さんぽで出会う花鳥風月

ひでじいの四季の写真

ウツギ

2017-06-11 22:30:41 | 樹木

*2017年6月11日撮影

 ウツギの花が咲いているのに出会いました。

 ウツギは別名をウノハナまたはユキミグサといいます。
 ウツギというのは茎が空洞なので、空ろな木という意味で「空木」というわけです。
 ウノハナというのは「空木の花」が省略されたもので、「卯の花」という文字をあて、ウツギというよりは一般的に使われています。
 ユキミグサは花の印象を雪に例えたもので、草ではないのですが低木なので「雪見草」という風流な名前です。





*2017年6月11日撮影

 ウノハナが咲く月ということで、旧暦4月をウヅキ「卯月」と呼びます。
 卯月に咲くから卯の花なのではないのですが、そのように誤解した説明もままあるようです。
 
 ウノハナが咲くと夏が来るというわけで、初夏に渡って来るホトトギスとの取り合わせは古来から短歌や俳句に詠まれて来ました。
 ホトトギスはカッコウに似た鳥で「東京特許許可局」と鳴きます。





*2017年6月11日撮影

 有名な唱歌「夏は来ぬ」も、ウノハナとホトトギスの取り合わせを歌います。
 「卯の花の 匂う垣根に 時鳥(ほととぎす) 早も来鳴きて 忍音(しのびね)もらす 夏は来ぬ」
 ここで言うホトトギスの忍音というのは、ホトトギスが夏になる前に鳴く声を言います。
 鳴き方に違いはないのだけれど、旧暦4月はまだ夏には早いからと「忍音」という言葉で表現した、古い日本人の感性です。
 そこのところを、いやいやホトトギスが鳴けばもう夏ですよ、というのが「夏は来ぬ」の意味のように思います。

 それはともかく、白いウツギの花の美しさを見ながら、ああ夏になったと思った次第です。

シロスジヒゲナガハナバチ

2017-06-09 22:02:03 | 昆虫

*2017年6月9日撮影

 梅雨に入ったらしいのですが、今日は久しぶりに真夏の天気がやってきました。
 気温も28℃くらいになったようです。

 今日の写真はシロスジヒゲナガハナバチという、ハナバチの一種です。
 ちょっと見にはミツバチかなと思うのですが、ヒゲが長いのですぐ分かります。
 シロスジというのは黒い腹部に白い縞模様があるからです。
 この模様もミツバチよりはっきりしていて、区別しやすいと思います。

 この写真のハチはヒゲがかなり長いので、雄ですね。
 背中に黄色いぶつぶつが乗っかっているのは何でしょうか。
 花粉にしてはおかしいようです。他の寄生性の虫の卵または幼虫が産み付けられているのかも。





*2017年6月7日撮影

 上の写真と同じくムラサキツメクサに取り付いてるシロスジヒゲナガハナバチです。
 こちらはヒゲが少し短いので、雌ということになります。
 シロスジヒゲナガハナバチは花に取り付くと、体をくるんと丸めるので、これもミツバチと違うところです。





*2017年5月12日撮影

 これは先月撮影のシロスジヒゲナガハナバチの雌です。
 花はカラスノエンドウ。
 じつはシロスジヒゲナガハナバチの好む花は1番がムラサキツメクサ、その次がカラスノエンドウなのだとか。

 シロスジヒゲナガハナバチにはとてもよく似た、ニッポンヒゲナガハナバチというそっくりさんがいます。
 この2種を見分けるのはきわめて難しいのです。
 ただニッポンヒゲナガハナバチの好物の花は、レンゲやフジ、タンポポやナノハナなどとされています。
 訪れている花の種類から、今日のハチはシロスジヒゲナガハナバチに違いないと思うわけです。

ヒルザキツキミソウ

2017-06-07 22:33:51 | 草花

*2017年6月7日撮影

 庭に植えられているこの花はよく見かける花です。
 かわいい花です。たくさんまとまって咲くので、とても華やかです。

 園芸種としてはエノテラという名で販売されていますが、和名はヒルザキツキミソウです。
 月見草は夜咲く花ですが、昼に咲くので「昼咲月見草」です。
 つまり本来の月見草もこの花とよく似ているというわけです。





*2017年6月7日撮影

 本来の月見草(ツキミソウ)は明治時代に渡来し観賞用に栽培されましたが、なぜか日本では繁殖が難しく、今ではほぼ絶滅状態にあります。
 かわって同じ時期に渡来したオオマツヨイグサなどが、月見草と呼ばれるようになって親しまれています。
 マツヨイグサの仲間もツキミソウと同じく、アカバナ科マツヨイグサ属の花で、夜に花を咲かせ朝にはしぼむという特徴を持っています。
 ただマツヨイグサの仲間は黄色い花で、ツキミソウは白い花を咲かせます。
 
 ツキミソウは見ることができなくなったので、ヒルザキツキミソウを愛でるしかありません。
 ヒルザキツキミソウは日本では結実しないという説があったのですが、今は普通に実ができるようです。
 種がこぼれて、花壇を越境して野生化しているヒルザキツキミソウもあります。

 *きわめて貴重なツキミソウの写真がここに紹介されています。夜が更けるとピンク色に変わる花は幻想的です。

ツバメ(幼鳥)

2017-06-05 22:12:50 | 

*2017年6月5日撮影

 前回の記事は5月22日でした。暑いと言ってぼやいていたのに、その後は一転して寒い毎日。
 6月なのに冬に戻ったよう。変な気候です。 
 長いお休みをしてしまいましたが、再開です。

 会津の鶴ヶ城のお堀には毎年ツバメがたくさん来て、子育てをしています。
 どこにどういうふうに巣があるのかわかりませんが、時期がくると子ツバメが出て来ます。
 お堀に張り出したケヤキの枝に、巣立った雛というか幼鳥が固まってとまっているのに出会いました。





*2017年6月5日撮影

 親鳥が餌を運んで来て食べさせます。

 ツバメの雛は生まれてから3週間ほどで巣立つそうです。
 巣立ってもまだ自力では飛ぶのも難しく、餌も親に運んでもらって食べます。
 木の枝や電線などにとまって、親の世話になりながら、少しづつ飛ぶ練習をし餌を捕る練習をするのだとか。
 夜は巣にもどって寝ることもあるようです。
 この期間が1週間から3週間ほどあって、自力で飛んで餌を捕獲できるようになって、自立します。
 ツバメは他の小鳥達より自立までの期間が長いようです。





*2017年6月5日撮影

 親鳥が飛んでくる気配がすると、子供達は口を精一杯開いて餌を待ちます。
 口の開き方が大きい方から餌をもらえることになっているそうです。
 それで不公平にならないのかといえば、空腹な子ほど口を大きく開き、空腹でない子は口を開かないので、うまくいくのだそうな。

 さて見ていると、親鳥はひんぱんに飛んで来ますが、だんだん餌を持ってこないことが増えて来ます。
 自分で飛んで餌を捕まえなさいと、うながしているようです。





*2017年6月5日撮影

 そうこうしているうちに、3羽の幼鳥のうちの1羽が枝の上で羽ばたきしはじめ、ふいに飛びました。
 水面近くを数回往復して、枝に帰って来ました。
 餌が獲れたかどうかはわかりません。
 そしてその後、3羽すべてが飛び立って、しばらく飛び交ってから、別の枝に飛び移りました。
 親は様子をみながら、ときどき餌を運んで来ます。

 この子達が自立するのには、あと何日かかるのかわかりません。
 ツバメの親子の、自立のための訓練風景でした。