2009年9月20日(日)[2]、夕方、仁川のホテルに航空会社のバスが迎えにきた。空港に向かうバスの中で前の席に座った人たちの会話が耳に入ってきた。どうやら早稲田大学の探検部OB会のメンバーのようだ。その一人が「1967年10月8日」という本を書いたという話が聞こえてきた。その本は〈チェ・ゲバラ死の残照〉という副題がついており、ゲバラがボリビアで殺された時から後のことが丹念な取材によって書かれたノンフィクションである。
革命家ゲバラは唯一私の尊敬できる人物と言っていい。ゲバラに関する本は何冊も買って今でも時々読み返している。その中の1冊が「1967年10月18日」である。つまりゲバラが殺された日である。
空港の出発ロビーで、「失礼ですが…」と言ってその人に話しかけてみた。本は読んでいたものの著者については全く覚えていなかった。その人は恵谷 治(えや おさむ)という戦場ジャーナリスト、写真家、探検家であった。しばらくゲバラの生きざまについての話で盛り上がった。彼らは探検部のOB会でモンゴルの山に登りに行くところで、彼がリーダーのようだった。
ウランバートル行きが欠航したおかげで思わぬ人に出会うことができた。何が起こるかわからないのが旅で、非日常性を実感できる醍醐味もここにある。
さて明日から一体どうなるのだろうか?1日の遅れは何とかするとの連絡は入ったが、向こうの予定がどう変更になったのか全くわからない。まさに期待と不安が入り混じったモンゴルへの出発である。
〈2000年5月に毎日新聞社から発行された1967年10月8日〉
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