*2017年6月11日撮影
ウツギの花が咲いているのに出会いました。
ウツギは別名をウノハナまたはユキミグサといいます。
ウツギというのは茎が空洞なので、空ろな木という意味で「空木」というわけです。
ウノハナというのは「空木の花」が省略されたもので、「卯の花」という文字をあて、ウツギというよりは一般的に使われています。
ユキミグサは花の印象を雪に例えたもので、草ではないのですが低木なので「雪見草」という風流な名前です。
*2017年6月11日撮影
ウノハナが咲く月ということで、旧暦4月をウヅキ「卯月」と呼びます。
卯月に咲くから卯の花なのではないのですが、そのように誤解した説明もままあるようです。
ウノハナが咲くと夏が来るというわけで、初夏に渡って来るホトトギスとの取り合わせは古来から短歌や俳句に詠まれて来ました。
ホトトギスはカッコウに似た鳥で「東京特許許可局」と鳴きます。
*2017年6月11日撮影
有名な唱歌「夏は来ぬ」も、ウノハナとホトトギスの取り合わせを歌います。
「卯の花の 匂う垣根に 時鳥(ほととぎす) 早も来鳴きて 忍音(しのびね)もらす 夏は来ぬ」
ここで言うホトトギスの忍音というのは、ホトトギスが夏になる前に鳴く声を言います。
鳴き方に違いはないのだけれど、旧暦4月はまだ夏には早いからと「忍音」という言葉で表現した、古い日本人の感性です。
そこのところを、いやいやホトトギスが鳴けばもう夏ですよ、というのが「夏は来ぬ」の意味のように思います。
それはともかく、白いウツギの花の美しさを見ながら、ああ夏になったと思った次第です。