平尾台自然の郷野草勉強会

平尾台の自然と野草を見守り観察し
記録するボランティアのグループ。

天のめぐみに支えられ

2013-07-26 | 野草の観察

連日の猛暑の中調査は大丈夫だろうか?
万が一を期して下見で広谷の調査は済ませておきました等々と心配していましたが
地面を叩くような通り雨30分、傘を持参しての調査でしたが、救われました。
涼しさの中、全員で意気揚々と湿地へ






今までは
ベニバナセンブリと思っていました。



ハナハマセンブリ 「リンドウ科シマセンブリ属の一年生」帰化植物
学名 (Centaurium tenuiflorum) 




ベニバナセンブリとハマハナセンブリは良く間違われやすい
例えば、日本の帰化植物 平凡社 初版第1刷 のベニバナセンブリの写真は
明らかにハナハマセンブリの写真です。
日本帰化植物写真図鑑 全国農村教育協会第1刷 の
ベニバナセンブリの写真もハナハマセンブリの写真です。
こちらは、ハナハマセンブリの間違いであることに気づいて、正誤表が配布され、
解説文もハナハマセンブリに書き換えられています。

知るほどに楽しい植物観察図鑑を出版されている本田郁夫さんのページに
この様な記事がありましたので訂正しておきます。



  
ネジバナ    ヤブラン

ネジバナ(捩花)ラン科ネジバナ属の小型の多年草。
学名:Spiranthes sinensis var. amoena)別名がモジズリ(綟摺)
日蔭ではまだ咲いていました。


ヤブラン(藪蘭)
学名:Liriope muscari)は、スズラン亜科ヤブラン属に属する多年草。
別名リリオペ、サマームスカリ。東アジアに分布する。
「用薬須知(ようやくすうち・1726)松岡玄達」には、「大葉のもの其根最も肥えて
味甘し、ヤブランと呼ぶ。小葉のもの蛇の鬚(じゃのひげ)と名づく。
根また細小、功用相同じ」という記述があるように薬用として用いられる。


悪い茄子の悪いお話



ワルナスビ(悪茄子)
学名:Solanum carolinense)はナス科の多年草。
アメリカ合衆国南東部(カロライナ周辺)の原産。
明治39年に千葉県成田市の御料牧場で牧野富太郎により発見及び命名され、
日本も含め世界的に帰化している外来種である。
全草がソラニンを含み有毒であるため、家畜が食べると場合によっては中毒死すること
がある。英語でも"Apple of Sodom"(ソドムのリンゴ)、
"Devil's tomato" (悪魔のトマト)などという悪名でも呼ばれている。

悪魔のTomatoとは大変な猛毒を持つようです
花は可愛いですね。


勉強会での観察で沢山繁茂しているこの花に出会いました。




ハグロソウ(葉黒草)キツネノゴマ科多年草
和名は葉が暗緑色であることによると思われる。
学名【Peristrophe japonica (Thunb.) Bremek. var.subrotunda (Matsuda) Murata et Terao】
苞は卵形で長さ1~2.5cm,幅0.5~1.2cm,縁に短毛がある。花冠は2唇形で紅紫色。
おしべは2本,葯は2室で各室は線形で上下に1列に並ぶ。  
苞は卵形で長さ1~2.5cm,幅0.5~1.2cm,縁に短毛がある。


足元をせわしげに飛ぶ、蝶の 正体は

  
ジャノメチョウ     ヒメウラナミジャノメ

季節により飛ぶ蝶の姿に季節の移り変わりを感じます。


撮影:森





シオデ雄花(牛尾菜)サルトリイバラ科シオデ属
学名 Smilax riparia
雌雄異株。雄花の花被片は長さ4~5mmの披針形。葯は線形で鉤形に曲がる。


   

オニドコロ      ゴマノハグサ

オニドコロ雄花「ヤマノイモ科ヤマノイモ属」
学名:Dioscorea tokoro
雌雄異株。雄花序は葉腋から直立し、淡緑色の6花披片の花を多数平開する。
雄花には6個の雄しべがある。


ゴマノハグサ(胡麻の葉草)ゴマノハグサ科ゴマノハグサ属
学名(属名+種小名)Scrophularia buergeriana
属名のScrophulariaはラテン語のscrofula(るいれき)からで
紡錘状に肥大した根に由来するとも、この仲 間の1種が薬として用いられたからともいう。
種小名のbuergerianaは日本植物の採集家ドイツ人ブリュゲルに因むという。
日本には5種しか野生せず、属も 種のゴマノハグサも存在感が薄い。
ネットでゴマノハグサを検索するとゴマノハグサ科ばかりが表示されるし、
山渓ハンディ 図鑑「野に咲く花」にも記載が無い希少種だが、
れっきとした環境省レッドリストの絶滅危惧Ⅱ類(VU)。


撮影:吉松







コオニユリ(小鬼百合)ユリ科ユリ属
学名は、Lilium leichtlinii f. pseudotigrinum
野焼きで延焼した湿地の彼方此方で今までにない沢山の開花が見られます。
野焼きをしないと湿地も無くなるのではと、早めの対処を望みます。


  

タチオランダゲンゲ(立和蘭蓮華)?
ムラサキツメクサによく似た感じで、花のすぐ下に葉がないのがこの花
学名:Trifolium hybridum)は、マメ科シャジクソウ属の多年草。

見慣れないシロツメクサがあると言うので調べてみました。
オランダゲンゲに次いでタチオランダゲンゲではと
思いますが実物を見てないので何とも憶測の世界です。




キキョウ(桔梗)キキョウ科の多年性
学名:Platycodon grandiflorus
万葉集のなかで秋の七草と歌われている「朝貌の花」は本種であると言われている。
絶滅危惧種である本種が沢山咲く台上はまさに天上の花園

時々この様な変形だと思うのですが、咲いていました。


撮影:釘宮



弟まで殺して秘密を守ったと言われる。



オトギリソウ 「弟切草」 オトギリソウ科オトギリソウ属 の多年生植物。
学名:Hypericum erectum)
平安時代の伝説によるものである。この不吉な伝説のため、付けられた花言葉も
「怨み」「秘密」と縁起が悪い。
基本的には薬草であり、タカノキズグスリ(鷹の傷薬)、チドメグサ(血止め草)
などの悪いイメージのない異名も持つ事でも知ってほしいものです。


   
   メハジキ  普通のキキョウ    ホウライカズラ 

メハジキ(目弾き) シソ科:メハジキ属
学名:Leonurus sibiricus
生薬の益母草(やくもそう)といいます。

ホウライカズラ(蓬莱葛)マチン科
学名:Gardneria nutans Sieb. et Zucc.
マチンの学名には[Strychnos]がついているし、英名も「ストリキニーネの木」というそうだ。
蓬莱は中国の伝説にある不老不死の蓬莱山の蓬莱のことで、
(普通に見られない珍しい植物なので、しゃれてつけたのだろう)と
牧野図鑑では書かれている。


珍しい蜂に出会いました。




ルリモンハナバチ


撮影:松嶋






カワラナデシコ(河原撫子)ナデシコ科ナデシコ属の多年草
学名:Dianthus superbus L. var. longicalycinus (Maxim.) F.N.Williams)
昔は、草原や山地、河原等の環境は人の手により草刈や枝打ち等され、
里山的な利用が行われてきた。日当たりの良い開けた環境が継続してきたという背景がある。
「人為的なかく乱」が行われなくなると、カワラナデシコに代表される人間と密接な関係
のある普通種が、その自生地や個体数を減少させてしまう結果になる
平尾台でも今回の類焼が無ければ現象の一歩を辿りつつある花です。


    
センニンソウ    ヨロイグサ         クルマバナ

センニンソウ(仙人草)キンポウゲ科センニンソウ属の多年草。
学名 Clematis terniflora)
茎の先端付近の葉腋から三出状の散房花序を出し、多数の白い花をつける。
4枚の花弁に見えるのは萼片で、本当の花弁はない。
果実には白い毛があり、これを仙人のヒゲに見立てたことからこの名が付いた。
有毒なので、注意を要します。


ヨロイグサ「セリ科シシウド属の多年草ヨロイグサ」
学名: (Angelica dahurica)漢方薬 ビャクシ(白芷)
血管拡張と消炎の作用から、肌を潤しむくみを取るとして、
古来中国の宮廷の女性達により美容用とされていたそうです。
シシウドに変わり沢山のヨロイグサが繁殖して来ましたが、
見た目は殆ど変りなく気付かない方が多い様です。


クルマバナ(車花)シソ科トウバナ属
学名:Clinopodium chinense subsp. grandiflorum var. urticifolium
 名は、花が輪生することによるものです。






アリノトウグサ(蟻塔草)「アリノトウグサ科アリノトウグサ属の植物。」
学名: Haloragis micrantha R.Br
円錐花序を頂生し,多数の小さく,帯紫褐色の赤い両性花を各分枝に穂状につける。
花は4枚の萼片と花弁を有し,萼片は開花後も宿存する。花弁と雄しべが落ちたあと、
紅色で羽毛状の雌しべの柱頭が伸びてくる。 めしべの柱頭は4裂し,淡紅色の毛を密生する。
知らず知らずに踏んでしまう花に
小さな小さな花物語に触れると野草観察をしてる喜びを
感じる一瞬です。胸がドキドキしますね。

撮影:桃坂




各地に異常気象がもたらしている風雨災害
熱中症、まだ暑さは続きます
充分、お気を付けてお過ごしください。

次回8月第2水曜日はお盆休みです。

8月23日(金曜日)にまたお会いしましょう。




コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

梅雨明けとは言うものの台上で外気温32℃暑ーい観察会。

2013-07-10 | 野草の観察

この高温多湿は異常に思える
どうしょう何処へ行けば良いと悩みながら到着
ドリーネへ・湿原・千仏の何処にしょうと相談すると空かさずドリーネ
みなさん暑さもなんのそのルンルンで出発です。




集中豪雨に見舞われ花の様子はとしんぱいしていましたが
下見では数か所のドリーネを巡り一カ所で
一輪のみ開花が見られました。



ギンバンソウ(銀梅草)
学名:Deinanthe bifida) アジサイ科ギンバイソウ属の多年草。
関東以西の本州、四国、九州の山地の樹陰に生える。
白い5弁の花をウメに見立てて、この名がついた。
花は装飾花と両性花からなり、
装飾花は、がく片が2枚~3枚からなる。
両性花は、がく片と花弁がそれぞれ5枚で、おしべがたくさんあり、
めしべは1個からなる。

台上ではドリーネにしか咲いてない幻の花
勉強会に頃には近くの方が咲いてくれることを願うばかりです。


 
スズサイコ      ヒナノキンチャク

スズサイコ(鈴柴胡)ガガイモ科カモメヅル属の多年草
学名: Vincetoxicum pycnostelma )。
ガガイモ科日本産のものでは他のものは幅広い葉を持ち、いかにも双子葉植物ですと、
いう顔をしているのに対して、この種はよく見ればこの属の特徴を示すものの、
ちょっと見には細長い茎と葉が上に伸びる点、異彩を放っている。
草原ではなかなか目につきにくく、花や実が付いたときは妙に目を引く不思議な植物です。

ヒナノキンチャク
台上のお金持ちさん ようやく一番乗りまだ蕾
これからが楽しみな花です。


センターの調査では珍しい昆虫に出会いました。

  
ツバメシジミ       ヒメビロードカミキリ



ミズイロオナガシジミ(水色尾長小灰蝶)
アゲハチョウ上科シジミチョウ科学名 Antigius attilia)は、チョウ目(鱗翅目)
チョウの一種。「ミズイロ」と名付けられているが、翅は水色ではない。
翅表は濃灰一色で、後翅にわずかに水色の斑が乗る。 翅裏の斑紋が特徴的で、
白地に黒い帯が2本はしり、内側の1本は下端付近で体寄りに折れ曲がり、
後翅後縁に小さな橙色斑が入る。
翅表が本種と酷似するウスイロオナガシジミも、この翅裏の斑紋で容易に区別できる。
雌雄は外見が酷似し、判別は困難なようです。

今回もまた珍しい花?を松島さんが見つけてくれました。
花はムラサキニガナなのですが咲き方が、葉の様子が違うのです。


  

ムラサキニガナ  エゾムラサキニガナ???



ムラサキニガナ(変形)

もしかして?もしかして

和名 エゾムラサキニガナ
学名 Lactuca sibirica (L.) Bentham

来年も調査の必要ありです。



撮影:河田・吉松・釘宮・


ジャノヒゲ二種



  

ジャノヒゲ(紫色)(白色)
ジャノヒゲ(蛇の髭)クサスギカズラ科ジャノヒゲ属の常緑多年草。
学名: Ophiopogon japonicus)リュウノヒゲ(竜の髯)ともいう。
細い葉が多数出る。この葉が竜の髯に似ているので名付けられたといわれる

撮影:吉松・河田







ホウライカズラ(蓬莱葛)マチン科
学名:Gardneria nutans Sieb. et Zucc
蓬莱は中国の伝説にある不老不死の蓬莱山の蓬莱のことで、
”普通に見られない珍しい植物なのでしゃれてつけたのだろう“と牧野図鑑では書かれている。
台上ではドリーネの入口などで普通に見られるが、開花が簡単に見られるこの場所も
花が遠くになり観察しにくくなって来ています。



  

オニシバリ(鬼縛り)ジンチョウゲ科ジンチョウゲ属の常緑小低木。
学名:Daphne pseudomezereum)有毒植物。別名、ナツボウズ(夏坊主)。
樹皮が強靭で、枝を折ってもちぎれないことから、この木の樹皮で鬼を縛っても切れないだろう
という意味で、(鬼縛り)といい、また、夏に一時落葉することから、ナツボウズ(夏坊主)ともいう。

撮影:松島


変な名前が付いていますが
とてもかわいい花です。

   

ヘクソカズラ(屁糞葛)アカネ科ヘクソカズラ属の植物の一種。
学名: Paederia scandens
別名ヤイトバナ、サオトメバナ。古名はクソカズラ(糞葛・屎葛)。
葉や茎に悪臭があることから屁屎葛(ヘクソカズラ)の名があるようです。


    

オカトラノオ      ハエドクソウ       ヤブコウジ

オカトラノオ(丘虎の尾)サクラソウ科オカトラノオ属の多年草
学名:Lysimachia clethroides )。
白色の小さな花を茎の先に総状につけ、下方から開花していく。
花穂の先端が虎の尾のように垂れ下がる。

ハエドクソウ
ハエドクソウについては前回説明しましたが、
実際見ても分からない小さな花の雌蕊まで撮影してます。

ヤブコウジ(藪柑子)ヤブコウジ科の常緑小低木。
学名:Ardisia japonica)
林内に生育し、この時期白い小さな花をつける。別名、十両(ジュウリョウ)


撮影:山中



しっかり写してくれていましたので
オオバコの花をアップにしてみました。




オオバコ科オオバコ属
学名は、Plantago asiatica
小さな花を穂状につける。花は4個の萼片と1個の苞に包まれていて、
花序の下から上に咲き上がる。葯は薄紫色。

セイヨウオオバコ=花の色は緑がかった茶色。
各花は紫色のおしべを持つ。花茎は直立する。




  
ハナイカダ        カラタチバナ

カラタチバナ(唐橘)
学名:Ardisia crispa)ヤブコウジ科ヤブコウジ属の常緑小低木。
マンリョウ(万両)に対して百両(ヒャクリョウ)とも呼ばれる。


撮影:釘宮






アキノタムラソウシソ科アキギリ属

学名:Salvia japonica
秋に咲くイメージの名前が付けられているが、
7月の梅雨 から開花しはじめ、初秋まで花が続く。


撮影:河田



むせかえるような暑さの中、涼しい木陰を歩き
木の力・林の威力を充分感じられた一日
最初のドリーネを出て、どうする次へ行きますか?の問いに
全員、行きます~頼もしい限りです。

帰り道も素晴らしい豊作この時期これだけの花にあえる
台地に感謝です。

暑さに負けないでこの夏もがんばりましょう。

ラン科の植物はは盗掘を避けて上げておりません
家族、友達固定された人で見るのではなく、みんなで楽しむ場所です。
悪い習慣は無くして行きたいです物です。



次回勉強会
7/26日(金曜日)
平尾台自然の郷花工房
9:30分発
暑さ対策充分に気をつけてお出で下さい。





コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする