超兵器磯辺2号

幻の超兵器2号。。。
磯辺氏の文才を惜しむ声に応えてコンパクトに再登場。
ウルトラな日々がまたここに綴られる。

南蛮漬け作戦

2014-06-16 21:40:42 | 食べ物
江ノ島産天然メジナ祭りになるはずが、まさかの子サバ祭りになってしまった我が家だが、今回は妻の手を一切借りずに(単に仕事でいなかっただけだが)「食えるものに加工」するつもりだった。小夏師匠ブログのワカサギにヒントを得て(って自分で書き込んだんだけど)25匹の子サバを南蛮漬けなる私にとってはちょっと注意が必要な調理法を実行するつもりだった。名前を知っていたら手を出さなかったはずなのだが、確か以前に「南蛮漬け」とは知らずにアジか何かを食べた記憶があった。酢の物のような味がしたが、乳酸による発酵ではなかったはずだ。ネット検索でいくつかレシピを探してみた。あんまり酸っぱいのは好きでないので、最も手抜きっぽく簡単なモノを取り上げた。残念ながらレシピは大きなサバの切り身を使うものばかりだったがまあ、その辺は同じ魚なんだから気にしないでおこう。

何はともあれ、この小魚群を下ろさなくてはならない。氷の入ったクーラーBOXに入れておいたのだが、サバって結構ぬるぬるしてるんだな。とりあえず頭を落として内臓をとって・・・って待てよ、サバは傷むのが早いと聞いている。全部で26匹あったが私の腕では全部下ろすのにかなり時間がかかってしまい、最初の方に下ろしたヤツは腐ってしまうんじゃないか?そこで私はレシピに書いてあった「漬け汁に一緒にぶち込む」という野菜類を先に用意することにした。玉ねぎ1/2個、ニンジン1本、ピーマン1個・・・どれも大して好きではない生野菜である。カレーならともかくこんなモノを一緒に漬けこむ必要がどこにあるのか分からぬが、とりあえずレシピにある通り細い千切りにしてみた。

  

ついでに漬け汁も用意しておこう。めんつゆを使うというのがいかにもお手軽手順だが、水、酢、砂糖などを足し(酒や味醂を少量入れることもあるらしい)一旦沸騰させる。さらに「唐揚げにする」ための準備もしておくことにした。片栗粉と少しの小麦粉をトレ―の上にどばーっと出しておき、油は台所の鍋に張ってあったものをそのまま使う。理科実験のように材料や調味料などを器にあらかじめスタンバっていよいよ魚の加工である。しかしここでまた私ははたと考え込んでしまった。中骨は取るんだろうが、アジのたたきのように3枚に下ろしてはほとんど身が無くなってしまうのではないか?!試しに中くらいの魚に包丁を入れてみたら、ロッテのフィッツくらいの大きさになっちゃった・・・これじゃーだめだな。

  

ネットのレシピを色々調べてみると、小アジの写真で見る限り頭だけ落とされた姿をしているし、「ちょっと高温で長めに揚げると骨が軟らかくなります」という説明も・・・つまりは「中骨は取らなくてよい」ということか?!私は20数匹の子サバの頭を落とし、内臓を取って軽く水で洗い、キッチンペーパーで余分な水っ気を取り除く。さっき釣ってきたばかりなのに、切り身は十分堅いものではなく、少し力を入れると崩れそうになった。全部終わって、片栗粉をまぶし高温にした油に向けて揚げようとしたら、「んっ?」腹と尾鰭の間に小さな棘のようなものがあって指に刺さった。これをそのままにしては食べる時に困ってしまう・・・慌てて全部の魚からとげを抜く作業に入った。

    

余分な水分をとって片栗粉をまぶしたのだが、表面に付着するだけなので全部つけ終わっても大量に片栗粉は余ってしまった。油で揚げる時間はレシピにもよるが4分から8分くらい・・・1回で全部揚げきれないので3回くらいに分けたが、何せ手際が悪いので最初に入れたのと後のに時間差ができてしまいそうだったので、これがちょうど4~8分に当てはまるように、鍋に向けてぶち込んで行った。生まれて初めて「揚げ物」なるものを作ったが、この時ジューユーいう切り身の動きが実に小気味いい。香ばしい音(という表現が相応しい)がキッチンに響き渡った。なるほど揚げ物というのは作る時も楽しいものだ。これからまた色々バリエーションを増やしていこう。

  

油の温度は温度計がないので分からないが(指を突っ込むわけにもいかないし)、とりあえずジュワージュワー音をさせているのでそれなりには揚がるだろう。さて短いものは4分、長いものは8分間くらいになるがまだ表面では油でチリチリしている状態でタッパーの上に次々に上げていく。第一弾を10数匹入れると一旦底が埋まってしまったので、切っておいた謎の野菜千切りを乗っけてレシピ通り、具それらの具の上から一旦沸騰させた漬け汁を「ジョワーっと」とかけていく。っと、残り10匹分くらいの漬け汁がどうも足らぬようだったので、慌てて漬け汁を追加で作りなおして沸騰させる。今回はもう少し酢を多めにしてみることにした。結果的に2層になってしまったが、一応ちゃんと揚がっているかに見える残りの魚を乗せ、さらに千切り野菜を加え再度漬け汁を付け足す。今回はさっきほどすごい香ばしい音はしなかったが、まだ表面ではジリジリしている。

  

この時点で本当は「鷹の爪」なる物体(たぶん赤トウガラシ)が必要なのだが、どこにも見当たらないので、七味唐辛子をぱっぱっとかけて代用(になるかどうか分からぬが)とする。この状態で1時間から数時間、半日くらい漬け込むと冷やしても美味しくなるという。揚げたての子サバにほぼ沸騰したての漬け汁を上から注いだから、中はすごく熱い。常温でそのまま放っておいたら、そのまま傷んでしまうような気がしたが(そうなってしまうほど間抜けな話はない)こんな熱々の状態で冷蔵庫に入れる分けにもいかぬ。夕方まで用事があったので、一旦出掛けることにした。妻や息子甘辛には「ちょっと自信がないので食わないこと」というメールを打ったものだ。

少し遅くなって帰宅すると既に妻と甘辛は晩御飯を食べ始めていた。あれれっ?台所に置いてあったタッパーが見当たらないぞ。。。実は一回り小さな器に入れ替えられ、別の皿に盛られて食卓に出てしまっていた。「それ、食ってんのか?」(実は大丈夫か?という意味合いが強かったが)「頂いてマース」と妻は澄ましていたが、この手のモノは徹底したブランド志向でグルメを気取る息子甘辛は正体不明の小魚料理には手を付けていない様だった。早速私もつまんでみたが、おおー柔らかくて中々いけるぞ。これならご飯のおかずにも丁度よい。我ながら感心していたが、食べ進めるうちにまだまだ改良の余地がたくさんあることを痛感した。ああでもない、こうでもないと色々食いながら考えているうちに不覚にも「ちゃんと盛った状態」で撮影するのをわすれちゃった・・・

まずめんつゆが濃すぎたのか、冷えるとその味がストレートに出てしまい、揚げたての油と相まってギトギトになっている。中骨も十分柔らかく、漬け方?は問題ないが、天ぷらにめんつゆを付けているような平べったい風味なのでもう少し酢やその他調味料を色々増やし、立体感を出すとよいかもしれない。また相変わらず一緒に入れる意味がよく分からない野菜群がほとんど生のままだ。元々生野菜がそんなに好きではないので、にんじんやピーマンの生歯触りはどうも邪魔だ。いっかい茹でるなどしたほうがいいかもしれないな。今回は試しにやってみたモノだが、名前からするとちょっと遠慮したい南蛮漬けだが、乳酸発酵でないため私でもちゃんと食えるものが製作できることが分かった。昨日、再び江ノ島周辺を偵察したが、子サバはちょっとサイズアップしたようだが、相変わらず時間を問わず無尽蔵に釣れているようだ。次は思い切って酢の量を調整し味を確かめながら本格調理に挑戦してみよう。


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4 コメント

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美味しそ~〓 (まるち)
2014-06-17 08:00:18
南蛮漬け、我が家では夏の定番メニューです。
月に2回は登場します。
我が家では、漬汁にゴマ油をプラスしてますよ。
野菜がメインか魚がメインかわからないほど、紫玉ねぎ・白玉ねぎ・パプリカ・ピーマンを大量投入。
夏の食欲増進メニューです。


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Unknown (小夏)
2014-06-17 18:28:41
師匠、ご自身で作られたのですかっすごぉ~いっ!!鷹の爪のブーケもってお祝いに駆け付けたい気持ちです(笑)
慣れてしまえば何ともないですが、お魚をおろすところから、お野菜の千切り、、酢の調合、、これは大変でしたねー!ご自分のお味に到達するといいですね。

私などスライサー、調合された甘酢(めんつゆなし)、おまけに粉はビニール袋に大匙1位と空気入れて優しくシェイクです
甘酢+スライサーお野菜山盛りの中に揚ったのをジュッと漬けこんでいます。(お野菜は熱でしんなり)
そうそう、一晩冷蔵庫で寝かすと劇的に変化しま~す^^日持ちしますので来年のビーチバレー大会には前日仕込みできますよ~。

「ちゃんと盛った状態」の件わかります!
ハニ丸のお友達の家ではおやつにパクパク食べおかずにならないそうです(笑)
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Unknown (磯辺太郎)
2014-06-17 22:48:48
まるち様

プチお久しぶりです。夏の定番なんですか~。やはり冷たくして食べるのがOKなんでしょうか。
なるほど、ごま油というのは私の味覚ではかなりフレンドリーな仲間。
大量の野菜ですか・・・あれは何か味つけに貢献しているのでせうか?まあ、ついでに摂取するにはいいけど。
美味しそ~とは師匠はお優しいですね。まあ、とりあえず食えたというレベルでした。でも次に向けて色々改善事項もみつかりました。夏の定番にむけて頑張ります!
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Unknown (磯辺太郎)
2014-06-17 22:55:44
小夏さま

師匠、まったくお恥ずかしい限りですが、たぶん重要とは推測しながら「鷹の爪」端折ってしましたぁ・・・
なるほど、スライサーにビニール袋でシェイク。。。さりげなくスーパーグルメ主婦のテクを垣間見ました。
やはり自分なりの好みの「漬け込む」にはめんつゆなしがいいんでしょうねえ。先に張ったつゆと野菜に揚げたての魚をぶち込むんですね。
やはーり!理由は知りませんが、一晩漬け込んだ(作業名称は好きでないが)のがぐーなんですね。
次はNHKの「今日のお料理」風に盛り付けて撮影します。(当然後ろには白衣姿のワタクシが・・・)
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