大垣市の 親切ていねいな ふすまと内装工事のお店 【創業80余年 林文香堂】 三代目店主の前向きな日記 

明るく朗らかに、人に親切に、素直に、謙虚に、感謝して の五つの基本を胸に、日々の小さなよろこびを綴ります。

島へ逃げる

2015年11月09日 | 日記
30年ほど前、平凡出版の月刊誌「ブルータス」を毎号買って読んでいた。
毎回特集が組まれていて、その中に「島へ逃げる」というのがあった。

内容は覚えていない。
たぶん南の島のリゾート特集だったと思う。
妙にそのタイトルには何とも言えない誘惑感があって今も忘れられない。

28歳くらいの時か、サラリーマン生活に別れを告げ、
いよいよ故郷に帰って家業に従事するか、というとき、
カミさんと二人で記念にケアンズに行った。当時長男はまだ産まれていない。

アカを落として以後どっぷりローカルに浸かる。その前のけじめの豪遊だった。
自分の中では「島へ逃げる」だったのかもしれない。

以来、海外旅行には行っていない。
だから自分のパスポートは今だハガキの大きさで、開くと、
「こいつは誰だ?」というような気持ち悪い自分の写真が出てくる。

この土日は知多半島の先っぽ、篠島へ行った。
建設会社の下請会の旅行だったが、個人的に感覚は「島へ逃げる」に近かった。

仕事、家庭、その他の日常から二日間遠ざかった。

ふいに約四半世紀のときを超える出来事もあった。

同じころ東京で経営の勉強会の年一回の集大成に参加している人たちもあった。

島への車中、娘が半泣きで電話してきた。
母親とひどいけんかをしている最中らしかった。どうにもしてやれない。

複雑な思いを抱きつつ、自分は島へ渡り、ふぐを堪能して、バカ騒ぎして、島から戻った。

仕事をしていないと、時間は長く感じられた。

本土から離れ、島へと渡ると、現在・過去、置いてきたものがいろいろ見えた。
まだ見ぬ未来も考えた。

かといってその解決策は見えてはいない。

文字通り「島へ逃げた」だけだ。

客観的にいろいろなことが「見えた」だけだが、
それらに気付いたときのことを、その瞬間を、忘れてはならないと思う。

コメント
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