超兵器磯辺2号

幻の超兵器2号。。。
磯辺氏の文才を惜しむ声に応えてコンパクトに再登場。
ウルトラな日々がまたここに綴られる。

浜降祭

2009-07-20 14:38:16 | 出来事
     祝!海の日!波ありますよー!

     広い範囲でムネ~カタ、場所によっては頭!

     クリーンなコンディションではないけど、

     ぜいたくは言っちゃいけません。

     波のあるうちにやっちゃいましょう。

     風はほぼ無風。

         本日浜降祭のた西浜は更新してません。

私が毎朝チェックする「湘南の今日の波」というサイトの今日のトップページだ。http://www.1173.co.jp/
今日は7月20日、「海の日」だ。できたのは最近のような気がするが、浜降祭は毎年この日だったと思う。

故郷、茅ケ崎にはTV局も来るような大きな祭りが二つある。一つは大岡祭で文字通り大岡越前守を祭るものだ。連休の5月3日に行われ駅周辺で色々な催しやパレードなどが開かれる。
私は小学生のころ野球の少年団員でパレードには参加していたから、よく知っている。
茅ケ崎市長が大岡越前に扮して馬上で市内を練り歩くのだ。
パレード終了後、グループで帰宅途中、鉄道の歩道橋の螺旋階段でふざけていたら転げ落ち、眉間に「天下御免の向う傷」をこしらえたのは5年生のときだ。

一方、浜降祭は早朝の海岸がメインだからイマいちマイナーな雰囲気があり、40年以上この地方に住んでいてズバリ見たことは一度もない。。。
子供の頃、夏休みに入る直前(たぶん祭の前日)、「子供神輿」というのが町内で行われる。
なんと終点まで担ぐかまたはついて行くと、ご褒美のお菓子取り放題
これだけは必ず行った。欲張って別地区の神輿にもついて行ってしまい、どこにいるのかわからなくなっちゃったことがあって、普通免許を持っていない父親がチャリで迎えにきてくれるまで広場で爆泣きしていたことがある。。。

その程度の記憶しかない浜降祭だが、実は壮大な祭りであることを最近知った。
浜降祭は、茅ヶ崎市・寒川町の各神社から、大小あわせて40基近くの神輿が茅ヶ崎海岸に集まり執り行われる、複数の神社の連合神事だそうだ。
夜も明けやらぬ頃からそれぞれの神社から神輿が発興し、勇ましい掛け声と共に街を練り歩き茅ヶ崎港西浜を目指す。
最も有名なのは集結した神輿が砂浜を乱舞し、”禊ぎ(みそぎ)”と呼ばれる神事を行うため海に入るその迫力なんだって。

早朝にも関わらず毎年数万人の見物客でにぎわい、茅ヶ崎に夏の到来を告げる一大イベントだ。
そんなすげえ祭りだったのか。。。昨日、実家の母親に美生柑と韮崎の桃を持って食事に行った時、父親は何度か見に行ってきたと言っていた。
よーし。4時半に起きて薄暗いうちから、134号海岸通りをポインター号で西に向かった。

海岸の一角とその周辺の道路だけなのだが、すごい人だ!まだ電車は動いてないぞ。
一番神輿はもう到着してしまっていた。あわてて会場へ走ると数十本ののぼりがたち、数基の神輿が次々と浜辺へ向かう。
それぞれののぼりの元に神輿を安置するようだ。

冒頭「湘南の今日の波」にあったように今朝は珍しくすごい波だった。
波の状況によっては、入水しないときもあるとHPに書いてあったが、やはり今日は波打ち際まででカーブしているようだ。
すごいダンパー(横にブレイクしていかず、ザブーン!と一気に崩れる波)だったからな。

こういう祭のときだけどこからともなく涌いて来る真田十勇士の三好清海入道みたいなハゲおやじや、「いつもはどんな仕事してんの?」と聞きたくなるような飛んじゃってるパッキンのアニいや彼とお似合のおネエが山ほどいる。
そのうちの一人のおネエに

「ねえねえ、今日は海に入んないの?入場のときに入るって聞いたんだけど。。。」

「いつもは腰くらいまでは入るんだけどね。今日は波が荒れてるし、ここの海岸急に深くなってるから入らないンだってさ」

白装束で粋な祭のスタイルをしているが「そのまま入ったら透けちゃうんじゃないの?」と余計なことを考えながら次々に通り過ぎる神輿を眺めていた。
そのうちの一基がまっすぐ海岸に向かっていく。「八王寺神社」というのぼりが見えた。
懐かしいなあ。父親は実家から自転車で通勤していたのだが、その途上に八王子神社はあり、毎日何やら御参りしていたらしい。

朝陽が昇ってきて、神輿のキラキラ光る。向こう側(西側)には少し霞んでいるが、頭に一すじだけ白髪のような雪を残す富士山が。。。
絶好の光景だ。角度的にはこちらが結構海に浸からなければならないな。
神輿の後を追いかけて膝まで水に浸かりシャッターチャンスを狙っていたらお決まりように巨大なダンパー波がダッパーン

やられた。。。短パンまでびしょびしょの被害にあった。
これを見た神輿は波打ち際ですこーしだけ水につかって安置場所に向かっていった。
まだ朝の5時半前なのに、すごい人だ。浜辺にあるそれぞれののぼりの下に何十基もの神輿がずらりと並んでいるのは壮観な眺めだった。

そして中央はご存知我が家のメインテンプル、相模国一ノ宮の寒川神社だ。
今年は水の力、水の霊力でよろしくお願いしますよ。
浜降祭特製の扇子(これは外していない)を購入して会場をあとにした。

少し先の路上に停めてあったバイクを動かし、車線規制がされている海岸道路に侵入しようとしたとき。
「うわっやべえ!朝寝ぼけててヘルメット忘れてきちゃった。。。」
どうしよう。沿道には見物客に警察官が大勢いるぞ。

「水の神よ。どうか我を守り給へ」両足をピンと伸ばして時々地面を蹴り、トロトロといかにも「ちょっと移動するだけっすから」という顔をして走り抜けた。
県警の交通機動隊分署を横切ったときはさすがに肝を冷した。こんな大胆なことするにはもちろん、捕まったときのいい訳は考えてあったのさ。

「いやあ、神様の前でヘルメットは不遜と考えまして。。。」


昨晩、息子甘辛に「朝早ーく茅ヶ崎の浜降祭見に行かねえか?」と聞いたら、「オレはいいや。眠いからパス!」
そうなんだよな。私もまさしくそうだった。しかし、実は自分はかなり誇れるところに住んでるっていうのが、大人になって一旦この地を離れるとわかるのだよ。
キミもいずれ間違いなく自分から浜降祭を見に行くことだろう。