議案第1号から第9号までの令和7年度当初予算におきましては、持続可能な財政運営とともに、市の課題解決に資する予算編成となっているかに重点を置き、審議の結果以下の点を申し添え、賛成の立場で討論致します。
市税総額は昨年度当初比約8億円の増ながら、経常的経費は30億円の増、臨時財政対策債が廃止され、今後財源不足も深刻化し、財政調整基金の取り崩しによる急激な財調の減少も懸念します。今後、歳出抑制を考えながら市の課題解決にも取り組んでいかなければならないと言う、今までにない厳しい財政運営が求められています。
企業誘致事業は累積で57億円の歳入となりますが、平準化して考えると決して大きな歳入と言える現状ではありません。やはり企業誘致による固定資産税の確保は自治体にとって重要な歳入となりますので、危機感をもって取り組むことを求めます。成田空港の拡張における住環境の受け皿としての整備も、県の特定区域に指定されれば規制緩和も現実味を帯びてくるのではないでしょうか。ありがたいことに佐倉市は空港関係職員の希望居住地域として3位に入っていたとの事ですので、この可能性にしっかりと結果が出せるよう、人口減少・少子化対策にも取り組んでください。また、住生活基本計画推進事業においては、空き家対策とともに定住人口の増加に寄与する事業でもあります。子育て加算を拡充するなど、適宜支援内容を見直す事により申請件数が増加した点は評価しますが、近隣自治体に見劣りしない打ち出し方を工夫をするなど、全庁横断的に人口減少対策に取り組んでいただくよう求めます。
気候変動対策室管理運営事業について、少ない予算編成の中ではありますが、意識の醸成としてESDを学校教育に取り入れ、また、緩和の推進として国立環境研究所や農研機構など関係機関との実証実験に取り組み、ゼロカーボンシティ宣言に対してその目標が達成できるよう、引き続き取り組んでください。
西志津ふれあいセンター大規模改修設計業務委託について。ファシリティマネジメント推進事業では「公共施設再配置方針を踏まえ、施設分類ごとの改修・更新に向けた取り組みを、各所管部署とともに進めます」とあり、佐倉市公共施設再配置方針における重点取組事項として「西志津ふれあいセンターの大規模改修に伴う再配置」が記載されています。今年度実施した市民ワークショップでも西志津ふれあいセンターを活用したアイディアが出されていたと思いますので、ワークショップでの提案を積極的に採用するなどの検討を行うことを望みます。
また本来であれば、指定管理の変わり目に大規模改修を行うか、指定管理募集時に条件として提示されていれば問題はなかったのですが、指定管理期間が令和11年度までであるのに対し、指定期間中に1年以上の休館を強いられる状況になります。応急修繕では指定管理期間終了までもたないと言うのであれば、不具合については指定管理事業者も承知していることだと思いますので、十分に協議を行い、西志津ふれあいセンターで就労している方もほとんど市民の方ですので、できる限り不利益が無い対応をお願い致します。
一方、佐倉市公共施設再配置方針におけるミレニアムセンター佐倉の大規模改修と複合化のための事業手法等検討業務委託は、PPPを念頭に佐倉市が得意とするFMの先進事例となり得る事業です。子ども若者の居場所と駅前の活性化、更には指定管理に捕らわれない民間活用の実現に向けてしっかりと取り組んでください。
おじいちゃん・おばあちゃんありがとうの気持ちを伝えたい事業ですが、現在は基礎額14万円に65歳以上の人数×125円を積算として事業が行われております。過去の大幅な予算削減やコロナ禍をもってしても尚、対面開催を復活される地区社協さんは、そこにやりがいを感じている方もいらっしゃるのではないでしょうか。しかしながら対面開催にはそれなりのコストがかかります。地区社協の高齢化とともに予算の不足も現状の課題です。基礎額の上乗せを行うなど、それぞれの地区社協の現状を踏まえ、今後の対応を求めます。
そしてこれまでも医療的ケア児の個別避難計画の推進や、妊産婦等の福祉避難所の指定を求めて参りましたが、福祉部の避難行動要支援者対策事業では庁内4部局より選出された職員で構成される避難行動要支援班が設置されること、また健康推進部の妊産婦等福祉避難所備蓄物資管理事業など、今後の災害を見据えた新たな取り組みにも期待致します。
来年度より、新たに策定された佐倉市こども計画を軸に子ども・子育ち・子育て施策が展開されます。その中で「こどもの権利についての啓発」や「こどもまんなか社会の推進」、「こども・若者の意見反映」といった事がしっかりと位置付けられ、「こども・若者いけんぷらすさくら」として、15歳~29歳を対象に子ども若者施策にその声を反映していくという新たな取り組みが行われることも確認できました。様々な手法で多様な子どもたちの声が拾えるような取り組みになるよう応援していきたいと思います。
水道事業会計の収益的収支では、支出が収入を上回る予算編成となっておりました。これまでも経営基盤の強化のための効率化などに取り組んでおり、広報紙への広告掲載など新たな収入確保にも取り組むとしてはいるものの、抜本的な解決にはならず、厳しい財政状況であることを確認致しました。老朽管による事故や全国的な水道料金の値上げなど、市民が懸念する事項もありますことから、広報紙のみならず、多岐にわたる情報発信に努めてください。
小中学校情報機器整備事業では、パソコン機器等の更新および新たに導入を行い、ICT教育の学習環境を整えるとの事でした。この更新により、通信障害でタブレットが利用できない状況が改善され、佐倉市のGIGAスクール構想がさらに前進する事を期待しておりますので、今までより一歩先を見据えた教育に取り組んでください。
議案第10号令和6年度佐倉市一般会計補正予算につきましても賛成の立場で討論致します。
議案第32号から議案第33号の小中学校で使用する教師用教科書、指導書及びデジタル教科書の財産の取得に置きましては、2026年度を目標にデジタル教科書を正式な教科書として位置付ける方針も文部科学省から発表されておりますので、児童生徒のみならず、教員の皆さんもしっかりとデジタル教科書をご活用いただきますようお願い致します。
陳情第13号「学校給食費の無償化」を求める意見書提出についての陳情についてですが、佐倉市においても地方創生臨時交付金を活用した時限的な給食費の無償化や第3子以降の給食費の無償化、主食となるお米とパンの公費調達など、限られた財源の中で給食費の負担軽減を進めてきました。給食費無償化を巡って政府は令和5年6月に閣議決定したこども未来戦略に実現を目指す方針が明記されています。文科省は同戦略に基づいて全国の1794自治体を対象とした学校給食の実態調査を行い、給食費の無償化を導入する自治体の取り組みや成果・課題をもとに、まずは小学校からの給食費の無償化実現に向けて議論がすでに進められているところです。よって本陳情は採択せず、今後も実務レベルで給食費の無償化に取り組んで参ります。
議員提出の防災に関する決議については
各議員がこれまでに一般質問、委員会質問を通り提案、取り組んできたことなので、決議にはそぐわないと判断し反対しました。