通なら水辺はオアシスとなって草木が繁茂してもいいはずである。水に毒性の成分が含まれているわけでもない。牛たちが水を飲みに来ている。原因はこの放牧の家畜たちであった。この付近の遊牧民は家畜に水を飲ませるために毎日あちこちから何十頭、何百頭の牛や羊を連れて集まってくる。その家畜たちが踏み荒らすため、水場周辺には草木はなくなってしまうという訳だ。
 この水は止まることなく自噴し続けているため、川の流れのような水面が広がっている。その水は土壌浸透や蒸発によって途中で消失しているはずである。しかし不思議なことに、はるか遠くに広大な湖が見える。パイプから自噴する程度の水で、そんな広大な湖ができるわけがない。案内してくれた市議会議長のガンバータラさんは、「あれは蜃気楼ですよ。」という。確かに砂漠の真ん中で水気のない場所で見れば蜃気楼だと納得できたかも知れない。しかし、手前に実在する水面があり、その奥に広がって見える湖の水面は、見え方が全く同じである。あれが虚像だとは信じられない。何も知らなければ、きっとそこに水があると思ってしまうだろう。
 我々が水場にいた少しの間にも、家畜たちが次々と水をのみにやってくる。遠くに上がっていた砂煙がだんだん近づいてくると、それは水を飲みにやってくる羊の群れだった。
 お昼にサインシャンドに戻って、ざっと現地調査を終えた段階で、一昨日と同じメンバーで再度意見交換を行った。そのとき私の雨男の話になり、市長から、よくぞ雨を降らせてくれたと感謝された。 今回の調査では、思ったより生育している植物が多く、土壌条件もそれほど悪くはないため、水のコントロールさえできれば樹木の生育は十分可能と考えられることを報告。草本類も花のきれいな種類を中心に、グランドカバーとして利用できるものもいくつかありそうだった。また、トンボやチョウが飛んでいるのも確認でき、昨年の秋来たときよりも砂漠の生命感を感じた。

〈水場に集まる放牧の牛たち〉

〈手前の水面が実物で、その奥の水面は蜃気楼!〉

〈水を飲ませるために遊牧民が羊を連れて水場にやってくる。〉

〈帰りに土壌の表面が塩の結晶で白くなっている場所で土壌のPHを測定、10.2を示した。〉

〈家畜の糞から出ているキノコを発見!食べる勇気のあるやつはさすがにいなかった。〉

〈モンゴリアンブル-の青空は高くて広い。〉
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東ゴビ砂漠に雨を降らす!

2010-07-09 10:49:23 | Weblog
2010年6月29日(火)、午前中にサインシャンドから40㎞弱離れた砂漠の中にある地球エネルギーセンター、ハマリーンヒッド(ハマリーン寺院)に市議会議長のガンバータラさんから案内してもらう。途中の砂漠は、今年は雨がいつもより多かったこともあってか、サバンナのように草や灌木が結構生えているところが多い。この広大で同じように見える砂漠だが、よく見ると植生は微妙に変化し、構成種は明らかに場所によって異なっている。行きにおおよその状況を把握しておいて、帰りにその植生が変化する場所で何度か車を止めてもらい、植生や土壌の調査を行う。結構昆虫や鳥もいて、それなりの砂漠の生態系ができている。
昨年ウランバートル行きの欠航で予定が狂って行けなかったハマリーンヒッドは世界的なエネルギースポットとして観光地にもなっているが、我々はそこに行ってどうしても確認したいことがあった。それは、180年ほど前に修行に来た日本の僧侶が植えたと伝えられている桜が今でもそこにあるというのだ。常識では砂漠の中で桜が育つとは考えられない。育っているなら、その理由を知りたかったのである。
ハマリーンヒッドに近づくにつれ空が暗くなり雨がポツポツ降ってきた。ガイドさんたちからは日本から雨をもってきてくれたと感謝される。実は私はこの雨を予期して砂漠に来るのに何と傘を持ってきたのである。つまり徹底的な雨男である私は、中国でもぜひ今度は干害の時に来て下さいと言われるほど、普段は雨が降らない場所へ行っても雨が降るからだ。今回はほとんどジョークのつもりで持ってきた傘だが、ウソみたいにほんとうに砂漠に雨が降ったのである。
現地では案内人がついて、言われのある場所の説明を長々としてくれる。ここには2人の案内人がいて、1人は年輩で僧侶の格好をしているが、我々についてくれた案内人はGパンにサングラス、腕に入れ墨を入れたマッチョな若いお兄さんである。雨が降って涼しかったから良かったが、天気が良くて暑いときにはとても耐えられない長い説明である。通訳がまじめに訳せば倍の時間がかかるので、心得ていてほとんどカットして手短に通訳してくれる。
やっと最後に、我々の行きたかった桜が植わっていると言われる岩山に案内された。
 結論は最初に明らかになった。マッチョなお兄さんが、「これが日本人の僧侶が百何十年前に植えた桜です。」と説明した木は全く桜とは別種の植物であった。灌木性のバラ科の植物ではないかと思われたが、桜でないことは確かであった。
 そこでマッチョなお兄さんに間違いを指摘しても仕方がないので黙って聞いていた。いずれにしても、もう少し事実関係を調べてみる必要がある。しかし、私的にはやはり「桜は無かった」という事実のほうが納得できた。

〈砂漠の中の火山の噴火後に広がる地球エネルギーセンターの中心地ハムリーンヒッド〉

〈女性に御利益があるという「おっぱい岩」。雨のため傘を差すガイドさん」。〉

〈この火山岩の割れ目に生育する灌木を「昔、日本人が植えた桜」と言って説明される。〉

〈帰り道、放牧のラクダがのんびり草を食べているのに出会う。〉

〈何カ所かで植生と土壌の調査を行う。アザミに似た花が咲いている。〉
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気温は40度近く、湿度は10%台、まるで乾燥機の中

2010-07-08 17:51:08 | Weblog
2010年6月28日(月)、午前9時から県庁舎の会議室で県環境観光部長、サインシャンド市長、市議会議長らと今後の計画の打ち合わせを行う。この市議会議長のガンバータラさんが10年間サインシャンドで苗木の育成の研究をしてきた人で、知事とも親しく今回のキーパーソンである。
 会議には地元のTV局が取材に来ており、会議終了後に今回のプロジェクトの目的等についてのインタビューを受ける。このところ東ゴビでも100年に一度の猛暑が続いているらしく、寒気がするくらい暑い。ペットボトルの水が風呂のお湯より熱くなる。
 午後から街中にある公園や道路の緑地、国が進めているグリーンベルト計画の現場などを見て回る。夜は9時半まで明るいため、8時半まで酷暑の中での仕事となった。昨夜に続いてマトン臭のするデカイビーフステーキを食べさせられ、年齢もあるだろうが我々草食人種と彼ら肉食人種との違いを痛感。疲れ果ててホテルに戻るが、部屋は西日にさらされ、ベットはヒーターが入っているように熱い。昼間の気温は40℃近く、湿度は12~18%のため水を飲み続けていないとひからびてしまう。炎天下ではまるで、乾燥機の中でドライヤーをかけられているような感じであった。ホテルの水は出たりでなかったりで心もとない。水が出る間に急いで洗濯をする。しかし、白いシャツが黄色っぽくなって却って汚れた感じになってしまった。

〈市長以外は昨年のメンバーと同じで、会議はスムーズに進んだ。〉

〈さすがゴビ砂漠、恐竜のモニュメントが造られている。この県庁舎前の中央公園はポンプアップしている地下水が豊富なので、大噴水もあるし樹木も思ったより多い。〉

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今年は鉄道でサインシャンドへ向かう

2010-07-07 14:25:54 | Weblog
2010年6月27日(日)昨夜21:40にウランバートルのチンギス・ハーン国際空港に到着。最初は暖房が入っているとばかり思っていたが外に出ても温度は変わらない。何と夜10時過ぎても暑いのだ!
 迎えに来てくれた現地案内人と通訳の話では、今の季節にしては百数十年ぶりの猛暑が続いているという。前回は9月としては数十年ぶりの寒波で吹雪だった。今の季節は昼間は結構暑くなるが夜は寒いと聞いていたので、夏ものと冬物を用意してきたがとんでもない。これではソウルよりも暑いではないか!
 今日は朝一で東ゴビ・ドルノゴビ県のガンホヤック知事と会う予定だった。ところが先方の予定が急に1日早まり、昨日シンガポールに出発してしまったため今朝の会談は中止となった。そのため当初の予定通り9:30発サインシャンド行きの列車に間に合うことになった。昨年の9月にはランドクルーザーでパリ・ダカレースのように猛スピードで6時間で走破した460㎞の草原と砂漠を、今度は10時間半かけてのんびり走る鉄道の旅となった。   ウランバートルを出発してからしばらくは山腹には森林がある山や、起伏のある草原が続くが中間地点を過ぎるとほとんど平坦で単調な砂漠となる。お昼になると何と幕の内弁当が配られた。現地の旅行社がウランバートルの日本料理店に特別作らせたモノらしい。味は外国の日本料理店にしてはまともな日本食であった。車窓にモンゴルの草原を眺めながら、幕の内弁当を食べるという初めての経験をした。

〈車掌さんは全部女性、それも例外なくこういう太めの体型だった。〉

〈ウランバートルを出てしばらくは草原や一部に森林も分布する。〉
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再び清渓川(チョンゲチョン)

2010-07-06 07:30:22 | Weblog
2010年6月26日(土)、新潟空港発9:30のソウル行きはほぼ満席であった。9日間の東ゴビ砂漠の緑化技術協力に4名で出発。ソウル仁川空港でモンゴル・ウランバートル行きに乗り継ぎ、明日東ゴビのサインシャンドに向かう。トランジットの時間が7時間もあるため、昨年同様シャトルバスでソウル市内に時間つぶしに出かけた。今回は2人に新しくメンバーに加わってもらった。そのうちの一人Kさんは造園デザインの専門なので是非行ってみたいということで再び清渓川(チョンゲチョン)を訪れた。高速道路を壊してソウル中心部に水辺空間を復活・創造した先進事例である。今日は結構蒸し暑かったので、子どもたちが川に入って遊んでいる。多分これからの季節は橋の下の日陰が涼しくて居心地が良さそうである。

〈ソウルの中心市街地に復元された水辺空間清渓川(チョンゲチョン)、最近はポンプの電気料が莫大で困っているとか。)

〈子どもたちは川の中に入って遊んでいる。魚もたくさん泳いでいた。)

〈途中に側面から流入する滝が作られている。〉
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