エコでピースな市民のひろば

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ダン・シャ・リな日々・2

2015年01月24日 | いろいろ日誌
●画像は宮沢賢治


もうかれこれ

40年近く前のこと


中学生として2年目を迎える春

引越しにともなって

人生初の

「転校」

を経験しました。



同じ市内での転校でしたが

友人も少なく

日々、心細く感じたものでした。



そんななか

転校先では

新学期を迎えるにあたって

新2年生にむけて

宿題が出されていました。



宮沢賢治の

「雨ニモマケズ」

を暗記してくること

というものでした。



当時を思い出し

久しぶりに読み直してみました。


■雨ニモマケズ (訳文)
***************************************
雨にも負けず
風にも負けず
雪にも夏の暑さにも負けぬ
丈夫なからだをもち
慾はなく
決して怒らず
いつも静かに笑っている
一日に玄米四合と
味噌と少しの野菜を食べ

あらゆることを
自分を勘定に入れずに
よく見聞きし分かり
そして忘れず
野原の松の林の陰の
小さな萱ぶきの小屋にいて
東に病気の子供あれば
行って看病してやり
西に疲れた母あれば
行ってその稲の束を負い
南に死にそうな人あれば
行ってこわがらなくてもいいといい
北に喧嘩や訴訟があれば
つまらないからやめろといい
日照りの時は涙を流し
寒さの夏はおろおろ歩き
みんなにでくのぼーと呼ばれ
褒められもせず
苦にもされず
そういうものに
わたしはなりたい
**************************************

転校先が

どんな理由で

暗記の宿題を出したのか

今となっては

知る由もありませんが

あらためて読み直してみると

下線を引いた部分には

なんだか特に

魅かれるものがあります。



ちなみに

「1日に玄米四合」
という数値を

グラムに換算すると約600g

年間消費量にすると約220kgになります。



これを

約60Kgの俵に換算すると

3.6俵になり

田んぼからの収穫量に直すと

約3畝から4畝の

農地が必要になります。

*********************************************
1畝(いっせ)は約30坪
1反(いったん)は10畝で約300坪

*********************************************


味噌に必要な大豆畑や野菜畑を加えると

どうでしょうか。。。。。

だいたい200坪ほどもあれば

生命を維持することができるだけの

収穫が得られるのではないでしょうか?



都市の200坪と農地の200坪

その価値は簡単には比較できません。


贅沢はできないが
収穫できる土地があれば
生きていける!



宮沢賢治は

「食の大切さ」

を伝えてくれています。



現在の私たちの食生活では

肉・野菜・牛乳等を

バランス良く摂取するよう

教えられていますが


完全食

といわれる玄米を中心とした

食生活に見直せば

色々な拘束から

自由になれるのではないでしょうか。
●画像は酵素玄米



宮沢賢治が生きた

明治29年(1896年)から昭和8年(1933年)は

日本社会に排他的で自己中心的な意識が強まり

やがて戦争へと進んでいく時期でした。



他方

宮沢賢治の物語の中では

自然の中で生活する

猫、鹿、熊などの異質なモノとの

開かれたコミュニケーションが

重要なテーマとなっています。



こうしたテーマを通じて

排他的で閉ざされた日本社会とは異なる

オルタナティブな可能性を

探ろうとしたのだと思います。




「一日に玄米四合」は

お米を中心とした持続可能な社会の

基礎を司る貴重な道しるべです。



今の当たり前に感謝しながらも

食を取り巻く既成概念を疑ってみると

もっと自由な生き方が

出来るかもしれません。





◎つづく