お寺さんぽ Ver.03

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寝釈迦・行道山浄因寺 (石仏っていいね・応用編5)

2010年04月18日 | 仏像
のんびり気軽にさんぽがてら。
本日はだーいぶ久しぶりな石仏シリーズ、栃木県足利市は「行道山浄因寺(ぎょうどうさん・じょういんじ)」です。

断崖絶壁にあり、「関東の高野山」を異名とするこちら「浄因寺」
奥の院には「寝釈迦」ほか石仏群があると言うことで、さっそく行ってきましたよー。
(※上写真は「寝釈迦」のある奥の院からの風景です)

和銅七年(714)
奈良時代に活躍した「行基上人(ぎょうき・しょうにん)」の開山と伝えられています。
奈良大仏でお馴染み「東大寺」に関わった「行基上人」の活動は主に関西方面だったので…ちと怪しい雰囲気ね。
名前を貸した(借りた)というのが現実かと思います。
再興され、禅寺となった室町時代には”学問道場”として栄えたのです。

そんな「浄因寺」は、断崖の上に建つ「清心亭」が一般的には有名。
(※県指定の名勝1号です)
なんですが…ひでるさんのオススメは、やっぱり奥の院にある石仏群ですね。


※こちらが「寝釈迦」です。

メインの「寝釈迦」って…要するに釈迦の入滅を表現している「涅槃仏(ねはんぶつ)」のこと。
これがどすーんとした可愛らしいスタイルで、イイ石具合なのです。
また、その周囲には他にも数多くの石仏があり、よくよく見てみると如来・菩薩から各明王までがいるのです。
石仏好きにはウハウハですね。

お寺の仏像ってのは秘仏だったり、扉が閉まってたり、はたまたえらく距離があったり…と、なかなか仏像目的の方が満足できる状況でないのが常のこと。
その点、こうした石仏は間近まで接近できる上、写真も撮り放題(笑)
ひでるさんも楽しくて仕方ありません♪
それも、「地蔵菩薩」とかポピュラーなものでないところが素敵なのです。
特に「不動明王」以外の五大明王メンバーが揃っているのには、感動モノでした。


※石仏・明王さま


【余談】

この「浄因寺」から「大岩毘沙門」、両崖山の「足利城址」、そして「織姫神社」へ抜けるルートは、”歴史のまちを望むみち”というハイキングコースになっています。
「おお、そりゃーちょうどいいじゃない!」
…とかなんとか、気軽に「山道コース」を進んだひでるさん。

が、しかし。


※このうち、中央から下へ抜けるようなコースです。(上はもっとキツイ)

これが相当にキツイのですよ。
いちおう山道で人が歩けるコースとなっているんですが…
1:尖がっている石が多い。
2:階段となっていても段差が激しい。
3:傾斜はやたら急な箇所がある。
4:当然、断崖絶壁。
5:途中、スズメバチがいる。
…と、そんな感じなのでした。

ふらりと気軽な感覚でチョイスしたひでるさん。
それが山中に至る頃は、見事に後悔しておりました。
(※それなりの覚悟と装備はしてましたが。いちおう念のため)

ちょっと注意ですね。
ぶっちゃけ、途中は泣きそうでした。


※ずっとではないですが、こんな岩山みたいなのを乗り越える場所もあります。

普段の運動不足もあって、ふらふらとした足取りで山道を歩いていたひでるさん。
ひょんな偶然から途中見知らぬお爺さんと知り合い、先導をいただきました。
遅れながらも(笑)

お話によると週一、二回くらいの間隔でこのコースを行き来されているらしく、その案内は的確。
登り易いコースからショートカットのアドバイス。
さらには、難敵「スズメバチ」まで退けて頂きました。
途中で笹を持ったので、どうするのかなーと思ったら、バシバシ叩いて戦ってるのよ(本当)
ここはスゴイ迫力でした。
はっきり言って、無事帰還することができたのは、まさしくお爺さんのおかげですね。

こうして戻ってきた今となっては…実は人の姿を借りた「みかえり阿弥陀如来(京都永観堂)」さまではなかったのか、と。
いや、変な意味でなく、それくらいに助かりました。
ありがとうございました。


[住所]
 行道山浄因寺 栃木県足利市月谷町1579


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