超兵器磯辺2号

幻の超兵器2号。。。
磯辺氏の文才を惜しむ声に応えてコンパクトに再登場。
ウルトラな日々がまたここに綴られる。

大雨の数日

2015-09-11 23:18:28 | 出来事
数日前、日本列島は2つの台風とそれに刺激された前線、流れ込んだ湿った空気によって、大変な大雨になり各地で被害が出てしまっている。昨日からニュースでは今まで見たこともない市街地の被害が放映されており、心配なことである。我が家の場合、通勤通学時間帯に大雨が降ったりすると、妻が比較的長距離通学の息子を駅まで自家用車で送ってやる。私は駅までのバスなど交通機関が混乱するのを避けるため、敢えて雨合羽でポインター号を出動する。その方が時間が確実だし、カサさし運転で自転車などかえって危険だからである。気の毒なのは妻の仕事がある時で、送迎もバイクもないから大雨の中、歩いて駅まで行くことになる。駅まで到達しても大抵通勤列車は混乱しており、場合によっては改札外までも人が溢れている時もある。湘南新宿ラインは色々な列車のルートを継いでいくらしいので元々トラブルに弱かったが、東海道線も上野新宿ラインとなって高崎、宇都宮線と連結してから、その長距離区間のどこで何があっても影響を受けて年中遅れるようになってしまった。

私はこれまでの通勤が比較的遠距離であることが多かったからか、こと出社に関しては「自他ともに」あきらめが早い。少なくとも駅まで行って改札に入れないと折り返して家に帰ってしまう。オフィスでも首都圏の列車がかなり混乱しているようだと「あの人は来れないな」と思われているらしい。実は首都圏の外れの最寄駅でも何やかんやと代替手段、振替路線があって、遠いだけに様々に組み合わせると何とか職場まで辿り着けてしまうものなのである。日本人とは何と勤勉な人種なのか、こういう時思うが遅れてくる列車をひたすら列に並んで待ち続ける人、別のルートを求めて流を逆行する人、振替券や遅延証明をもらうために駅員を十重二十重に取り巻く人などでますますコンコースはごった返していく。いかにも勤務に不熱心なようだが、経験的にこういう時は力技で通勤しようとせずに家でコーヒーでも飲みながらニュースを見て正常に戻ったら再び出ても、到着時間は大して変わらないものだ。(正直、面倒くさくなって、そのまま休んでしまったことはある・・・)

昨日は朝のニュースで交通機関の混乱や災害対処を散々呼びかけていたが、幸いホームライナーは少しの遅れで平常通りであり、午後から外出した際にかなり強い雨が降っていたが、出先に到着する頃は雨が上がり見事な虹が空に掛かっていた。かと思えば、再び空は真っ暗となり大粒の雨が強い勢いで降ってきたり・・・台風そのものが接近している場合は「荒れ狂う嵐の過ぎ去る」のをひたすらじっと待つばかりだが、今回は天気が目まぐるしく変化するので予測できない。ニュースを見ていると各地で大きな被害が発生しているようで、その後もまだまだ警戒が必要といういことだったので、早目に帰路についた。その日は昼間無人となっていたはずの我が家に何か被害はなかったか、真っ直ぐ帰宅するつもりだったのだが、多少の列車遅れで駅に着いてみると風もなくうそのように穏やかだったので、ついふらふら〜っといつものスポーツジムに立ち寄ったしまった。ただでさえ運動強度の高いエアロビ系のプログラムにはいつもの半分くらいの人しか参加しておらず、インストラクターは「私も帰れるか心配ですけど・・・こんな日に来てくださってうれしいです!!」と笑いながら「いつもより余計に回っております!」の「そめたろう」師匠のノリでぴったり私の真横に張り付き、苦笑と共に涙目にさせられた。

その後「ジョーバ」に乗りながら正面のモニター画面を見ていたら、台風報道番組内にテロップで列車の運行状況や警戒警報、冠水等避難状況が刻々と流れていた。首都圏の列車や各地の洪水警報などをぼーっと見ていたら、「神奈川県小田原市山王川が『避難判断水位』に到達」というテロップが見えた。「(小田原かぁー、そお遠くないな)」その次に「神奈川県平塚市相模川が『避難判断水位』に到達」という文字が飛び込んだ。「(えっ?あのでかい川が?こりゃー、ちょっとやばいかも・・・)」はるか上流で整流用テトラを飛び石に飛んで渡った経験から何となく危機感を覚えた。川の場合、自分がいる周辺は穏やかでも上流で大雨が降ったりすると突如水量が増えることがよくあるからである。さらに次に出たテロップが何と我が家の真横を流れる川(通称「うな吉川」)だったのである!これに鎌倉市の神戸川を加えた河川が「避難判断水位」に到達したと繰り返し伝えられていた。おいおい、もしかしてやばいのか?こんなところでジョーバなんか乗ってる場合じゃないかもしれない。慌てて風呂に入り帰路に付くと外はまたしても強い雨である。

滅多に本格的な水害など遭遇したことはないが、実は今の湘南T−SITEと線路の間のエリアは海抜が低いのかかなりの広さで冠水したことがある。線路向こうの湘南MALL帰りに踏み切りから直線コースをとろうとしてこお冠水ゾーンにはまってしまい、幼い甘辛を助手席に乗せて右往左往したのは苦い記憶だ。また私の母校付近の小田急線ガード下は明らかに地面が低くなっている冠水危険ゾーンで、乗っていた路線バスが無理やり通ろうとして立ち往生してしまった。「お客様の安全のため」とアナウンスでバスを下された時に水位は膝上くらいまできていた。さらに我が家から幅の大きな道路を隔てた「うな吉川」沿いにある甘辛のお友達の家はこれまで何度か床下ぎりぎりまで水がきたことがあり、家屋周辺には常に土嚢が用意され(災害用か娯楽用か分からぬが)大きなカヌーまでガレージに置いてあった。川の氾濫による冠水ではなく、少し傾斜のある反対側の我が家側から流れてきた水が溜まるものでちょっと心が傷んだものだ。しかし市役所に掛け合って川につながる大型の排水溝を建設してもらってから、うそのように水は溜まらなくなった。

しかし今回は「避難判断水位」というからには、その川自体が氾濫する恐れがあるということだろう。もしそうなったら我が家も無事ではない可能性が高い。自動車が立ち往生又は水没してしまったら塾から遅く帰ってくる甘辛を迎えに行けなくなる。まさかいきなりラストシーンはないだろうが、私は何となく八千草薫さんの「岸辺のアルバム」を思い浮かべてポインター号を走らせていた。風も雨も再びかなり強いものになっていたが、川沿いに別に異変のあった様子はない。列車も再び遅れ始めているようだから、どこまで息子を迎えに行ってやるか、その時川はどうなっているか、色々考えながら玄関のドアを開けると、リビングで何と本人が寝転がって妻とテレビを見ていた。。。「朝からイマイチ具合がよくないので学校ごと休んだ」というのである。雨は一旦、止んで再び猛烈に降ってきた。(まったく運がいいのか、要領がいいのかよく分からぬ)本人の主張ではホントに具合が悪かったらしいのだが、横浜方面の学校は土砂災害の危険もあって軒並み休校になっていたというから、まあこういう時は無理に登校することもないだろう。

「そこの川、避難判断水位に達したってよ」たぶん平気なような気がしてきていたが、妻は「さっき、解除されたみたいよ」と何事もなかったように答えた。私は超兵器203号を携えてよく川沿いを散歩するので何度も目にしているが、たぶん川岸の壁に青から黄色、赤と段階的に標示されている水位のことなのだろう。せっかくだから後学のために気象庁のHPで調べてみると洪水予報(川の氾濫)は4種類、その発表基準となる水位はレベル5まであることがわかる。→は市町村・住人に求める行動の段階だそうだ。
○○川氾濫注意情報(洪水注意報):氾濫注意水位(レベル2)に到達し、さらに水位の上昇が見込まれる場合→氾濫の発生に対する注意を求める段階
○○川氾濫警戒情報(洪水警報):一定時間後に氾濫危険水位(レベル4)に到達が見込まれる場合、あるいは避難判断水位(レベル3)に到達し、さらに水位の上昇が見込まれる場合→避難準備などの氾濫発生に対する警戒を求める段階
○○川氾濫危険情報(洪水警報):氾濫危険水位(レベル4)に到達→いつ氾濫してもおかしくない状態。避難等の氾濫発生に対する対応を求める段階
○○川氾濫発生情報(洪水警報):氾濫の発生(レベル5)(氾濫水の予報)→氾濫水への警戒

今回のニュースで流れた情報は全て「避難判断水位に達す」というものだったから、水位はレベル3つまり氾濫警戒情報の間にあり、避難準備などして警戒する必要があったわけである。正直、何ともわかりにくい定義だ。「各自、枕抱えて逃げ出す判断せよ」ということではないのか・・・?!
今回、市街地であってもこれまでに見たこともない規模で冠水しているようで、大きな川も氾濫し多数被害が出たようだ。幸い我が家は直接水に浸かることはなかったが、何しろ強力な自然の驚異を想定して造られていない「スカスカ」の家屋なので、どこがどう傷んでいるか点検したほうがよいかもしれない。またこの機会に報道機関の流す注意報、警報の類とその定義や災害時の連絡方法や集合場所などをちゃんと確認しておこうと思う。以前、ブラック4コマ漫画で見たものだが、「決めた集合場所が悪かった・・・」と柳の木の下に幽霊で集まった家族のようになっては洒落にもならない。
一夜明けると近所の川は何事もなかったように静まり帰り、荒れ模様で餌に不自由した黒い鳥が一斉に狩りをし始めたのだった。

       


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4 コメント

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Unknown (小夏)
2015-09-12 07:13:56
コーヒー&「そのまま休んでしまった」、、、頭の上をゴールドブレンドの ババダ~ ダバダ~ ウ~ が流れていきました(笑)
師匠の県の様子、思った以上でした。川も氾濫しなくてよかったですね。
ここで川の目盛を確認済みなのがさすが、師匠!
湘南T-SITEの北あたりが低いのですか!?東の道の線路の下が低かったのが印象的で目の前に浮かびます。
黒い鳥、いつもと変わらぬ様子が妙に違って感じますよね・・。

それにしても「整流用テトラを飛び石に飛んで渡った」、、師匠エピソードのかなり上位です
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追伸 (小夏)
2015-09-12 07:56:49
今朝も地震があったようですね
大丈夫だったでしょうか?
連日の大きな自然災害のニュースに震えます。。
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Unknown (磯辺太郎)
2015-09-12 12:43:24
小夏様

ははは。たまーに、家に帰ってほっこりすると、もう出かける気がしなくなる時がありますね。帰りも心配な日は特に・・・代わりはいくらでもいますから。
ニュースで見る川の氾濫、ものすごい恐ろしくてお気の毒です。ライフラインに関わる仕事をしていたこともあるので、1日も早い復旧を祈ります。

川の上流を歩いていたら、ありました!「避難判断水位!」こういう機会に確認しとくのも大事だと思いました。T-SITEの裏の方はよく冠水してたんですよ。あのエリアそのものは土が高くもってあるので大丈夫でしょう。
そうそう、いつもの黒い鳥は海だか川だかの「鵜」のようです。5羽くらいがしきりに潜って狩りをしてました。
あの相模川がもし氾濫してしまったらと思うと恐ろしいです。備えあれば憂いなし。
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Unknown (磯辺太郎)
2015-09-12 12:46:38
小夏様

6時前くらいですかね。我が家はあまり揺れないのですが、結構ガタガタきましたね。東京西部は震度5までいったようですね。
ご心配ありがとうございます。すっかり忘れて海に入ってきました・・・
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