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顕家出撃・最大の危機を回避 (楠木正成)13

2010年01月31日 | 歴史
のんびり気軽にさんぽがてら。
南北朝時代を勉強中…ということで、時代の英雄「楠木正成(くすのき・まさしげ)」についてお送りしております。
随一という戦功を上げ、数年のうちにこの世を去ることとなった、”歴史に残る戦術家”の活躍をご覧下さい。

建武元年(1334)
「後醍醐天皇」は念願だった天皇親政を開始。
しかし、論功行賞では武士が無視され、公家や皇族にばかり地位や権力を与えたほか、その政治もトンデモなものだったのです。
建武二年(1335)七月には北条氏の残党が「中先代の乱」を起こし、「足利尊氏(※写真)」は討伐のため”征夷大将軍”へ任ぜられるよう要望しましたが、これは拒否されてしまったのです。
武士の期待を集める彼を警戒したんですね。
望みを断たれた尊氏は…。


建武二年(1335) 八月 
鎌倉を支配した北条氏鎮定のため、「足利尊氏」は許可を得ないまま関東へ下りました
三河で弟「足利直義」の軍勢と合流した尊氏は、北条勢を相模川合戦で破り、八月十九日には鎌倉を回復したのです。

鎮定後は鎌倉へ居座り、独自に恩賞を与えるなどしていました。
こうして鎌倉には、尊氏を慕う武士たちが各地から続々と集結していたようなのです。
尊氏は召還の勅使にも従わず、従二位という誘いにも乗りませんでした。
(※実際のところは、従おうとしたところ直義に止められた様子)
続いて足利兄弟は「新田義貞」討伐の檄文を発すると共に、「後醍醐天皇」には彼の討伐を要請したのです。
どっちを取るか、というところですね
こうして、両者は完全に敵対関係となったのです。

一方、「新田義貞」は逆に足利兄弟の討伐を命じられていました。
しかし、初戦に勝利したものの、尊氏率いる本軍との激突では十二月の箱根・竹ノ下合戦にて撃破され、慌てて京へ逃げ帰るような始末。
(※ちなみに、この時の尊氏は天皇と争うことを恐れ、なかなか歯切れの悪い行動をしていたようです。天皇というのはそうした存在だったんですが…ちとハッキリしない感じね)

勢いそのまま西へと進む足利の軍勢は、建武三年[延元元年](1336)一月。
宇治に戦った我らが「楠木正成」をも突破し、遂に京都を確保したのです。
そんな頃、奥州の軍勢を引き連れて彼の後を追って西上していたのが「北畠顕家(きたばたけ・あきいえ)」さま。
足利勢が京を確保した二日後にはもうその付近まで進軍しており、「楠木正成」、「新田義貞」らも軍に加わりました。

建武三年[延元元年](1336) 二月
三条河原にて対峙する一方、顕家引きいる部隊は北から東までを包囲しつつ進み、加茂河原、神楽岡の合戦で次々と勝利。

正成ら三千の兵も、二条河原にあった尊氏の本陣を果敢に襲撃しております。
防戦する足利勢に、栗田口からは顕家率いる二万、続いて鴨川から義貞の三万という軍勢が重ねて襲いかかり、ついに京都から追い払うことに成功したのです。
追撃はさらに続けられ、正成は打出浜に足利勢を破り、また義貞も豊島河原でそれを撃破。
度々の敗戦で疲弊した足利勢は、播磨は「赤松円心」の策を入れ、遥か九州へと落ちて行ったのでした…。

こうして、尊氏は敗北し、「後醍醐」は最大の危機を回避したのです。
…が、しかし……。

⇒ つづく。
  次回は「新田義貞を捨て、足利尊氏と和せられ給え…」 (14/16)
 

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