超兵器磯辺2号

幻の超兵器2号。。。
磯辺氏の文才を惜しむ声に応えてコンパクトに再登場。
ウルトラな日々がまたここに綴られる。

さらに復刻?!北京亭のタロー&マーボ

2014-02-09 20:49:40 | 食べ物
このサイトに記事を投稿するようになってもう何年もたつが、未だに訪れる方の数や閲覧数以外は見たことがなかった。ちなみこのサイトは完全無料の何の機能もないただ寄稿するだけのものだったのだが、有料のアドバンスコースのPRがたまたまあって見てみたら、数少ないが訪れた人々の傾向(どんなサイトを訪れているかとか)や色々な分析、多彩なブログ機能があるようだった。そこで今まで見たこともなかったこのサイトの閲覧ランキングというのを初めて見た。(これは無料コースでも見られるらしい)
1日に読んでもらった記事の数の多い順番のようだから大体、投稿したばかりの最新記事が一番閲覧されているのだが、驚いたことにほぼ100%ベスト10に入っているロングラン・・・まるでザ・ベストテンの「みちのくひとり旅(山本譲二)のような記事があった。「復刻?!北京亭の中華丼」編である。ちょうど1年前の今頃投稿したものだった。
http://blog.goo.ne.jp/hayapo21/e/76a9885de958d83c24de69da23ffcd4f

北京亭というのは私が小学生の時に母が友人が聞き込んできた茅ヶ崎駅南口に店を構え、10年くらい前に閉店してしまうまでの約30年間、愛してやまなかったラーメン屋である。むろん私の妻も息子甘辛(幼かったが)も大ファンだったが、フェイスブックなどで同郷の人々と今までできなかったような音信が簡単に通じるようになると、意外にも北京亭の存在を懐かしむ人が実に多く、もはや「伝説」とも言われるほどに至った。中華丼については以前書いたように、マイ鍋をふるった私よりもそのレシピを家庭なりにアレンジした妻の作品の方が優れているのは事実だが、ここに来て「せっかくなら人気メニューを一杯復活させようじゃんか」という極秘作戦を考えていたのである。

まずは中華丼に匹敵する人気メニュー「タローメン」である。これまで数十年、多くのラーメン屋を訪れたがこのメニュー名はどこに行っても聞いたことがない。北京亭オリジナルメニューだと思う。小学生の時に母と一緒に入った当初は「ミソラーメン」一辺倒だったのだが、カウンター席に並ぶ多くの客達が頬張る謎の肉野菜卵とじラーメンが気になっていた。ある日、勇気を出して注文したらとてつもなく上手く、あっと言う間に不動のファンになってしまった。私にとっての歴史は中華丼よりもタローメンの方が深いのである。基本のレシピは中華丼と同じだが、異なるのは豆腐が入っているところである。

具として用意するのは、キャベツ、(冬なら白菜主体)、にんじん、玉ねぎ、豚肉少量、にら、豆腐、卵である。北京亭特製のしょう油タレはほぼどのメニューにも登場し様々な味を醸し出す魔法のタレなのだが、家庭ではまだ調合できたことがないので、生ラーメンスープで代用する(半分使って炒め、半分はスープにする)。後は中華スープ、塩、コショウ、かたくり粉を使用する。店では豚肉は生ではなく茹でてある小片を器から鍋にぶち込んでいたから、スープのダシを取った後の肉を細切れにしたものかもしれない。まずこちらは生だから豚肉から簡単に炒め始める。野菜群はボールで一緒にして混ぜ合わせたものをどばーっと鍋にぶち込む。店の場合は強火力のためあっと言う間に火が通ってしまうのか、しょう油タレでちょっと炒めるとすぐにスープを足していたが、IHでは生煮えになるので結構時間をかけて炒めた後に中華スープを足す。ここで塩コショウし、一旦味見するのが確実である。

          

中華丼と異なるはこのあたりでラーメンを製作しなければならないところだ。炒め用に使ったラーメンスープの残り半分を使ってどんぶり張った熱湯に合わせ少なめの麺側スープとする。鍋に豆腐を入れ一煮立ちさせた後、水溶き片栗粉をくわえとろみを付けるのだが、一気に入れて失敗すると復旧が困難なので、少しずつ様子を見ながらやった方がよい。麺側スープと絡まるので少し中華丼ほどシビアではない。次にといた卵を加えかき混ぜる。にらは最後でもこの前でもどちらでもよい。最後におおさじ一杯のごま油をたらして出来上がり。
やはり難しいのは途中で「麺を茹でる」プロセスがあることだ。丼側のスープは半分しかないから、早く茹で上げ過ぎると丼内で固まってしまうし、茹で時間を取り過ぎるとのびてしまう。ちなみに北京亭のおばさんは絶妙にタイミングで麺を茹でていたかというと、意外にいいかげんで、おやじの鍋の具が先に出来上がってしまうと先に丼に盛られた具の上に麺をどさーっとのせ、菜箸でグルグルかきまわすという荒技を繰り出す。これを「常連」は「麺アトもの」と言い、おみくじで「小凶」を引いたくらいの不幸を感じる。

            

タローメンはこれまで何十回と作成を繰り返し、記憶にある味に似たものはほぼ「ノ―ルック」で作れるようになっている。これは先月末に悪天候で外出できず一人飯になった時に製作したもので中々の出来栄えだった。そして次なる復刻は「マーボー丼」である。ミソラーメンと同じブルーの丼で出されるこのメニューはどちらかと言うと女性に人気があったような気がする。調理そのものでは全く辛味を付けることがなく、しかも卵とじスタイルだ。まろやかでお粥感覚でかき込むことができるが、中華丼に比べて野菜のアクセントがないので、少し味が単調で後半個人的には「飽き」がきたものだ。二日酔いの時とか胃が疲れているときには優しい味だった。ちなみにメニューには丼にかける「マーボー丼」と黒い器にマーボー部分とどんぶりご飯が別々に出てくる「マーボーライス」というのがあった。

基本、特製タレ&スープでの味付けだからすぐに再現できると思っていたのだが、3回トライしてどれも失敗。あまり製作プロセスを覚えていなかったのだ。最初のヤツなんか中華丼のすっぽ抜けのような感じだった。別の店で本来の麻婆豆腐(全然味が違う辛いヤツ)を食べて、具材を正確に思い出してみた。中華丼よりも種類が少ない分だけバランスと味付けのごまかしがきかない。2回目は木綿豆腐を使用したのだが、角切りサイズが大きすぎて卵豆腐丼になってしまった。。。水溶き片栗粉によるとろみの付け方やとき卵の混ぜ方も中々難しい。変な味になるとその味がずーっと変化なく続いてしまうのでショックが大きい。これはシンプルな分手強いメニューだな。3回目は水溶き片栗粉の量が多過ぎて、丼内におぞましい「カタマリ」がいくつかできてしまい、塩辛いのか抜けているのかわからない味になってしまった。ここにきて私は妻にヘルプを求めたのである。

この週末、関東は歴史的な大雪に見舞われた。数年前、東京に大雪警報が発令された時、ウッドデッキの雪を集めて小さな「かまくら」を作り、甘辛がその中でカレーライスを食っている写真があるが、今回ははるかにすごい量だ。午前中のうちにエントランスは雪で埋もれ、ウルトラセブン「零下140度の対決」で怪獣ガンダーに破壊された地球防衛軍極東基地のように、赤いライオン号もポインター号も偵察用チャリですら出動不可となった。「材料買ってくるから昼飯、マーボー丼にしないか?」と妻に聞いたら、何と材料は全て買ってあるという。(素晴らしい)しかし彼女も一度も作ったことがないので、北京亭マーボー丼の手順は私が横で指示することになった。

  

雪で家族3人どこにも行けないから3人分のマーボー丼の材料を並べた。材料はにんにく、挽肉、豚小間、絹豆腐、ねぎ、にら、卵である。豚小間は本来は生でなく、例の器にある茹で上がった細切れだ。まずサラダオイルでにんにくを炒め香りを出し、これに挽肉と豚小間を加えて色が変わるまで炒める。これにスープとしょう油タレを加える。3人前とは言えスープが随分多いなー、と思ったが最近ノ―ルックで中華丼を拵える妻の経験に任せた。次にお約束の塩、コショウで味を調える。これに前よりも小さく角切りにした絹豆腐(前回、もめん豆腐ではないと直感した)を加えて十分に熱を通す。本物の中華鍋だとすぐに煮立つのだがIHでは冷たい豆腐を入れると一旦湯温が下がってしまう。

              

鍋が再びぐつぐついいだしたら、水溶き片栗粉をとろみの様子を見ながらかき混ぜながら加える。いい感じにとろみがついてきたらとき卵を加えて静かにかき混ぜる。この辺りで外見は中華丼に似てくる。(実は味も似ている。)最後ににらを加えてゆっくりかき混ぜ余熱で熱を通したらごま油をたらして出来上がり。
うーむ。。。悔しいがこれまでの私の失敗作よりもはるかに上手く北京亭に近い。まろやかで胃に優しくするすると口に運べるのは素晴らしい。ノーマルヒルでこれまで数メートルずつ飛距離を伸ばしていたのに、いきなりK点超えのジャンプを見せられた気分だ。しかしようやくこれでかの名品3メニュー目がほぼ完成だ。
しかし結構試行錯誤してこれでやっと3つ目か・・・実は北京亭きってのセレブメニュー「肉野菜炒めライス」と「ミソラーメン」にトライしたのだが、まだここに掲載するレベルには至っていない。今や幻、伝説ともなった茅ヶ崎北京亭のメニュー完全復刻の道のりはまだ遠い。

                


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8 コメント

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懐かしくて涙が… (昭和42年生まれ)
2014-05-01 19:29:42
あの味が懐かしくて、茅ケ崎 北京亭 マーボー丼 でたどり着きました。記載された具材を揃えて、再現できるかチャレンジしてみます。懐かしい情報に感謝します。
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Unknown (小夏)
2014-05-02 01:15:33
またまた横からスイマセン。。
時々拝見いたします北京亭のファンの方々からの涙ながらのメッセージでいかに愛されたお店だったのかと感心し、もらい泣きしてしまいそうです

それと、やや強引ではありますが、まだ寒いころ見つけた品揃えにしびれまくったお店の品が忘れられないので、今日改めて見ましたら、な、な、なーんと、師匠がこの春〇×△されたところからほんの少しの距離のところでほんとーに驚きました
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Unknown (磯辺太郎)
2014-05-02 06:09:04
「昭和42年生まれ」さま

「昭和42年生まれ」さま

ようこそこの記事にいらっしゃいました。
色々なサイトで根強い人気に驚きです。ホーント懐かしいですねえ。
あなたも青春時代はあの名店で「がっつり」食べた仲間ですね。

うろ覚えなのであの作り方で再現できたか自信ないんですが、何か気付いた点があったらぜひ教えてください。あの懐かしい味がよみがえりますように。
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Unknown (磯辺太郎)
2014-05-02 06:15:13
小夏さま

師匠が以前私が書いたレシピもどきを元に三河で再現頂いた時には感激しましたぁ。春になってどのメニューにも必須となるニラ(三河産)も順調に繁茂中。
ホントにあの店、こよなく愛す人が多かったんですよ!

○×△というのがよくわからないのですが、師匠が「品揃え」とおっしゃるならグルメかお洒落アイテムでしょうか。
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Unknown (小夏)
2014-05-03 18:09:36
深夜のぼーーーっとした頭で配慮無く書いてはならぬと、ぼかしましたあ。
http://item.rakuten.co.jp/utsuwasalan/10004710/
そのお店、こんな商品も@@!
これって子供の頃映画だかドラマとかでみて目がテンになりました。
お店概要で場所でてきま~す^^
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Unknown (磯辺太郎)
2014-05-03 19:45:17
小夏さま

なるほどー、やはり私にはあまり縁の無いお洒落アイテムのお店だったのですね。
懐かしのアイテムも売ってるんですねえ。ジーパンの尻ポケットに入れるヤツですか。
飲酒運転厳禁なので、これを使うシーンってほとんどないですね。
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マーボー丼!!! (昭和41年生まれ)
2015-10-31 17:11:38
以前、中華丼をお願いしたものです(今晩も作ります)。
マーボー丼も再現されていたんですね。素晴らしい!! 今度作ります!!

あとは北京ソバを作っていただければ成仏できそうです。いつかいつか、よろしくお願いします m(__)m
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Unknown (磯辺太郎)
2015-10-31 19:10:45
昭和41年生まれさま

ようこそいらっしゃいました。奇遇ですね!実は我が家も今夜は中華丼なんです。
当時の味を再現できたでしょうか?下をラーメンに変えればタローメンになりますね。

炒めたモヤシときざみ海苔が踊る北京ソバもよく食べました。以前、トライしたことがあるんですが、単純なようで実に難しいです。カラッと炒まったモヤシと絶妙なタレは北京亭でなければ作れないかもしれません。

でもがんばってみます。
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