ようするに「料理教室」である。東京ガスのエコ・クッキングという取組みの中の活動らしい。妻は元々料理が好きらしく、最近食卓にも何やら普段とは異なる製法の料理が出るようになったし、確かに味覚は結構鋭くいっぱしのグルメ気取りの息子となんやかんやと味付け論議している。最近「料理教室」なるものにも顔を出しているようだ。先日、「鶏肉のクリーム煮」のようなものが調理されて出てきたが、実に美味かった。やはり色々と普段とは違う味付けのコツ、秘訣があって結構得るものがあるらしい。
子供が大きくなって時間ができた時に「何か始められるよう」色んなことを嗜んでおくのは悪いことではないし、二人の趣味にもつながる。あわよくば「調理師免許」でも取ってくれれば、仮に私が会社を辞めてしまった時でも次のスタートを切る選択肢が少しはある、なんて勝手に考えていた。
意外だとよく言われるが私は必然的な外でのつきあい以外、食事は部屋で自分で作る。とは言っても週2,3回だから基本は作り置きの恐ろしく貧しいメニューで、この寒い時期は微妙に具を変化させた「ポトフ風」と「豚汁風」ごった煮の2パターンしかない。ご飯にふりかけ、ごま昆布、しらす干しだけの粗食かたまーに肉もやし炒めを加えるくらいだ。夕飯を作る日は概ね、会社帰りにジムに立ち寄る日でもある。「運動によるダイエットはない。食事を改善すべし!21時以降は食べないこと」を各方面で言われてきている私は、帰宅する20時30分頃からほぼ30分で夕食を済ませてしまう。仮に酒を買ってきたり(あんまりないのだが)していても、つまみを食ったりはしないようにしている。毎週必ず何かはある「お酒がついている食事会」での有様を考えると、せめて一人のときはストイックな生活をしていないとブクブクになるのは「ダイエット編」で戒めたとおりである。
元々「味の閾値」が低く、腹が減ったときに満たされれば雰囲気や細かい味などどうでもよいのである。この地方での美食、ゲテモノ色々なものに適度に恵まれている上に週末は家族で結構手広く美味しいものを食べているから、食生活には不満はないし面倒であれば食べずに済ませてしまうこともある。料理教室により一人暮らしの食卓のバラエティにとは思わなかったが、意外と多い「部屋ではまったく調理しない」というわけでもなく、面白そうだったから妻と二人で申し込んだ。ものすごくハマレればウォーキングのように二人の趣味にすることができよう。今では男性の生徒も結構おり、男だけの厨房「男の料理は炎で勝負」などというベタなコースなどもあったが、やる気十分の男連中の中でポツンと見ているよりは、パートナーがいる方がまだ間が持てると思ったのだ。
「最悪、男性はオレだけと思ってた方がいいかもなー」こういう時の予想は実によく当たるものだ・・・午前の部だったが、ずばり女性ばかりしかいなかった。さすがにここに一人で乗り込んだら大変なことになるところだった。。。実はエプロンなど中学の家庭科以来で実に違和感があったのだが、時間になると係の指南役がやってきて説明を始めた。
エコ・クッキングとは食材を余すところなく使いゴミを出さずに最小限のエネルギーで美味しい料理を作るという見事なコンセプトである。食材選びからこの取組みは始まっているようだ・・・
・地元の食材を選ぶ:遠方の食材を使うと輸送や保管などに余分なエネルギーを消費してしまう。
・旬の食材を選ぶ:季節でない野菜などには温度管理など余計なエネルギーが必要だ。
・使える食材は余さず使う:にんじんなどは皮ごと、しいたけなどもできるだけ軸を長く使う
・エネルギー効率のよい調理法:ずばり「ガスを使えということ」
・水、ガスなどを流しっぱなし点けっぱなしにせずにマメに調節する。
エコ検定試験を受けてから我が家でも「地産地消」は限りなく意識している。地元漁港の朝市に行くようになったのもこのためである。(すべからくその方が美味い)
最初に正面のキッチンで係の女性が下準備の要領とその順番を演じて見せた。(オレ、皮むき系は一切できないからねー)ビビッていたが特別な技は必要なく、分量と加熱時間その他注意事項を守れば誰でもできそうなプロセスだった(ように見えた)。「なーんだこれなら理科の実験と同じじゃないか」と
気楽に構えたが、実は何故か学生時代の一般物理学実験では自分のいる班だけが想定通りの結果が出ずに居残りになった苦い記憶が戻ってきた・・・
「このコースはエコ・クッキングということで皆さんのお使いになったガスや水道の量は測定され、生ゴミは所定の紙袋で重さを量らせていただきます。別に競争ではないし、一番でも何も差し上げられないんですが・・・」
うー。。。典型的なパターンだ。。。オレの班、これまでの経験からして間違いなくやばいなー。何故かそういうところ弱いんだよなあ。
まず先生はいきなり「デザート」の下ごしらえから始めた。要は「白玉」を作る要領らしい。「強力粉をですね。少しずつダマにならないように溶いていって・・・これを薄ーく油を引いたフライパンに少しずつ流し込み、160度でピピットコンロで5分セットします。あとは放っておいて大丈夫。。。。」
ふーん。焼き具合とか温度(なんてわからないけど)とか見ていなくてよいのか?ピピットコンロってすごいんだなー。(って、ここが宣伝か?!)
よく聞くとこれは柚香餅という、ただのオマケメニューらしい。。。柚の皮を刻んだモノを半分ずつ丁寧に混ぜて・・・白餡を塗ってくるくる巻いていきます。なんだ簡単じゃねえか。ボクたった一人の男子だからこの簡単そうな係にさせてもらおう。やばそうなヤツは現役の主婦様にお任せしてっと。。。
次に白身魚が登場した。大きな切り身だが鯛のようである。ヘタに触ってメインを台無しにしてはいけないから、ここは注意しておいたが下準備として塩を振っただけだった。あとはかぶら蒸し用の蕪の摩り下ろし、これも簡単そうだから手を出す候補としておこう。女性インストラクターはどんどん下準備を進めて行く。エビを洗って背ワタを丁寧にとり、しめじを裂いて、しいたけの軸を切り、にんじんを皮ごと千切りにユリ根の洗い・・・一人でスラスラ進めて行く(当たり前か!)のを見ているだけだったが、それにしても準備だけでずいぶん色んなことやるんだな。隣りでメモを取っている妻に
「ねえねえ、これってまだ準備段階なんだろ?これから本番だってのにあんなにたくさん色んなもの時間内に作れるのか?}「うーん。確かにいつもより品数が多いかもしれない」足手まといにならないように隅で見ていたほうがいいかも。。。
我が班のキッチンスタジアムには既に食材がちゃんと用意されていた。「手をきちんと洗ってから始めてくださいねー」私はもちろん一番後ろに並んで大人しく食器洗い役でもしていようと思っていた。
ところがである。歴戦の主婦たち(のように見えたんだが)は我先に「最も簡単そう」な作業に飛びついたのだ。蕪の摩り下ろしと白玉を練り上げ、食べるのは日本人と中国人だけというユリ根をさっさと洗い出した。「えっ?えぇーっ?」私に残された作業は「にんじんの千切り、シメジを裂いて下敷きにしたうえに酒、塩を分量振ったささみを乗せてアルミホイルに包み、さらに軸を取ったしいたけを横に添えてピピットコンロ備え付けオーブンで4分焼いてしいたけだけ取り出し、アルミホイルはさらに残り6分焼く」という極めてテクニカルなミッションであった。洗いものをする妻に苦情のひとつも言いたくなったものだ。「おいおい、オレに重大な任務させんなよ・・・」
その後、一旦机に戻って指導係は本格調理を魔術のような手際であっと言う間に仕上げた。。。「なあ、絶対あんな手際じゃーできねえべ」「そうかも・・・」と小声で話し合った。
まずガレットのように薄く焼きあがった白玉粉に白餡を混ぜてくるくる巻きにし、輪切りにしてデザートを完了、手早く鯛の切り身の塩をふき取って分量の酒と塩で味付けした上に摩り下ろした蕪を載せて下に昆布を敷き中華風蒸篭の一段目に並べる。小松菜は醤油で洗い、手早く切って剥いたエビ、シメジ、卵の黄身とともに二段目の蒸篭に・・・(この調理では煮るのではなく蒸すらしい)一番下の中華鍋をぐらぐら煮立たせ、二段の蒸篭を置いて蒸し始めた。同じテーブルの主婦たちも小声で「あんな立派な蒸篭って普通、家にはないよねえ・・・」
蒸しあがった小松菜で胡麻和えを完成させ、えびとしめじを切り身に載せてさらに蒸し上げた。またピピットコンロに専用テーブルがある炊飯器に調味料を加えてセットした。
だし汁に調味料を加えてとろみをつけ蒸しあがったかぶら蒸しのまわりにそのつゆを張って完成、最後は炊き上がったご飯に水菜を混ぜ込んで蒸し上がった黄身をほぐして載せてすべてできあがり・・・
助手がめまぐるしくサポートしていたが、ここまでわずか30分足らずだ。これは横で眺めている場合じゃーない。ぐずぐずしていると家庭科の調理実習のように「他の班が食べ始めているのに自分達だけ悪戦苦闘」という屈辱の場面を迎えてしまう。。。「では、先ほどのキッチンに戻って始めてください」
私は一目散に先ほど自分で製作したホイル焼きに向かった。蒸し上げた小松菜を加えてこれは「胡麻和え」に化けるのである。小松菜を切ってホイルのささみを細かく裂き、しいたけを千切りにして最後にごまを振りかけて完成。
先ほど簡単な作業ばかりに走っていた主婦達も「手っ取り早くやらなければ終わらない」と気が付いたらしく、きびきびと動き回っていた。どうやら私は「洗いモノ係」に専念できそうだ。
さすがに指導係の手際は「料理の鉄人」ばりに鮮やかだったので、主婦達の間でも「あれ忘れた」「これどうすんだっけ?」などという会話が混じり始めた。かぶら蒸しのつゆを作成していた人はとろみをつけたところで指導係に「調味料入れましたか〜」と言われ真っ青になっていた。
他に比べて我が班は少しだけ進捗が悪いらしい。(蒸し時間を延長したせいだろうか?)
やばし!このままでは「家庭科実習のダメな班」になってしまう・・・主婦達は鬼のような連携作業で「洗い物」を始めた。すべての片付けが完了して「食事開始」だからである。私と妻は器に盛ってテーブルへ運ぶ係となった。
私も慌てていたので、かぶら蒸しのしめじを手掴みで載せてしまい妻に窘められた。「箸よ、箸使って!この皿、アナタのだからね」
そんなこんなのドタバタ劇でようやく全てが終了し、食事会となった。どの人も一口食した瞬間「美味しい!」と小さな歓声を上げていた。確かに実に上品な味だった。これは食卓と言うよりも料亭の味に近い・・・「今回の調理にほとんど『醤油』って使ってないよなー」酒と塩だけで後は素材の味が見事に活かされている感じだ。何を作っても醤油と胡麻油で同じ味にしてしまう、一人暮らしの炊事とは大きな違いだ。(実はかぶら蒸しなんかは思わずドバーっと醤油をかけたくなったのだが)
食べながら聞いていたが、我が班は終了こそ遅かったものの、使用した水量、燃料ともに省エネでトップ!大きな拍手をいただいた。(実はこれを意識して私の「洗い物」はあんまり真面目に水で流してないのだよ・・・)
中々面白かったが、やはり男子一人だけというのは気遅れがするし何か疲れる。。。次回は湘南オリジナル「鯵の三枚下ろしに挑戦」だったが迷っているうちに満員になっちゃった・・・・まあ、魚は一応下ろせるからなー(ロスは多いけど)
「自家製干物」のコースが出たら、ぬかりなく申し込むとしよう。ちなみに我が班はB班です。
子供が大きくなって時間ができた時に「何か始められるよう」色んなことを嗜んでおくのは悪いことではないし、二人の趣味にもつながる。あわよくば「調理師免許」でも取ってくれれば、仮に私が会社を辞めてしまった時でも次のスタートを切る選択肢が少しはある、なんて勝手に考えていた。
意外だとよく言われるが私は必然的な外でのつきあい以外、食事は部屋で自分で作る。とは言っても週2,3回だから基本は作り置きの恐ろしく貧しいメニューで、この寒い時期は微妙に具を変化させた「ポトフ風」と「豚汁風」ごった煮の2パターンしかない。ご飯にふりかけ、ごま昆布、しらす干しだけの粗食かたまーに肉もやし炒めを加えるくらいだ。夕飯を作る日は概ね、会社帰りにジムに立ち寄る日でもある。「運動によるダイエットはない。食事を改善すべし!21時以降は食べないこと」を各方面で言われてきている私は、帰宅する20時30分頃からほぼ30分で夕食を済ませてしまう。仮に酒を買ってきたり(あんまりないのだが)していても、つまみを食ったりはしないようにしている。毎週必ず何かはある「お酒がついている食事会」での有様を考えると、せめて一人のときはストイックな生活をしていないとブクブクになるのは「ダイエット編」で戒めたとおりである。
元々「味の閾値」が低く、腹が減ったときに満たされれば雰囲気や細かい味などどうでもよいのである。この地方での美食、ゲテモノ色々なものに適度に恵まれている上に週末は家族で結構手広く美味しいものを食べているから、食生活には不満はないし面倒であれば食べずに済ませてしまうこともある。料理教室により一人暮らしの食卓のバラエティにとは思わなかったが、意外と多い「部屋ではまったく調理しない」というわけでもなく、面白そうだったから妻と二人で申し込んだ。ものすごくハマレればウォーキングのように二人の趣味にすることができよう。今では男性の生徒も結構おり、男だけの厨房「男の料理は炎で勝負」などというベタなコースなどもあったが、やる気十分の男連中の中でポツンと見ているよりは、パートナーがいる方がまだ間が持てると思ったのだ。
「最悪、男性はオレだけと思ってた方がいいかもなー」こういう時の予想は実によく当たるものだ・・・午前の部だったが、ずばり女性ばかりしかいなかった。さすがにここに一人で乗り込んだら大変なことになるところだった。。。実はエプロンなど中学の家庭科以来で実に違和感があったのだが、時間になると係の指南役がやってきて説明を始めた。
エコ・クッキングとは食材を余すところなく使いゴミを出さずに最小限のエネルギーで美味しい料理を作るという見事なコンセプトである。食材選びからこの取組みは始まっているようだ・・・
・地元の食材を選ぶ:遠方の食材を使うと輸送や保管などに余分なエネルギーを消費してしまう。
・旬の食材を選ぶ:季節でない野菜などには温度管理など余計なエネルギーが必要だ。
・使える食材は余さず使う:にんじんなどは皮ごと、しいたけなどもできるだけ軸を長く使う
・エネルギー効率のよい調理法:ずばり「ガスを使えということ」
・水、ガスなどを流しっぱなし点けっぱなしにせずにマメに調節する。
エコ検定試験を受けてから我が家でも「地産地消」は限りなく意識している。地元漁港の朝市に行くようになったのもこのためである。(すべからくその方が美味い)
最初に正面のキッチンで係の女性が下準備の要領とその順番を演じて見せた。(オレ、皮むき系は一切できないからねー)ビビッていたが特別な技は必要なく、分量と加熱時間その他注意事項を守れば誰でもできそうなプロセスだった(ように見えた)。「なーんだこれなら理科の実験と同じじゃないか」と
気楽に構えたが、実は何故か学生時代の一般物理学実験では自分のいる班だけが想定通りの結果が出ずに居残りになった苦い記憶が戻ってきた・・・
「このコースはエコ・クッキングということで皆さんのお使いになったガスや水道の量は測定され、生ゴミは所定の紙袋で重さを量らせていただきます。別に競争ではないし、一番でも何も差し上げられないんですが・・・」
うー。。。典型的なパターンだ。。。オレの班、これまでの経験からして間違いなくやばいなー。何故かそういうところ弱いんだよなあ。
まず先生はいきなり「デザート」の下ごしらえから始めた。要は「白玉」を作る要領らしい。「強力粉をですね。少しずつダマにならないように溶いていって・・・これを薄ーく油を引いたフライパンに少しずつ流し込み、160度でピピットコンロで5分セットします。あとは放っておいて大丈夫。。。。」
ふーん。焼き具合とか温度(なんてわからないけど)とか見ていなくてよいのか?ピピットコンロってすごいんだなー。(って、ここが宣伝か?!)
よく聞くとこれは柚香餅という、ただのオマケメニューらしい。。。柚の皮を刻んだモノを半分ずつ丁寧に混ぜて・・・白餡を塗ってくるくる巻いていきます。なんだ簡単じゃねえか。ボクたった一人の男子だからこの簡単そうな係にさせてもらおう。やばそうなヤツは現役の主婦様にお任せしてっと。。。
次に白身魚が登場した。大きな切り身だが鯛のようである。ヘタに触ってメインを台無しにしてはいけないから、ここは注意しておいたが下準備として塩を振っただけだった。あとはかぶら蒸し用の蕪の摩り下ろし、これも簡単そうだから手を出す候補としておこう。女性インストラクターはどんどん下準備を進めて行く。エビを洗って背ワタを丁寧にとり、しめじを裂いて、しいたけの軸を切り、にんじんを皮ごと千切りにユリ根の洗い・・・一人でスラスラ進めて行く(当たり前か!)のを見ているだけだったが、それにしても準備だけでずいぶん色んなことやるんだな。隣りでメモを取っている妻に
「ねえねえ、これってまだ準備段階なんだろ?これから本番だってのにあんなにたくさん色んなもの時間内に作れるのか?}「うーん。確かにいつもより品数が多いかもしれない」足手まといにならないように隅で見ていたほうがいいかも。。。
我が班のキッチンスタジアムには既に食材がちゃんと用意されていた。「手をきちんと洗ってから始めてくださいねー」私はもちろん一番後ろに並んで大人しく食器洗い役でもしていようと思っていた。
ところがである。歴戦の主婦たち(のように見えたんだが)は我先に「最も簡単そう」な作業に飛びついたのだ。蕪の摩り下ろしと白玉を練り上げ、食べるのは日本人と中国人だけというユリ根をさっさと洗い出した。「えっ?えぇーっ?」私に残された作業は「にんじんの千切り、シメジを裂いて下敷きにしたうえに酒、塩を分量振ったささみを乗せてアルミホイルに包み、さらに軸を取ったしいたけを横に添えてピピットコンロ備え付けオーブンで4分焼いてしいたけだけ取り出し、アルミホイルはさらに残り6分焼く」という極めてテクニカルなミッションであった。洗いものをする妻に苦情のひとつも言いたくなったものだ。「おいおい、オレに重大な任務させんなよ・・・」
その後、一旦机に戻って指導係は本格調理を魔術のような手際であっと言う間に仕上げた。。。「なあ、絶対あんな手際じゃーできねえべ」「そうかも・・・」と小声で話し合った。
まずガレットのように薄く焼きあがった白玉粉に白餡を混ぜてくるくる巻きにし、輪切りにしてデザートを完了、手早く鯛の切り身の塩をふき取って分量の酒と塩で味付けした上に摩り下ろした蕪を載せて下に昆布を敷き中華風蒸篭の一段目に並べる。小松菜は醤油で洗い、手早く切って剥いたエビ、シメジ、卵の黄身とともに二段目の蒸篭に・・・(この調理では煮るのではなく蒸すらしい)一番下の中華鍋をぐらぐら煮立たせ、二段の蒸篭を置いて蒸し始めた。同じテーブルの主婦たちも小声で「あんな立派な蒸篭って普通、家にはないよねえ・・・」
蒸しあがった小松菜で胡麻和えを完成させ、えびとしめじを切り身に載せてさらに蒸し上げた。またピピットコンロに専用テーブルがある炊飯器に調味料を加えてセットした。
だし汁に調味料を加えてとろみをつけ蒸しあがったかぶら蒸しのまわりにそのつゆを張って完成、最後は炊き上がったご飯に水菜を混ぜ込んで蒸し上がった黄身をほぐして載せてすべてできあがり・・・
助手がめまぐるしくサポートしていたが、ここまでわずか30分足らずだ。これは横で眺めている場合じゃーない。ぐずぐずしていると家庭科の調理実習のように「他の班が食べ始めているのに自分達だけ悪戦苦闘」という屈辱の場面を迎えてしまう。。。「では、先ほどのキッチンに戻って始めてください」
私は一目散に先ほど自分で製作したホイル焼きに向かった。蒸し上げた小松菜を加えてこれは「胡麻和え」に化けるのである。小松菜を切ってホイルのささみを細かく裂き、しいたけを千切りにして最後にごまを振りかけて完成。
先ほど簡単な作業ばかりに走っていた主婦達も「手っ取り早くやらなければ終わらない」と気が付いたらしく、きびきびと動き回っていた。どうやら私は「洗いモノ係」に専念できそうだ。
さすがに指導係の手際は「料理の鉄人」ばりに鮮やかだったので、主婦達の間でも「あれ忘れた」「これどうすんだっけ?」などという会話が混じり始めた。かぶら蒸しのつゆを作成していた人はとろみをつけたところで指導係に「調味料入れましたか〜」と言われ真っ青になっていた。
他に比べて我が班は少しだけ進捗が悪いらしい。(蒸し時間を延長したせいだろうか?)
やばし!このままでは「家庭科実習のダメな班」になってしまう・・・主婦達は鬼のような連携作業で「洗い物」を始めた。すべての片付けが完了して「食事開始」だからである。私と妻は器に盛ってテーブルへ運ぶ係となった。
私も慌てていたので、かぶら蒸しのしめじを手掴みで載せてしまい妻に窘められた。「箸よ、箸使って!この皿、アナタのだからね」
そんなこんなのドタバタ劇でようやく全てが終了し、食事会となった。どの人も一口食した瞬間「美味しい!」と小さな歓声を上げていた。確かに実に上品な味だった。これは食卓と言うよりも料亭の味に近い・・・「今回の調理にほとんど『醤油』って使ってないよなー」酒と塩だけで後は素材の味が見事に活かされている感じだ。何を作っても醤油と胡麻油で同じ味にしてしまう、一人暮らしの炊事とは大きな違いだ。(実はかぶら蒸しなんかは思わずドバーっと醤油をかけたくなったのだが)
食べながら聞いていたが、我が班は終了こそ遅かったものの、使用した水量、燃料ともに省エネでトップ!大きな拍手をいただいた。(実はこれを意識して私の「洗い物」はあんまり真面目に水で流してないのだよ・・・)
中々面白かったが、やはり男子一人だけというのは気遅れがするし何か疲れる。。。次回は湘南オリジナル「鯵の三枚下ろしに挑戦」だったが迷っているうちに満員になっちゃった・・・・まあ、魚は一応下ろせるからなー(ロスは多いけど)
「自家製干物」のコースが出たら、ぬかりなく申し込むとしよう。ちなみに我が班はB班です。
今は、定年を境に厨房は旦那さまの持ち場となるご家庭も多いいって聞きますよね。
本来、調理人は男の方の多いですから。
寿司職人は女の人は体温が高いから向かないとか言われてましたが、進出してますしね。
ケーキ作りのシャカシャカ泡立てなんてストレス解消にいいですよ。
今日はひな祭り、娘のリクエストで夜中にティラミス作りました(笑)
あっ、わたくし調理師免許持ちでございますですハイッ。
中々楽しかったですー。わかりにくくてすません、デザートの簡単そうな作業はぐずぐずしてるうちに他の主婦さんに取られてしまったんです・・・
お菓子作りってホントに分量をきちんと計らないとダメなんですってねー。ボクはロジカルというよりはラジカルな理系だったんですよー。
部屋で何を作っても分量など計ったことありません。。。
実はお菓子作り教室ないかなーと探しているんです。そのときはまたレポートします。
キッチンに抵抗はないのですが、エプロンはちょっとねー。。。
東京ガスの「定年のお父さんが娘と一緒に妻のために食事を作る編」泣けます。
個人的には素手で握る寿司は女性にお願いしたいところです。
すげー、ティラミスって家庭でも作れるものなんですか。
なんと調理師免許お持ちとは!以前何かの認定を取りに行かれたと伺いましたが、お仕事に活かされてるんですね。
一時期、資格オタになったと言うか…趣味が高じてなんとなく的な、、、例えば、携帯電話の普及した今ではよほどのマニアでもない限りしていないアマチュア無線とかそんな稼ぎに繋がらない資格を多少持ってます。(笑)
エプロン抵抗があるなら割烹着ってどうですか
白いYシャツに黒の前掛けとかイケてますがシャツは汚れちゃいますね(笑)、帆布で出来た職人さん風前掛けなんてもありますよ。
まずは形から…。
ふーむ。これはご謙遜を・・・
何かを本格的に行うのに趣味が高じて、というのが一番理想的だと思います。
私も脳が風化しないように年にい何度か仕事に関係する資格の試験を受けるようにしています。
か、割烹着ですか?!あの締める所が前と後ろ逆になっている、給食の時に使ったヤツ?!
職人さん前掛けならカッコ良さそうですねー。
必殺仕事人の三田村邦彦を思い出しました。
磯野家のフネさんがしている割烹着
私ら、ノロとか0157とか感染症が出たときします(笑)
おーっ、あの着物の上に着ている長いヤツですね。おフネさんって前の皇后陛下と同じで「昭和のお母さん」ですねえ。
料理をされるのに最も恐ろしいのは感染症なんでしょうね。キッチンランドでもかなり厳しく「手を洗わされ」ました。
資格オタと言ってもそれだけ向学心旺盛ということですよ。実は私も「宅建」って興味を持ったことがあります。この歳になると分野以外の知らない言葉だらけの教科書を見るとアレルギーがおきます(笑)。
微妙に仕事に関係するエコ、セキュリティ、個人情報保護あたりで地味に勉強しています。