超兵器磯辺2号

幻の超兵器2号。。。
磯辺氏の文才を惜しむ声に応えてコンパクトに再登場。
ウルトラな日々がまたここに綴られる。

ドックレジャー化計画(前編)

2014-08-09 08:48:05 | 出来事
今年で10回目くらいになろうか。。。特に話題があるわけでもないが、今や「人間ドック」と言ったらウルフェスと並び私の「夏の風物詩」として、なくては夏を語れない年中行事なのである。初期の頃こそ色々とやらかしたが、もうベテラン(常連)の領域に入っており、プログラムや終了時間の目安、早目に終わるコツなどすべて頭にインプットされている。残念ながら費用削減のためか、ここ数年で何やかやとメニューが端折られてきており、血圧計を使った精密な体力診断や運動指導(私には無用?!)、歯科検診は姿を消し、未だ発見されたことはないがピロリ菌検査などもオプション化されてしまった。しかし「後ろから前から」の内視鏡検査を初めとして、CTやエコー他検査項目はまだまだ多彩で、しかも温泉大浴場に○○御膳のような食事付きとくるので、企業の福利厚生としては贅を極めていると言える。ただ1回に80名近くの受検者がいるものの、要領よくこなすと割と早目に検査が終了してしまい、入浴はすぐにできるものの食事までの長―い時間は全くやることがなく退屈の嫌いな私には苦痛だった。

周囲に全く何もない最寄の駅からは無料の送迎バスが出ているが、病院の周辺にも多少の飲食店以外にはほとんと何もない。最近は近所にできたスーパー銭湯までシャトルバスを出しているようだ。健診終了時間のちょっと後にピックアップして銭湯で1時間半くらいすると迎えに来てくれる。ドックNOの入ったカードを受付で見せると割引にしてくれるほど手が混んでいる。これまで足を踏み入れたことのない裏口の方面だから、一度だけ試しに行ってみたことがある。珍しいものでも見られるかと散歩がてら歩いてみたが、距離は大したことないものの、単なる田舎で何があるわけでもなかった。2階の展望風呂は正面に富士山が見える中々の景色だが、いつも行く竜泉寺に比べると若干貧弱な施設だ。元々病院にが温泉大浴場があるのに、わざわざ足を伸ばすほどでもないと思え、訪れたのは1回こっきりとなった。

昨年初めて、周辺にゴルフのショートコース&練習場があることを発見し、早速検査終了後に行ってみることにした。ただ電車とバスで病院まで来ているために移動の手段がない。距離は約2.5km、途中までは駅と同じ方角だが、無料の送迎バスに乗ってしまうと駅まで直通になってしまいほとんど距離を稼げない。タクシーで行くほど贅沢する気にならなかった私は持参した運動着に着替え、そのまま歩いて行ってみることにした。真夏の炎天下の15時過ぎに歩くこと約25分、持って行ったペットボトルの水を空にし、2時間たっぷりスイングしたあげく汗びっしょりになってまた25分歩いたところで頭がぼーっとしてきた。これは熱中症か?!人間ドックの宿泊中に外出して運ばれるなど全く洒落にならぬ。。。急いで大浴場に駆けこんで汗を流すとともに十分水風呂で身体を冷やし、かろうじて復活したのである。

今年はこれら10回にもわたる経験を活かし、初めて「赤いライオン号」で伊豆にある病院に行ってみることにした。西湘バイパスから箱根新道を峠に向かうルートは走ったことがあるが、芦ノ湖よりも向こう側は未知の世界である。すごい山道を延々と走るイメージを持っていたが地図で見ると意外にすぐに三島市になって1号線を走ればそう遠くないようだ。朝なので時間が計算しにくいが、いくら早くてもどうということはない。ネットのルート案内よりもかなり余裕を見て、なおかつさらに早く出発した。自家用車だから列車では持っていけないものをたくさん積み込むことができる。私は翌日のスケジュールも計算し思い付く限りの時間つぶしアイテムを車内に持ち込んだ。家に置いて行ったのはサーフボードくらいのものだ。名付けて「ドックレジャー化計画」である。

さて1日目の朝、いつもの通り5時台に目を覚ました私は「こんな早くに出るの?」という顔をした妻を尻目に赤いライオン号を出動させた。ドック初日の朝は糖負荷検査のため、水とお茶以外は口にしてはいけないから、起きて家にいても仕方がないのだ。通勤時間帯と夏休みで134号線は早くも車で混み合ってきており、風も結構強くなっていた。ナビゲータをセットしておいたが、道は途中までずーっと1本道で間違うわけもない。私は新湘南バイパス出口の合流点で突如ハンドルを右に切った。スーパー銭湯「竜泉寺」に立ち寄るためである。そう・・・早く出たのは高濃度炭酸泉で血管を拡張させ血圧を下げるためだった。私にとってこの銭湯は体調を整える万能の湯で、ドック検査の前に万全を期すつもりだった。(こういう発想あまりしないかも)

40分ほどリラックスして竜泉寺を出たら今度は本当に西湘バイパスを西に疾走し、箱根新道から峠の山道に向かったのだ。ここで完全にレジャー化していた赤いライオン号に搭載していたのは、ゴルフバック、超兵器ポラリエ1号&203号セット、ここまでは計画済みだがゲリラで行く機会があった時のためにサーフパンツそしてまさかの波止釣り用ロッド&リールである。2.5km先のゴルフ練習場には小さなショートコースが併設されており、健診終了後、夕食時間までに打ちっ放した後にさーっとラウンドする予定で、超兵器ポラリエ1号で星野撮影、翌日検査終了後は熱函道路で熱海にでてあわよくば海水浴に行くつもりだった。もう完全な夏休みのレジャー満載でそのスタイルだけからは何しに行くのか誰にも分からない状態だった。

予報では山沿いの天気は不安定らしいと聞いていたが、ちょうど箱根峠を越えて下り坂にさしかかった頃にいきなりまさかの土砂降り・・・Vの字になった道路の低い場所では冠水するんじゃないかと思われるくらいに猛烈な大雨となった。その後は得体の知れない濃い霧に包まれ、慣れないカーブ続きの山道を恐る恐る運転する羽目となった。いくら不安定といってもここまで激変するか?!(こんな天気じゃあ、ゴルフも天体撮影も無理だなー。何かバチでも当たったのかな・・・)まだ朝のうちなのにそんなことを考えてハンドルを握っていた。三島の街に降りるといつの間にか雲の切れ間ができ、到着するころには「うそ」のように晴れ渡っていたのだ。(何だったんだ?)

毎年若干ながら健診の細かいプログラムが変わる。今回は受付終了後いきなり「採血」だった。10人くらい並んだBOXで看護師に手際よく採血されていく。私を担当したのは自分にとってはお馴染みの小柄な人だった。何せ初めて受検した時から色々と担当されているからもうベテランのはずである。向こうは覚えていないだろうが、腸管洗浄剤用冷蔵庫でワインを冷やしていたのを翌日のオリエンテーションで「6●番さん、あなたでしょう?」とずばり見抜かれたのである。前夜の飲食についてつまみの種類などをやたら詳しく聞いたのと、翌朝多少赤い顔をしていたので推察したらしい。(うーむ、恐るべし・・・)
「おはようございます」とにこやかに挨拶して針先からは目を背けたが「んっ?全然痛くねえ!素晴らしい腕だ・・・」素直に感嘆すると彼女は「ははは。これはねえ、採る人と採られる人の相性があるんですよ。運が良かったんですねえ」とからから笑っていた。

オリエンテーション後、糖負荷検査のために角砂糖30個分の恐るべきサイダーを飲んで1時間、再び採血の時間となった。健診センターで列に並んでいると10人もいるのに不思議に同じ人に当たった。「おーっ、さっきも採ってもらったんですよ。」と腕を差し出てやはり針先から目を背けた。「おーっ、やっぱり痛くねえ、さすがー!」「だから相性と運なんですって・・・」でも私の絶賛に今度は彼女も満更ではなかったようだ。するすると要領よく検査を済ませ、終わったのは15時前。。。検査着を着替えて外出の準備を済ませ部屋の鍵を受け取るとさっさと駐車場に向かった。35℃にもなろうかという暑さの中でこんなところ30分近く歩いたら確かにやばかった。。。練習場まではわずか5分、最初に1時間半くらい打ちっ放しで身体をほぐしショートコースに乗り込んだ。平日のクソ暑い昼間だし回っている人はほとんどおらず、料金を支払ったら自由に回ってくれ、ということだった。全部で7ホール、トータルで270ヤードあまりの「ショート」というには「ミニ」に近いコースだった。このクラブはアプローチショットやパター練習場、シミュレーションゴルフも完備しており、ゴルフ好きなら1日中いても飽きないところだ。

    

たっぷり汗をかき、時間ぎりぎりまで黙々とクラブを振り続けた。今月末に図らずも社内の「年次対抗ゴルフ大会」とやらに人数合わせで出場することになってしまい、足を引っ張らないように練習が必要だった私にはよい機会だった(あまり意味がないのは承知の上だったが)。仲間うちならともかくゴルフ大会というものは、大勢の出場者がくじ引きでグループを決めるので普段からあまり知らない人とコースを回ることになり、初級者は必要以上にプレッシャーを感じ気を使うものである。ゴルフを通じてコミュニケーションを深めると言うのは笑止だが、日本固有の文化も馬鹿にできない効果も確かにあるのだ。一瞬、ホントに何しにきたのか忘れてしまうようだったが、こうしてドックレジャー化1日目は無事にミッションクリアとなる。(つづく)


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2 コメント

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Unknown (小夏)
2014-08-12 23:51:51
そうでした、師匠の検診、夏でしたね^^
東から三島へ向かって下りていく道は思った以上に怖い思い出がありますがいかがだったでしょうか

遊び道具、各種積んじゃいましたねー!だけど、まさかの釣り道具搭載@@!禁止だったはず、、ですよね?
竜泉寺血圧降下作戦は成功したかしら。。結果はまだなのですよね。(真似する準備満々デス 笑)

ゴルフの練習場の緑が気持ちいいですね!気分転換にもってこいですね
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Unknown (磯辺太郎)
2014-08-13 07:02:07
小夏さま

こんにちは。最近は休みのどさくさにいつも夏のドックとなっています。
やはり・・・初めて走りましたが、下りのヘアピンカーブにゲリラ豪雨。。。かなり怖かったです。
どうもあらん限りのレジャー道具を搭載しましたが、役に立ったのはゴルフバッグだけでした。
釣り道具はねえ・・・コマセを使う方式以外はOKなのですよ。

竜泉寺血圧降下作戦はとりあえず、効果ありましたー!(すぐに結果見えました・・・)
これから毎年、この練習場行くことになりそうです。
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