超兵器磯辺2号

幻の超兵器2号。。。
磯辺氏の文才を惜しむ声に応えてコンパクトに再登場。
ウルトラな日々がまたここに綴られる。

ラーメン王国の一部を制覇

2014-05-17 16:49:34 | 食べ物
現職に着任以来、主に仙台・札幌には頻繁に足を運ぶようになった。今年になって既に搭乗回数も二桁に達し、この調子で行けば先日航空会社から送られてきた一番格下の「何とか」いう特典カードからアップグレードとなるのもそう遠くないだろう。先日、前泊のためだけに午後のフライトで札幌に向かったが、時間がかなり余裕があったのでクーポンを使って「空港ラウンジ」というものに初めて入ったが、サッポロ、キリン、アサヒとちゃんと3種類ある生ビールやウィスキーは飲み放題、つまみもあって中々快適な空間だった。ただ朝早い便を使用することが多いので、出発前のひと時としては中々利用する機会がない。新千歳空港までの飛行時間は1時間30分くらいだが、法人契約している旅行会社を通してチケットを発行してもらうことになっており、空いていればエコノミーよりワンランク上の席を取ってもらえるから楽チンだ。

地方出張が多いとお土産や土地の名物メニューなどが楽しみの一つになるはずだが回遊魚系(というか実はお化けが大嫌い)の私はホテルに宿泊する出張をあまり好まないため、必然的に「夜の部」は少なくなってしまい、名産物は限られることになる。仙台などでは「牛タン」以外はほとんど社員食堂で済ませてしまうが(他に色々おいしいものはあるだろうけれど、札幌では空港を初めJRタワービル、すすきのなど昼休みの時間を果敢に利用して名物を追いかけている。それでも北海海産物、ジンギスカンなどはどうしても夜の部中心になってしまうから、昼のターゲットは「札幌ラーメン」に集中してしまう。かの国の「制覇計画」を立てたことは「ラーメンの王国への進撃」編で書いた。狙い処は空港の「ラーメン道場」と駅ビルの「ラーメン共和国」、入った店のテーブルの下には群馬勤務時代の手に入れた「エジサンシール」を張って進出の目印にしていたが、途中で通過する位置にあるので、かなりのペースで制覇することができた。そして、まずは「ラーメン道場」を制覇する日がやってくるのである。

先日、札幌へ出張したとき、米大統領来日の影響を見てかなり早い便を利用したが、予想外に順調にほぼ定刻に新千歳空港に着陸してしまった。時間は朝の9時過ぎで、札幌までの移動時間を抜いても1時間以上余裕がある。試しに空港の「札幌ラーメン道場」に行ってみると薄暗い回廊の中で2軒くらいの店が開いているようだ。私はあと2軒で制覇というところまで来ていたが、幸い残った2軒のうち、「雪あかり」という店がやっていたので、いつもの「味噌ラーメン」を注文した。朝飯は食っていなかったからその日の朝ラーである。札幌駅まで行って打合せを行うビルのロビーで待ち合わせ、無事に会合を終えて札幌オフィスの「うえさん」と出てきたのが11時半、我々のビルまでは20分かかるが陽気もいいし、一本道だから散歩がてらてくてく歩くことにした。オフィスの近くまで来ると昼前くらいの時間となり、うえさんは「今なら『千寿』入れると思いますよ。行ってみましょう」千寿というのは周辺ではかなり人気の老舗のラーメン屋で昼を過ぎて訪れると店の外にいつも長い行列ができていて、入れたことがない。

「空港で既に1杯食ってきて・・・」と言い出せずに、そのまま暖簾をわけて店に入ってしまった。小さな古い店でメニューは醤油と味噌しかない。名店にありがちなシンプルでこじんまりしたところだった。朝ラーが味噌だったのだが、せっかく札幌だからここでもやっぱり味噌を注文した。その日2杯目だがなかなかコクがあって、人気が出るというのがわかるような独特な風味があった。自分たちのオフィスで数社と複数回に分けて意見交換会を行い15時過ぎにすべての予定が終了した。帰りの便は17時、あまり余裕はないので急いでオフィスを出ようとしたが、最後の打合せを行った協力会社が札幌の駅ビルにオフィスがあるので送ってくれるという。駅から相当離れているのでいつもは時間がかかるのだが、その日はすんなり駅まで送ってもらえ、快速エアポートも2本も早い列車に乗ることができた。新千歳空港に着いてもまだ16時前だった。

私は考え込んでしまった。ラーメン道場はあと1軒「あじさい」という店に入れば全店制覇だ。お腹は空いていないが、あと1杯くらい食べられないこともない。最初に昼夕と連続した時はもたれにもたれて後苦しんだが、だいぶ胃が鍛えられてきたのか、がんばればたぶんいけそうだった。そう遠くないうちにまたここには足を運ぶだろうが、いつになるかまだ予定はたてていない。。。私はふらふら〜っと2Fグルメワールドに向かうエスカレーターに乗りこんでしまった。2Fまで上って道場入口のほうへ歩いて行こうとすると、頭の中にウルトラセブン最終回に唯一登場したセブンの上司が大きく手を開いて現れた。「やめろっ、今度こそ本当に死んでしまうぞ!」まあ、死ぬことはないと思うが、そんな心境だったのである。それでもかまわず変身したモロボシ・ダンと同様、とうとう「あじさい」に足を踏み入れてしまった。朝昼夜と札幌味噌ラーメンを食べ重ね、ラーメン道場は制覇し天を仰いで「老師っ、とうとうボクはやってしまいましたぁ!」3食全てサッポロ味噌ラーメンというのはゲテモノ好きを通り越して狂気のなせる業である。こんなこと続けてるとやばいな・・・

一応、新千歳空港「サッポロラーメン道場」は制覇したので、各店舗の写真と感想を掲載しよう。ってあれれ?!一軒分だけ画像がどこにも残ってないぞ。「王華」という店があったはずなのだが。。。全部残してあったはずなのだが、とりあえずあるだけの画像と感想を掲載しよう。左から順番に

              

1. 一幻
群馬の「じろーくん」から、美味しいと奨められた入口付近にいつも長い行列のできているお店。「えびそば」という独自のメニューが大人気だ。中央にエビの凝縮顆粒のような赤い粒子が乗っていて、強烈なインパクトと香りとコクが充満し、「やみつきになる」というじろーくんの予言にも頷けた。ただし途中で「この香りどこかで・・・?」と思いつくのにそうは時間がかからなかった。浮フカセ釣りで使う「コマセ」である。そう気づくと、ラーメンに乗っている赤い結晶が「オキアミ」に見えてしまい、どうしてもそのイメージをぬぐえずに食べ終えた。
2. 白樺山荘
入口からだと一番奥にあった店。白みそをブレンドしてこだわっているのがよくわかり、アツアツでかなりのボリュームが感じられる。この道場で初めて食べた札幌味噌ラーメンだが、後から出てくる「けやき」と並び、一番好きな味かもしれない。これを食すともう1食どこかでという気にはらないくらい、すごく濃厚でガッツリ麺である。ゆで卵が確か食べ放題というのも魅力的だ。
3. 銀波露
醤油豚骨系が代表らしいが、あくまで味噌ラーメンを所望。スープに出汁の香りが濃く出ているが、それでいてしつこくはなく麺のちぢれ具合も混ざり合ってよい感じがする。ただし「ぱいくぅ麺」(排骨?)のようにゲテモノ系が多いのと、麺の上にどさーっとかけられたゴマがちょっと邪魔化もしれない。
4. 次郎長
濃厚な白みそだがそんなにボリューム感がない、「おやつ感覚」で食べられるラーメンだだった。札幌ラーメンでは珍しく麺が太麺だが量が少し少な目なのかもしれない。空港限定という「北海道スペシャル」という全のせ系メニューがあった。ホタテ、コーン、バター、きくらげがどっかり乗っているが1260円。食べている人を見たことはない。
5. 梅光軒
旭川出身という某マネージャーが絶賛していたという老舗。旭川は醤油ラーメンが代表的らしいが、味噌味も動物、魚介両方の風味があるスープが独特な味わいを出していた。ただ私がどうしても馴染めなかったのが麺で、細くちぢれているのはよいが、歯触りがまるで「まるちゃん正麺」で柔らかい輪ゴムのようにインスタント感がぬぐえなかった。。。

ここまでで半分、結構辛口でそのまま感想を書いてしまったが、どこもラーメン激戦エリアで行列が並ぶ名店揃いだから、それぞれの味は全般的にどっしりと主張が強く、アイディアや工夫が多く見られ印象的だ。第一弾は味噌ラーメンだが、他にも空港限定、ゲテモノ系、醤油・塩系とまだまだ領域を広げられそうだ。では続いて

                  
6. 開高
十勝ホエー豚をふんだんに乗せた「十勝豚麺」が名物らしいが、味噌ラーメンは赤・白選べる他、これといって特徴は感じられない。味噌ラーメン専門店らしいが、特徴を出すためにゲテモノ系に走ってしみあったような気がする。「豚」をウリにしているので、豚骨や魚介、色々煮込んであるスープだと思われる。
7. けやき
「すすきの」にある本店?もいつもすごい行列らしいが、さすがの味、ここが一番好きかなー。スープはごってりと濃厚なわけではないが、すごいコクがでていて色々な食材の旨みがぎゅーっと凝縮された感じ、全体的に正統派王道を行くバランス感がピカイチのメニューだと思った。でも入口から一番奥の方にあるので、いつもそれほど混んではいない。本店の待ち時間を考えると、ここで軽く食べられるのはかなりお得だ。
8. あじさい
白みそとバターの味がするスープは少し甘めのこってり系で次郎長のような「おやつ」感覚だ。ラーメンどんぶりがお茶漬けみたいな形で量も少ないのでそれほど腹に残らない。この店は昆布だしの効いた透き通ったスープに特製ストレート麺を使った塩ラーメンが代表メニューらしい。これを「味菜塩ラーメン」といい、次はこれを試す予定である。
9. 雪あかり
赤味噌を使ったごくごく普通のラーメンのようだった。スープはたぶん鶏がら系だと思うが、他のように複雑に旨味が凝縮されている風でもなく、割とあっさりしていてそれも単純な感じがする。スーパーで売っている「行列のできる店」とかいう生ラーメンのノリだ。ただこの店と「次郎長」だけは朝の9時に到着してしまった時も開店していて、朝ラーができたのはよかった。

あまり食通みたいに慣れない評論はしないものだ。他に海鮮丼、カウンターで一人鍋で食べる「ジンギスカン」、札幌で流行り?ときくスープカレーも早速挑戦してみたが、北関東のゲテモノ群の濃い味に慣れて舌がバカになってしまったのか「なんだこれ?!味がしねえぞ・・・」(早く元に戻さないとまずい?!)
「秘密のケンミンShow」で紹介された?「美唄やきとり」入り蕎麦などもおいしく頂いた。鶏の臓物等を余すことなく使った栄養満点の美唄やきとりで一杯呑み、〆にかけそばを食べる時に余った肉を串から外して丼に入れるスタイルが大流行して、番組で紹介したところさらに人気が沸騰し、とうとう「やきとり入り蕎麦」が昼食の定番メニューになってしまったという。隠れた名物はまだまだありそうだが、限られた時間で中々領域を拡大することができないな。まずはラーメン王国の一部(味噌領域)を制覇したことに続き、他味を一つ一つ試していくことにしよう。

          


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