超兵器磯辺2号

幻の超兵器2号。。。
磯辺氏の文才を惜しむ声に応えてコンパクトに再登場。
ウルトラな日々がまたここに綴られる。

白衣のサンタ

2012-12-23 11:14:25 | 職場
「改善の祭り」で一躍有名となった「発明王エジサン」(って全然有名じゃない?!)・・・お堅い上司の「チーフ」ですら、「●ータリクラブ」のクリスマス会の余興で使いたいので『エジサン』の衣装、貸してくれないか」と極秘メールを送ってくる始末だった。先日、私のオフィスまでそれを返しに来てくれたときに(別に私のじゃないんだけど・・・)、「どうでした?」と聞くと苦笑いしながら「盛況ではあったんだけどさ。プレゼント交換会の司会を二人でやったもう一人が●▲銀行の支店長で、なんと『メイド』で出てきちゃって・・・完全に食われた」
地方の主他、著名人の集いであるクラブでは新参者である彼は自らボケ役を買ってでたらしいのだが、事前に情報がリークしてしまい、相方に飲み込まれてしまったらしい。上層部にあっても御苦労の多いことだ。

「大変なんだねえ。●ータリークラブもさー」私は返却されたエジサンの白衣とかぶり物を何気なくかぶってみたら、大忘年会実行委員長のトミーが「磯辺さん、それ今度着ませんか?」
嫌いではなかったが、苦笑いするだけでうんともイヤとも言わずにおいたら、話がどんどん進んでしまった・・・前々日にトミーにPCの画面見せられて・・・「こんな登場シーンで考えてますから」「へっ?」ホントに着るのか?まあ、変なコスプレじゃないからいいや。全部装着すれば誰だか分からないしなー。二つ返事でOKしたが、当日「作製者のN村氏」が何やら思い入れがあるようで・・・髭やらメガネやらだいぶグレードアップしてますよ。ちょっと早めに会場入りしてくださいねー」楽屋入りってか?うー。。。嫌な予感がする・・・

会場に着くと舞台を挟んで司会席とは反対側の屏風に隠されたゾーンに色々な物が準備されていた。どうやら私はエジサンの格好をすればよさそうだな。メガネがLEDレンズで光輝き、ちょび髭が沖田艦長のようにグレードアップしていたが。。。「でねー、この車に座って登場してもらいます。プレゼントの袋担ぐの忘れないでくださいね。」何となく綺麗に飾られてはいるが、明らかにただのリヤカーじゃないか・・・「誰かが引っ張るの?」「むろん僕らですよ」トミーたちはやおら、Yシャツを脱ぎ、かなりやばいスタイルに変身して行った。まるで豚のようなトナカイのかぶり物を着けなかったら放送禁止のような気もするぞ。トナカイにそりだったらサンタじゃんか。何でオレだけ発明王の格好をしてプレゼント袋を担がなきゃならんのだ?

    

「前の方に重心をかけて腰掛けてください。安定が悪いんで、後ろに体重をかけるとひっくり返っちゃうんですよ」試しに押さえてもらって上ってみると確かに安定が悪いが、足を前後にレギュラースタンスにすれば何のことはない。何せ波があるわけでもなく、地面に車輪がついてるんだから。「大丈夫そうだよ、これくらい。立ったまま颯爽と現れるさ。神輿の上でも全然平気だったしねー」私は元気よく頷いた。ただ登場門の位置からして左足を前にするレギュラースタンスだと会場の皆に背中を向けることになってしまうので、反対の慣れないグーフィスタンス(右足が前)で乗らざるを得なかった。2匹の怪しいトナカイに引かれるリヤカーに立ち乗りし、スタンバイOKである。

司会から大忘年会の開始が宣言され、いよいよ登場シーンだが、明かりが暗くならないとかで中々トナカイがスタートせず、いきなり業をにやして勢いよく飛び出した。「メリークリスマス!」ぎりぎり耐えていたのだが、テーブルの足に引っ掛って一旦前のめりになり、焦ってフルパワー急発進されたせいで後ろにつんのめり、シンクロナイズドスイミングばりに大転倒!ずばり昔プールでやった「犬神家の一族」ポーズである。帽子はメガネは曲がり沖田艦長髭はアサッテの方向へ向いてしまい、私を置き去りにして前へ進んでしまうソリに慌てて飛び乗る今年一番の大醜態だった・・・会場は爆笑の渦だったが、そのまま舞台で挨拶をかますところが、あまりの動揺にシナリオを忘れてしまい・・・「みなさん、○▼□?あ●■!△*~##・・・」支離滅裂な話になってしまった。結構いい話をしたつもりなんだが、あのスタイルでは全くもって説得力がない。。。乾杯の発声は司会がくじで指名したが、何とソリを引いたトナカイになった。

    

出番が終わったら、着替えて普通に会に臨めばよかったのだが面倒くさかったのでそのままメガネだけ外して飲んでいた。発明王のスタイルをした私は各テーブルを回り、色々と談笑しながら記念写真を撮りまくっていた。私はこの大クリスマス&忘年会は今年で3回目だが、4回目がない可能性が少なからずあるからだ。これまでは県内の景勝地や名(ゲテ)物など、「モノ」を被写体にしていたが、最近は自分の姿がそれとなく入る構図でパチリとやってもらうことが多くなった。この地を去る時にDVD化してエンドロールを流すためである。)うーむ、我ながらあざといが、これは誰かに頼んで作製してもらわなければならない。私はこの地方の隅々まで駆け巡った証として、自分で撮影した景勝や名物を編集して土産として置いて行くことにしている。

気が付くと、大ビンゴ大会が始まっていた。入り口で受付をする時に、一人一枚ビンゴ用の小さな札を渡されるのだが、全く捻りがないことに二つのセクションの名簿順に番号を振っているだけだから、私は毎年「001番」なのである。確率的にはどれも同じなのだが、いかにも「当たりそうもない」番号で、いつも知らん顔して隅のテーブルで飲んでいた。「磯辺さん、呼ばれてますよ~」と声を掛けられ、もう出番かよと思ってステージを見たら、何とビンゴが当たっていたのである。大きなお歳暮用缶詰セットのような箱を頭をポリポリしながら受け取ったが、「もう1回分景品にしてねー」と舞台裏で返却しておいた。この先「何とか賞」とか「グランプリ」とか色々続いていくのだが、くじを引くのは私なのでプレゼンターがいきなり景品をもらっては申し訳ないからな。

この後、ステージに全員が釘付けとなるビックリするようなパフォーマンスがあった。ルーキーズを中心とする若手女性軍がサンタコスチュームで何と「少女時代」を舞って見せたのである。年末になって今年1番の清々しさを感じさせてもらった。いつもステージから一番遠くのテーブルで会の進行など気にせず大酒を飲んでいるマリモさん(仮称)など、一番前までやってきて大声で声援を送っていた。皆、私の娘(いないけど)みたいな年頃のお嬢さんだ。ドキドキしたが、一方で何やら申し訳ないような気もしてきた。(舞っている本人たちが楽しんでいてくれればよいが)
メインパフォーマンスが終わると、どうでもよいコスプレたちが乱入してきて・・・あいつ、「あずまや」の超特大盛り(推定4玉+餅2つ+大かき揚げ2枚)を平気で平らげる「ダイスケ」ではないか。よく衣装があったものだ。

  

ステージは最高に盛り上がり、私も舞台に引っ張り上げられて(もとい!自分で乗り込んで)、大騒ぎの後記念写真を撮りまくった。同じサンタコスチュームを身につけている余計な野郎さえいなければ・・・・来年のカレンダーにしたいくらい夢のようなシチュエーションだったのに。女子軍にはいい迷惑だったかもしれないが、これこそ役得なのか「人も羨むスーパーショット」が何枚か撮ってもらえた。(いやあ、掲載できないのが残念~)どこかに掲載した時に「ニヤけている」だの「鼻の下伸ばして・・・」などと決して言われないようにギラリとほほ笑むように心がけた。しかし心中は彼ら彼女らのパワーと元気に心から感謝していた。宇宙戦艦ヤマト完結編で地球に立ちはだかった水惑星を前に「ヤマトとこの若者たちある限り私は希望を持つ」と言った沖田艦長のような心境だった。。。

しかし繰り返しになるが女性軍のダンスパフォーマンスは圧巻だった。きっとずいぶん練習したんだろな。男子(それも若くはないおっさん)ばかりの忘年会で中には恥ずかしい思いや抵抗があった人がいたかもしれない。ここは責任者として私に免じて許してもらうとともに、お礼のメールを打っておくとしよう。来年、この職場にいないことになっても特別ゲストとして乱入したくなるような楽しい忘年会だった。
メリークリスマス!皆さん、お疲れ様でした。(見てる人いないかもしれないけど)
おまけ・・・川沿いを駅に向かって歩いていたら、近い方の岸にこの鳥がいた。それだけでは珍しくもないのだが、何と向こう岸に飛び立つときにもう一羽がランデブー!慌てて連続シャッターを切ったが、残念ながら追尾できず・・・しかし初めて見たシーンはちょっとしたクリスマスプレゼントだった。(画像を少し拡大しても結構細部まで見られるもんな)