駄楽器駄日記(ドラム、パーカッション)

ロッキンローラーの打楽器日記

気付きが大事

2020年03月09日 | ザ・スターキー
3月9日(月) 本日のJOG=45分
ワッツでのザ・スターキーライブのあと、カウンターで地元の常連さんと雑談していました。その時ドラムの音量について尋ねられ、ハッと気付いたことがありました。
「へいさんって、ドラムを思い切り叩いたりするの?」
それは、自分がドラムの音量をかなり抑えて叩いているということを見抜いての質問でしたが、その音量に物足りなさを感じられたのだろうか。
ドラムの迫力が好きだとおっしゃる方は割と多くて、そういう方はライブ会場ではドスンというロック的なサウンドを求めておられるんだと思います。実はかつての自分がいちばんそうでした。ライブで、ロックなのにドラムの生音が電気楽器に負けているとそれだけでつまらなくなってイライラしたものです。
その質問の答えは、「もちろんあります」なのですが、「でもスターキーでは御法度」という言い方になります。
ザ・スターキーは音量のとても小さなバンドなのです。ビートルズはロックではあってもコーラスバンドでもあり、カントリーだったりクラシック、ソウルやらR&Bだったり、そのうえ映画音楽に前衛音楽、サイケにロン毛にヒゲもじゃに、たまにインドだったりとひとつのカテゴリーに全く収まらない。
音楽の坩堝(るつぼ)、ごった煮、闇鍋なんであります。
我々は、「ビートルズのレコード音源をできるだけ忠実にをコピーする」というコンセプトなので、美しいコーラスやギターの音色をドラムで打ち消すことはできません。バランス的に思い切り叩けない宿命なのです。
ですがここが問題で、バランスを重視するあまり、お客さまにドラム本来の迫力に物足りなさを感じさせていたのではないか、とハッとさせられたというわけです。
そこが最大のジレンマなんですね。
リンゴスターはレコード録音時は当然ですが思い切り叩いたのでしょう。スコンと抜けたスネアサウンドは気持ちがいい。テープスピードはいじっていますが。
YouTubeなどでもビートルズのライブシーンを見ると、リンゴは跳ねるように思い切り叩いています。けれど、レコードでは音質はそのままで音量は小さくボーカルに隠れるように作られています。

では一体どうすべきか。ライブに来てくださった全てのお客さまに満足してもらいたい。
なので、我々はライブの現場では、メリハリをつけることを重要視していますが、今回「もう少し振り幅を大きくしてもいいかも」と気付かせてもらったというわけです。
今でもそうですが、ライブ開始はポップな軽快な曲が多いので、スネアはリムショットを軽くかけて、ハイハットもハーフオープンで軽快に、鳴らし過ぎないようにこするように叩く。
中盤では、ドラムにミュートをかけた後期の曲などに対応して、実際にタムをミュートしたりして重く低い音にする。落ち着いたバラードでは、思い切り音量を落としてコーラスをしっかり聞かせる。
終盤にはノリのいいR&Rで弾けるときは、オープンハットの間隔も大きくし、スネアのリムは深めに掛ける。
こうして書いてみると、今でも十分やっているはずですが、これまで以上にやってみる必要があるかも知れません。

あとはメンバーと整合性を図る必要があります。
なんといっても、「ドラムのスティックは菜箸ぐらいがちょうどいい」なんて真面目に言うぐらいのメンバーなので。
そう簡単に問屋は卸してくれないという問題がありますが、まあ地道にやるだよ。。。
常に耳と心をオープンにして人の言う事を聞いていると、「ハッ」と気付かせてもらえることがある。
何も言ってもらえないと、自分の欠点ですら気付かないまま通り過ぎてしまう。なので、バンドでのリハの時にも、自分のプレイが変だと感じたらいつでもはっきりと注文つけてもらうようにしている。
万全を期して練習積んだ曲で言われると、「え~なんで?」と思うこともある。しかしそれでも言ってもらって自分で確認したい。すると、思わぬところでちょっとしたことが見つかったりする。
テンポの「遅い」「早い」にしても、聴き直したら結局オレのほうが合っていたみたいなこともあって、それならそれで「へへん!」である。。
まあ、互いに信頼してこそのことだけれど、「気付き」がいちばん大時だと思うというわけです。
コメント
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