駄楽器駄日記(ドラム、パーカッション)

ロッキンローラーの打楽器日記

独裁者様

2016年01月07日 | 小説
「お坊ちゃま!実験は成功でございます。各国大騒ぎをしてございます」
「そうか、そりゃいい。いい酒が飲める。おい、シャンパンを用意しろ!ドンペリだ」
「うう~っ、お坊ちゃま。ドンペリはしばし在庫が切れております。ある酒はマッコリぐらいでして」
「何だとお、そんな安い酒飲めるか!すぐ手に入れろ!」
「いえいえお坊ちゃま、このところ我が国はお坊ちゃまが憧れる不良国が制裁を仕掛けており、贅沢品が手に入らないのでございます」
「うるさい、そんなことよく知っておる。裏ルートで手に入れろと言っておるんだ。そんなこともできないんならお前、死刑だ!」
「そんなご無体な~。今どき『死刑!』などと言うのはお坊ちゃまの好きな日本のマンガ『こまわり君』ぐらいでございます」
「やかましい!どことなくオレに似ているというんだな!やっぱりお前は死刑!」
「ひえ~!!!」

「ご主人さま。報告でございます」
「なんだ。オレは喜び組とコミュニケーションの真っ最中だ、忙しいんだ」
「お楽しみ中、申し訳ありません」
「いいところだったのに。で何だ?」
「各国が非難声明を挙げております」
「ふん。●●爆弾実験成功が羨ましんだろ」
「いえ、実は・・・」
「なんだ?」
「あれは●●爆弾ではなく、普通の爆弾でございます」
「何だと!」
「実験をやろうにも、材料がないのであります」
「買えばいいじゃないか」
「いいえご主人さま、買うお金が我が国には・・。しかも実験する電気もなく国じゅう真っ暗でありまして・・・」
「え?嘘をつくな!オレの屋敷は豪華絢爛だぞ!お前も死刑だ!」
「ひえ~!!」

「独裁者様!散髪の時間でございます」
「そうか、苦しゅうない。かっちょよく頼むぞ」
「はは~っ。世界でも唯一無比の髪型でございます」
「だれも真似できないオレだけの髪型だからな。ふふふ」
「カッコいいんでございますよ。刈り上げぐあいと、お顔の福々しいコントラストが・・・」
「世界で流行るって言ってたな?」
「も、もちろんでございます・・・」
「ずいぶん前に言ってたぞ。ブームが来るって」
「は、はい。間違いないでございますよ」
「それはいつだ?」
「も、もしかすると、既に変なふうには話題にはなっているかもですが。ネットでは」
「おい、ネットなんか我が国はつながらないぞ。ひょっとすると、お前オレの髪型笑ってるんじゃないのか?」
「いえ、滅相もない。。ぷぷっ。。。」
「おまえ、今笑っただろ!死刑だ!!」
「ひえ~!!」
コメント
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