平尾台自然の郷野草勉強会

平尾台の自然と野草を見守り観察し
記録するボランティアのグループ。

予報に反して涼しい台上です。

2012-08-24 | 野草の観察

前日の、TVの天気予報を何度も何度も頭の隅に置きながら
猛暑、あ~々とため息が止まらない「何処にしよう皆さんの体調は等と、悩みは尽きません」

当日、案ずるより何とかで台上へ上がると意外と涼しい 嬉しい取り越し苦労でした。

下見は暑さを避けて7月末より6時発の下見をしています。
早朝の台上は朝露に濡れた野草が朝日に輝き美しい姿を見せてくれ
早起きのご褒美でしょうか?
それでも午前が終わる頃には汗びっしょり腰、足取りもフラフラです。



イセハナビ「キツネノゴマ科」
 伊勢花火(イセハナビ)はキツネノマゴ科 イセハナビ属の多年草である。
 原産地は中国だが、学名はStrobilanthes japonicaでjaponica(ジャポニカ)の
 文字が入っている。 日本の丸い花というような意味らしい。

園芸用として輸入されたものが野生化したものだそうです。





今日は開花調査の日
涼しいうちに広谷湿原の調査を全員で始める事にしました。




    

草果がすべて3個づつなのです
今まで見たアメリカイヌホウズキとは違うのではと言う意見です。

アメリカイヌホウズキ「ナス科」
 茎は細く数多く分枝して横に広がり伏毛が生える。
 葉は長さ4㌢~8㌢の狭卵形で先は尖り浅い鋸歯があり細かく波打つ。 
 枝の先端に1ヶ所から複数の花柄を伸ばし、花冠の直径5㍉~7㍉の淡紫色の花をつけ、
 花弁の先が反り返る。液果も果軸の先端に集まってつき、直径7㍉ほどの球形で
  、緑色から光沢のある黒色に熟す。
*同属のイヌホウズキは液果に光沢はなく、 果柄が少しずれてつく。
みなさんはどう思われますか?
もう少し観察をしてみる事にしました。






キセワタ「シソ科」
 昔、宮中で菊の花に綿を着せる儀式が行われこれを被綿と言い
 ピンクの菊の花に綿を被せたような花の集団花序から付いた名の様です。
 そう云えば花嫁は綿帽子を被って嫁に行くのもそうした
 習慣から来たものでしょうか?

そう思ってみると昔の人の奥ゆかしさを感じます。


    
ヤマガシュウ     シンジュガヤ        ホオジロ

ヤマガシュウ「ユリ科」
 牧野辞書では
 その葉が「何首鳥=タデ科のツルドクダミの漢名」の葉に似ているためか、
 又はヤマイモ科のカシュウイモの葉に似ているので付いたなであろうと推測しています。


シンジュガヤ 「カヤツリグサ科」
 高さ60-80cmになる多年草で、全体にざらつく。
 茎を抱く葉鞘にはっきりしたヒレが出る。湿った草原に出現、
 本州南端部から琉球列島、中国からオーストラリアまで広範囲に分布。
 名前は果実が丸くて白いことから。

ホオジロ
人を恐れない小鳥たち歩くとその2m先位をよちよち進む
成鳥になっても恐れないで懐いてほしいと思ってしまいます。

撮影:釘宮




  

ハグロソウ「キツネノマゴ科」
 葉黒草の意味で暗緑色の葉の色から来ているようです。


ネコハギ「マメ科」
 白色で旗弁の中央下部に紅紫色の斑点が2個ある。
 閉鎖花は1-3個が上部の葉腋につく。節果は広卵形。


撮影:渡辺



 
ヤブツルアズキ(撮影:渡辺)             ノアズキ(撮影:森)

ヤブツルアズキ「マメ科」
 中央の竜骨弁はねじれ、左の翼弁がかぶさり、
 右の翼弁は竜骨弁を抱くようにつきでる。

ノアズキ「マメ科」
 中央の竜骨弁はねじれ、左の翼弁と一緒に上をむく。
 右の翼弁は竜骨弁の基部をとり巻く。

竜骨弁の違いがお分かりでしょうか?




恐ろしい変わったハチの巣です。


  

  

長さ30~40cmのハチの巣何蜂の巣なのでしょう

人が近づくと一斉に羽音を発てて威嚇してくるそうです
千仏の階段付近ご用心下さい。


   
ムラサキミミカキグサ   ホザキノミミカキグサ

ムラサキミミカキグサ
 ムラサキミミカキグサは、環境庁のレッドリストで絶滅危惧Ⅱ類
 (絶滅の危険が増大している種)に区分されています。湿地の減少とともに数を
 減らしています。

ホザキノミミカキグサ「タヌキモ科」
 泥の中に1mmほどの小さな袋状の罠を持っており、
 これで小型の動物プランクトンを捕まえて消化・吸収するが、
 基本的には葉を持っており、光合成を行って生活する。
 6月から9月にかけて1つの花茎にたくさんの花を次々と咲かせ、
 長いものでは花茎は30cm近くになる。果実は丸くて耳かき状にはならない。

どちらも食虫植物とは思えないほど可愛い姿をしています。

撮影:桃坂





エノキグサ 榎草「トウダイグサ科」
 樹木のエノキに似た葉をつけるところから榎草とよばれる。
茎は直立し、 花は単性花で、
 小さな褐色の雄花が多数集まって穂状の花序をつくり、
 その基部に緑色の苞葉に包まれた雌花が通常1個つく。
 この苞葉が編笠に似るところから「アミガサソウ」ともよばれる。
 属の学名Acalyphaは、という意味で,
 雌花も雄花も美しい花弁などをもたない風媒花である。

会の方が、庭のこの草だけは残しておく
と言ってましたなんだかわかる気がします。

       
キツネノマゴ      マメグンバイナズナ

キツネノマゴ「キツネノマゴ科」
 和名は花房の形をキツネノマゴと称したものの様です。
 狐の孫を見たことないので不明ですが、
 子供の狐よりもっと小さいと言いたかったのでしょう。


マメグンバイナズナ「アブラナ科」
 北アメリカ地方原産だが、とっても外国産とは思えない可愛い姿です。  
 6~8月頃、ナズナによく似た花が咲く。          
 花のあとでつける実の形が、相撲の行司が使う「軍配」に似ている。
 グンバイナズナに比べ小型なのでマメが付く様です。

撮影:森




写真は撮影者に著作権があります。
転用の際は、ご一報ください。
ラン科の植物は一切掲載しておりません
残念ですが踏み荒らし、持ち去りなど心配してのためです。
その様な事の事のなくなる日が来る事を祈っています。


午後からはさすがに暑くなりましたが、ゆっくりとフィールド観察が
出来、酷暑に負けてない会の面々の力強さを感じます。
なんと言っても野草好き何があっても野草好き
この精神がこの会を支えているのでしょう


体調を壊してお休みの方 ご不幸に見舞われてる方
心よりお見舞い申し上げます。

この週で暑さも峠かな~次回は心地よい秋風の中
観察会が出来皆さんの元気な姿に会える事を祈っています。


次回9/12日(第2水曜日)

午前9:30分自然の郷花工房発

お気を付けておいで下さい。




 

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野草勉強会~後期のはじまりです。

2012-08-08 | 野草の観察

7月一回お休み後の例会後期のはじまりです。
草原は草丈が伸び先頭を行く人は姿が見えないほどです。


曇り、午後より雨の予報ですがジットリと汗のにじむお天気
朝のうちに見ておきたい花がある。午後に開花して曇りには朝方まで開いている花??





コカモメヅル 「小鴎蔓」 ガガイモ科

花序は蔓や葉の大きさに比べて大きく、腋の葉を越えて長く伸びる。
花は暗紫色で5裂した花冠裂片の上面に目立たない微毛がある。
黄色のずい柱を取り巻いて直立した副花冠は花冠より濃い黒紫色。

草刈りに会いもう絶滅かと思っているといつのまにか
姿を現してくれます。ヨシヨシとがんばってネと呟きが出そうです。


   
カワラナデシコ      アキカラマツ

カワラナデシコ 「 河原撫子」  ナデシコ科 
淡い紅色や白い可憐な花を咲かせる。
花びら(花弁)は5枚で、先が細かく裂ける。
雄しべは10本、雌しべの花柱は2本である。
名の由来は、「撫(な)でるようにかわいい花」ということのようです。


撮影:河田



勉強会のメインである小さなかわいい鈴

ノヒメユリ 「野姫百合」  科名 ユリ 【北九州公園指定植物】

花径3、4センチの赤橙色をした花を数輪ずつ段々につける。
花は下向きにつく。花被片は6枚で、強く反り返る。
小鬼百合(コオニユリ)に似るが、斑点はない。
日本に自生するユリ属の中で花はもっとも小さい。


  
キキョウ     エビヅル

キキョウ 「 桔梗」  科名 キキョウ
【絶滅危惧Ⅱ類】

秋の七草の1つだが、むしろ真夏が盛りである。
花は先が5つに裂けた鐘形である。咲き始めは、
花粉のついた雄しべは雌しべの花柱にくっついている。
花柱に花粉をつけ終わると雄しべはしなびる。
花柱の花粉が昆虫に持ち去られると、先が5つに裂けて柱頭が現れる。
英名は蕾の膨らんだ姿から連想してバルーンフラワー。


エビヅル 「蝦蔓」ブドウ科ブドウ属
つる性の落葉木本である。雌雄異株。
つる性の木本で他の木本などに巻きひげによって上昇する。
巻きひげは茎に対して葉と対生するが、3節目ごとに消失していく。葉には葉柄があり
、形は扁卵形で長さ5-8cm、3-5浅~深裂し、葉裏にはクモ毛がある

ヤマブドの古名が「えびかずら」。海老の柄の付いた目が、
ヤマブドウや本種の実と似ているからかしら?


撮影:釘宮



本日もう一人のメイン
お金持ちさんの登場です。






ヒナノキンチャク「雛の巾着」 ヒメハギ科
絶滅危惧1A類
長さ約2mmの淡紫色の花がやや片側に偏って多数付き
総状花序を作る。




下見の際少し変わった花が咲いてると
言うので見てきました。


な~んだカセンソウではと、思われるでしょうが

  

葉や茎が違ってるのす「ホソバオグルマ」に似てるのですが
どの辞書を見ても水辺、河原に咲くとなっています。

草原の岩場に咲いてるのです。
同定をお願いしなければと思っています。




これもまた草原に咲いていました。




ミソハギ 「禊萩」 ミソハギ科の多年草。
ミソハギの和名の由来はハギに似て禊(みそぎ)に使ったことから禊萩、
または溝に生えることから溝萩によるといわれています。


  
オトギリソウ       ヒキヨモギ


オトギリソウ 「 弟切草」  科名 オトギリソウ
茎先に集散花序(最初の花が枝先につき、
黄色い5弁花をつける。花は一日花である。
花径は15ミリから20ミリくらいである。
萼は5つに裂け、萼片は細長い楕円形をしている。
花びらや萼片には黒い点や黒い線があり、
雄しべはたくさんあって、つけ根のほうでくっついて3つの束になる。
雌しべは1つで、花柱は3つに裂ける。
茎には毛はなく緑色で、円柱形をしている。


ヒキヨモギ ゴマノハグサ科
低山地の草原に生えるゴマノハグサ科の半寄生の一年草
貧弱な根から直立する茎は,高さ30~70cm。葉は下部で対生,
上部で互生し,卵形で,広線形の裂片に深く裂け,
全体に短い毛がある。
8~9月,上部の葉のわきに,鮮黄色で上唇下側が
赤褐色の目だつ唇形花冠をもつ花をつける。
花は筒状で,10本の縦条のある萼に包まれ,上唇は左右に扁平な筒状で,先がとがる。




     
ヌスビトハギ    ヒメノハギ

ヌスビトハギ 「 盗人萩」  科名 マメ
花の後にできる実は豆果(莢の中に種子が入るもの)で、
和名の由来は莢の形から見立てたものです。
半月形で2つにくびれた莢の形を盗人の忍び足の形にたとえたもののようです。
密生する鍵状の毛は衣服などにつきやすい。


撮影:桃坂



またまた初見の花があると言うので
帰りに寄ってみました。



普通では見逃してしまう歩道わき



ワタリミヤコグサというセイヨウミヤコグサの一種と
思って写真を見ると違うようなのです。

    


セイヨウミヤコグサは、
茎は根元で枝分かれして地表を這っている。斜め上に立ち上がり、
草丈15~35cmになる。ミヤコグサ(都草)は茎や葉、萼は無毛であるのに、
対してセイヨウミヤコグサ(西洋都草)には毛がある。

毛が無いのです。

多くは茎の先端にある小葉の頂小葉を有する奇数羽状複葉で、
5枚の卵を逆さに倒したような楕円形をした小葉がある。
内2枚は托葉になっているので3出複葉に見える。

葉も長卵形です。

葉は白っぽい緑で、かすかに粉を吹いたように見え、
やや厚みがある。長さ6~13mmで幅は3~8mmくらい。

丁度雨が降ってきましたので白い点になっていますが
白っぽくないのです。

ニシキミヤコグサという在来種があるそうなので
もう少し調べてみます。





岩になりそうに暑い一日でしたが
小さな可愛い花たちの誘われ山麓から山頂まで歩きました。

少人数で野草好き、この季節は何時も夏季休暇なので
初めての所を歩くような新鮮さを感じました。

暑い中、熱中症も怪我もなく無事も終わりました
お疲れさまでした。


次回は、8月24日(金曜日)
9:30分自然の郷を出発します。

暑さ対策を充分においで下さい。

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