BGMは伊福部ゴジラのテーマでお願いしたい。
桜の花が散り始めた月曜の早朝。
事務所の天井裏を歩く猫の足音を耳にした。
また野良の母猫が出産場所の下見に来ているのだ。
「いかん。配備を急がねば!」
とりあえずモップで天井を叩き「コラー!!」と大声を張り上げ退散させた。
今日は早く仕事のキリがつき定時で社員のみんなが帰宅した。
タイミングは今日だ。
おもてのシャッターをいつもより早く下ろす。
「フォースゲート クローズ フォースゲート クローズ クイックリー!」
とつぶやく。(ウルトラセブンネタ)
超兵器ガーデンバリアGDX初号機を箱から出し乾電池を挿入する。
単一電池4個。
取扱説明書をつぶさに読む。
スイッチを入れる。グリーンのランプが赤に変わる。
「エネルギー充填100%!耐ショック・耐閃光防御!」
とつぶやく。
脚立を立てる。
ヘルメットをかぶる。
自分の中でBGMがゴジラから「地球防衛軍」に変わる。
天井点検口を開ける。
緊張の一瞬。
上から何が落ちてくるかわからない。
開口部からホコリか獣毛かグラスウールかわからないものがはらはらと落ちてくる。
「マスクもすべきだった」・・
ホウキとチリトリで落下物を掃除する。
次がもっともイヤ~な一瞬。
LEDランプを片手に、45cm四方の天井点検口に頭から入る。
キャメラが天井裏にあったなら、メットをかぶったオッサンが潜望鏡のように
首を出してくる絵だ。不気味だ。
緊張しながら頭を入れる。
天井裏はビミョーにケダモノのニオイがする。ように感じる。
LEDランプで四方を照らす。SWATのようでもある。
超兵器ガーデンバリアGDX初号機の設置位置を決めなければ。
次の瞬間!
チャラリ~!鼻から牛乳~!
驚愕の事実が立ちはだかった。
野良猫の侵入経路と特定していた西方面に、
H鋼の梁が真横に視界をさえぎっていたのだ!
これはマズい!
超兵器ガーデンバリアGDXは最大直進13mのセンサー感知エリアを誇る。
しかし!
天井点検口から西方向にわずか60cmのところにH鋼が!
「こっちがバリアかよ!?」
野良猫の西方向からの侵入に対し早期に赤外線センサーと超音波でもって退散させるという
当初の超兵器配備計画がいきなり暗礁に乗り上げた。
H鋼のせいでセンサーが遠くにいる野良猫の体温を感知できないのだ。
天井裏のリサーチ不足だった。
完全に戦術ミス。
高く堅固な城壁をもつウォールマリアの内部に対し、
壁の外からたくさん折込チラシを撒こうとするようなものか。
受注があるはずもない。
一気に落ち込んだ。
・・右手の指先に目玉がついていて自由に伸び縮みしてくれたらいいのに。。
・・自分が鼻の穴に入れるくらい小さくなれて空を飛べたらいいのに。。
しかし思い直した。
戦術は容易に変更が可能だ。
H鋼の西側にあらたに点検口を設け、
(天井に穴を開けるということだが、これは事務所の破壊ではない。防衛措置だ。)
そこから西に向かって超兵器ガーデンバリア初号機を配備しなおすのだ。
明日、建デポで点検口キットを買ってこよう。
今日のところはとりあえず東方に向けて超兵器を配置し稼働を開始させた。
東方向は遠くまで見渡せる。センサー感知範囲内だ。
東方司令部と名付けよう。
目下の懸案事項は三つ。
① 新たな天井点検口設置の際、数十年分の天井裏のホコリを頭からかぶるということ。
② 新たな天井点検口の西にH鋼の梁が存在するかしないか。
(当社はハウルの動く城に負けぬくらい増築・継ぎ足しをしているので全くわからない)
(当然、天井伏せ図などない。西は最も古い構造なのでセンサーの障害物は少ないと思いたい)
(もし、さらに西にH鋼があったらどうする・・?)
③ 超兵器弐号機を購入するか、初号機を移設するか。
真剣かつ情けない独り芝居を演っているようだ。
②が重い。
おれはバカかも、という思いに、ふとかられている。。
桜の花が散り始めた月曜の早朝。
事務所の天井裏を歩く猫の足音を耳にした。
また野良の母猫が出産場所の下見に来ているのだ。
「いかん。配備を急がねば!」
とりあえずモップで天井を叩き「コラー!!」と大声を張り上げ退散させた。
今日は早く仕事のキリがつき定時で社員のみんなが帰宅した。
タイミングは今日だ。
おもてのシャッターをいつもより早く下ろす。
「フォースゲート クローズ フォースゲート クローズ クイックリー!」
とつぶやく。(ウルトラセブンネタ)
超兵器ガーデンバリアGDX初号機を箱から出し乾電池を挿入する。
単一電池4個。
取扱説明書をつぶさに読む。
スイッチを入れる。グリーンのランプが赤に変わる。
「エネルギー充填100%!耐ショック・耐閃光防御!」
とつぶやく。
脚立を立てる。
ヘルメットをかぶる。
自分の中でBGMがゴジラから「地球防衛軍」に変わる。
天井点検口を開ける。
緊張の一瞬。
上から何が落ちてくるかわからない。
開口部からホコリか獣毛かグラスウールかわからないものがはらはらと落ちてくる。
「マスクもすべきだった」・・
ホウキとチリトリで落下物を掃除する。
次がもっともイヤ~な一瞬。
LEDランプを片手に、45cm四方の天井点検口に頭から入る。
キャメラが天井裏にあったなら、メットをかぶったオッサンが潜望鏡のように
首を出してくる絵だ。不気味だ。
緊張しながら頭を入れる。
天井裏はビミョーにケダモノのニオイがする。ように感じる。
LEDランプで四方を照らす。SWATのようでもある。
超兵器ガーデンバリアGDX初号機の設置位置を決めなければ。
次の瞬間!
チャラリ~!鼻から牛乳~!
驚愕の事実が立ちはだかった。
野良猫の侵入経路と特定していた西方面に、
H鋼の梁が真横に視界をさえぎっていたのだ!
これはマズい!
超兵器ガーデンバリアGDXは最大直進13mのセンサー感知エリアを誇る。
しかし!
天井点検口から西方向にわずか60cmのところにH鋼が!
「こっちがバリアかよ!?」
野良猫の西方向からの侵入に対し早期に赤外線センサーと超音波でもって退散させるという
当初の超兵器配備計画がいきなり暗礁に乗り上げた。
H鋼のせいでセンサーが遠くにいる野良猫の体温を感知できないのだ。
天井裏のリサーチ不足だった。
完全に戦術ミス。
高く堅固な城壁をもつウォールマリアの内部に対し、
壁の外からたくさん折込チラシを撒こうとするようなものか。
受注があるはずもない。
一気に落ち込んだ。
・・右手の指先に目玉がついていて自由に伸び縮みしてくれたらいいのに。。
・・自分が鼻の穴に入れるくらい小さくなれて空を飛べたらいいのに。。
しかし思い直した。
戦術は容易に変更が可能だ。
H鋼の西側にあらたに点検口を設け、
(天井に穴を開けるということだが、これは事務所の破壊ではない。防衛措置だ。)
そこから西に向かって超兵器ガーデンバリア初号機を配備しなおすのだ。
明日、建デポで点検口キットを買ってこよう。
今日のところはとりあえず東方に向けて超兵器を配置し稼働を開始させた。
東方向は遠くまで見渡せる。センサー感知範囲内だ。
東方司令部と名付けよう。
目下の懸案事項は三つ。
① 新たな天井点検口設置の際、数十年分の天井裏のホコリを頭からかぶるということ。
② 新たな天井点検口の西にH鋼の梁が存在するかしないか。
(当社はハウルの動く城に負けぬくらい増築・継ぎ足しをしているので全くわからない)
(当然、天井伏せ図などない。西は最も古い構造なのでセンサーの障害物は少ないと思いたい)
(もし、さらに西にH鋼があったらどうする・・?)
③ 超兵器弐号機を購入するか、初号機を移設するか。
真剣かつ情けない独り芝居を演っているようだ。
②が重い。
おれはバカかも、という思いに、ふとかられている。。