ヨシの生い茂る沼に、V字型のトイが高台から何段かに連なって、多数設置されて沼に水を落としている。デザインとしては面白いかも知れないが、今いち必然性に欠ける気がする。直線的なV字型のトイの組み合わせも象設計集団にしては珍しい気がした。
2008年5月17日(1)、山中温泉を流れる大聖寺川に、草月流三代目家元勅使河原宏がデザインした「あやとり橋」がある。両岸が両手となって、綾取りをしている状況をデザインしているという。構造計算をすると、このような太い鉄骨構造になってしまうのであろうが、恐らく勅使河原宏はもっと細いデザインを考えていたのではないだろうか?空中でS字を描くことにこだわればこうなってしまうが、直線であれば吊り橋と同じで、綾取りの糸のイメージに仕上げることは容易だったはずである。どうやら草月流的なモニュメントとしては単なる綾取りでなく、環境芸術としてのモニュメントを意識しすぎた結果のような気がする。ここまで自己主張する必要はなかったと思うのだが…。
芸術家のデザインであっても、公共建造物の安全性確保のために定められた設計基準を遵守するとこうなる、という事例を見せられたような気もしないではない。
2008年5月16日(2)、加賀百万石の伝統文化を生かした老舗の銘菓処が一同に会した「御菓子城加賀藩」のなかに、加賀藩の伝統工芸である九谷焼、輪島塗、山中塗、加賀友禅、金箔などを人間国宝が作った工芸作品を展示した「日本一の人間国宝王国・石川」と、5000種10万点が展示されている「折紙博物館」がある。
写真は折紙博物館の展示作品の恐竜であるが、どう見ても1枚の紙から折られているとは考えられない。これを考えた人はとても人間業とは思えない。これもまさに人間国宝級である。恐竜の骨格標本の折紙もあり、「たかが折紙、されど折紙」である。
2008年5月16日(1)、今日は日本技術士会北陸支部総会が山中温泉で開催された。新潟県からの参加者は大型のバスに15名が乗車して新潟市を出発、金沢駅で富山、石川、福井の各県からの参加者17名と合流、途中ボトリングや製函・包装・洗浄などの自動システムの製造メーカーを視察後、石川県小松市にある日本自動車博物館に立ち寄った。
いわゆるクラシックカーといわれる初期から戦後の高度成長のころまでの自動車が約500台展示されている。クラシックカーに興味のある人はたまらないのかもしれない。しかし、車にあまり興味のない人間にとっては、所狭しと車が並べてある様は、単なる中古車センターと変わらない。
ただ、一部に昔の雰囲気のある背景とともに展示してあるコーナーはなかなか良かった。単に車を並べるだけでなく、車の数は少なくてもその時代背景とともに展示がしてあればもっと多くの人の興味をひくのではないだろうか?