中小企業の「うつ病」対策ー人、資金、時間、情報に余裕がない

企業の労働安全衛生、特にメンタルヘルス問題に取り組んでいます。
拙著「中小企業のうつ病対策」をお読みください。

「お前みたいな店長なら辞める」

2024年08月23日 | 情報
「お前みたいな店長なら辞める」ジョイフル元店長がパワハラなど訴え
8/13 くまもと県民テレビ

長時間労働やパワハラで精神障害を発病したとして、ファミリーレストラン「ジョイフル」の元店長の男性が会社と子会社などに対し、
損害賠償など約4900万円を求める訴えを熊本地裁に起こしました。
訴えを起こしたのは、ジョイフル熊本御領店の元店長で熊本市に住む男性(42)です。
訴状によりますと、男性は、2021年1月から熊本御領店の店長を務めていましたが、
78日間の連続勤務があったほか、8月12日までの1か月間の時間外労働は152時間に上ったとしています。
また店舗を管理する子会社、「ジョイフル西九州」の幹部から
「お前みたいな店長だったら辞める」「新人のほうがよっぽど仕事している」と怒鳴られるなどのパワハラを受けたということです。
男性は、2021年8月にうつ病を発症し、ことし4月に退職するまで休職を余儀なくされたとしています。
熊本労働基準監督署は、時間外労働や連続勤務がうつ病の原因になったとして、労災認定したということです。
男性は、会社と子会社に加え、それぞれの幹部あわせて3人に対し、損害賠償や未払いの残業代などあわせて約4900万円を支払うよう求めています。
KKTの取材に対しジョイフルの担当者は「現時点で訴状が届いていないため、コメントを差し控える」と話しています。


時間外労働“152時間”「史上最悪」「お前みたいな店長だったら辞める」上司・部下のパワハラで
うつ病に ファミレスチェーン『ジョイフル』元店長が会社を提訴 
RKK熊本放送 24.8.9

ファミリーレストラン『ジョイフル』の元店長の男性が、長時間労働や上司や部下からのパワハラが原因で働けなくなり、後遺障害も残ったとして、
ジョイフルなどを相手取り損害賠償などを求めて提訴しました。

1か月間の時間外労働「152時間」
8月9日に熊本地裁に訴えを起こしたのは、熊本市東区にある『ジョイフル 熊本御領(ごりょう)店』の元店長で、熊本市内に住む42歳の男性です。

訴状によりますと、男性は2004年に社員としてジョイフルに入社し、2021年1月から熊本御領店で店長を務めていました。
しかし人手不足で休めず、この年の5月から8月にかけて78日間の連続勤務となり、
このうち7月14日から8月12日の1か月間の時間外労働は152時間に上りました。

「店が汚いのはお前の管理不足」
男性はさらに、県内でジョイフルの店舗を運営している『ジョイフル西九州』の代表取締役から、
「この店が汚いのはお前の管理不足だ」「俺がクルー(部下)だったら、お前みたいな店長だったら辞める」などと怒鳴りつけられたり、
部下からも「キッチンクルーが育たないのはお前のせいだ」「今までで一番最悪で、史上最悪の店長だ」
と言われたりするなどのパワハラを受けたとしています。
こうしたことから男性は、この年の8月にうつ病を発症し、今年4月に退職するまで休職を余儀なくされたとしています。
男性は、ジョイフルとジョイフル西九州、さらに両社の幹部合わせて3人を相手取り、
損害賠償や未払いの残業代など合計約4900万円の支払いを求めています。

労基署「うつ病は長時間労働や連続勤務が原因」
男性の代理人弁護士によりますと、熊本労働基準監督署は去年6月、
ジョイフルに対して未払いの残業代があるとして是正勧告を行い、
去年7月には「男性がうつ病になったのは、長時間労働や連続勤務が原因」として労災と認定しました。
8月9日、熊本県弁護士会館で開かれた記者会見では、代理人弁護士が、男性のメッセージを読み上げました。
代理人弁護士が読み上げた原告の男性のメッセージ
「長年の劣悪な労働環境と今回の長時間労働、パワハラにより心身の限界を超えてしまいました」

ジョイフル側の回答は
ジョイフルは大分県を中心に全国でチェーン展開するファミリーレストランで、熊本県内では45店舗を展開しています。
ジョイフルは、RKKの取材に対し「訴状が届いていないので現時点でコメントは差し控える」と話しています。


上司が「店が汚いのはお前の管理不足」…ジョイフル元店長、パワハラと長時間労働で精神障害と提訴
2024/08/10 読売

ファミリーレストラン「ジョイフル」(本社・大分市)の店長だった熊本市の男性(42)が
9日、長時間労働やパワハラを受けて精神障害を発病したとして、同社と店舗を管理する子会社などを相手取り、
損害賠償など約4900万円を求めて熊本地裁に提訴した。
訴状によると、男性は熊本市内の店舗で店長となった2021年1月以降、
慢性的な人手不足から長時間の勤務が続いたという。
同年8月に発病し、熊本労働基準監督署は23年7月、
直近の勤務は13日間連続に上ったなどとして労災と認定。男性は今年4月に退職した。
男性は上司から「店が汚いのは、お前の管理不足だ」とどなりつけられたなどと主張。
ジョイフルの担当者は取材に「訴状が届いておらずコメントは控える」と話した。
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救世主は貧乏ゆすり

2024年08月22日 | 情報
万病のもとになる「座りっぱなし」「座りすぎ」 救世主は貧乏ゆすり
毎日 2024年8月2日

「座りすぎが健康に悪い」という。「たしかに長時間座っていると、
腰やお尻が痛くなるし、肩も凝る……」と受け止めがちだが、近年指摘されている「悪い影響」は、そうした直接的な害にとどまらない。
「座りすぎ」によって、疾患と死亡のリスクが高まるという。
世界保健機関(WHO)や主要各国でも「座りすぎ」予防のためのガイドライン(指針)を作成し、啓発に取り組み始めた。
座りすぎがどうして健康悪化につながるのか。その背景などを取材した。

厚労省の指針に初めて記載
 国内における座りすぎ対策の最新のトピックは、2024年1月に発表された「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」だ。
新たに「座位行動」という項目が設けられ、「座りっぱなしの時間が長くなりすぎないように注意する
(立位困難な人も、じっとしている時間が長くなりすぎないように少しでも身体を動かす)」という推奨事項が記載された。

 厚生労働省は1989年以降、国民に向けて運動の必要量などを示した指針を作成している。
同年の「健康づくりのための運動所要量」に始まり、93年の「健康づくりのための運動指針」、
06年の「健康づくりのための運動指針2006」、13年の「健康づくりのための身体活動指針<アクティブガイド>」と改定があり、
今回の改定でできたのが「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」だった。

新たに設けられた「座位行動」とは聞き慣れない日本語だ。
これは英語の「sedentary behavior(セデンタリービヘイビア)」の訳にあたり、
「身体活動・運動ガイド2023」では、「座位や臥位(がい)の状態で行われる、
エネルギー消費が1.5メッツ以下の全ての覚醒中の行動
(例えば、デスクワークをすることや、座ったり寝ころんだりした状態でテレビやスマートフォンを見ること)」と定義している。
ここで登場した「メッツ(METs)」とは、「代謝当量(Metabolic equivalents)」の略で、活動の強さを示す単位。
人が安静にしている状態を1メッツとし、それぞれの活動の強さを表現する。
例えば「ゆっくり歩く」ような低強度の活動が2メッツ、「普通歩行」は3メッツ、「速足で歩く」といった活動が4メッツにあたる。

 岡浩一朗・早稲田大スポーツ科学学術院教授は「座位行動は座っている状態だけでなく、リクライニング(半臥位)や横になっている状態(臥…

(参照)「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」

(1)健康づくりにおける身体活動・運動の意義  1ページ
「身体活動」とは、安静にしている状態よりも多くのエネルギーを消費する骨格筋の収縮を伴う全ての活動を指し、
「運動」とは、身体活動のうち、スポーツやフィットネスなどの健康・体力の維持・増進を目的として計画的・定期的に実施されるものを指す。
身体活動・運動の量が多い者は、少ない者と比較して循環器病、2型糖尿病、がん、ロコモティブシンドローム、
うつ病、認知症等の発症・罹患リスクが低いことが報告されている1。

(参照)早稲田ウィークリー

「座り過ぎ」日本人、20年後はどうなる? 健康スポーツ科学拠点で進む大規模健康調査

研究分野別の世界大学ランキング2017(※)において、国内1位・世界19位と非常に高い評価を得た「Sports-related Subjects」を担う早稲田大学「健康スポーツ科学拠点」。同拠点では、具体的にどのような研究が進められているのでしょうか。今回は「座り過ぎ」による健康リスク研究が社会的に大きく注目されている岡浩一朗スポーツ科学学術院教授に着目。校友を対象に1万人規模で20年間の健康追跡調査を行う「WASEDA’S Health Study(WHS)」が目指す未来とは?

――岡教授の研究対象である、座り過ぎによる健康リスクとはどのようなものですか。

長く座ったままだと、体の中で一番大きな筋肉の太ももや、血液を心臓に戻す重要な役割を担うふくらはぎをほとんど動かすことがありません。具体的なリスクとしては肥満や糖尿病、高血圧、ある種のがん、死亡のリスクが高まるといわれているほか、メンタルヘルスや認知機能の低下も指摘されています。

――健康リスクを示す世界的なデータはありますか。

例えば、テレビ視聴に伴う座位を1日1時間続けるごとに平均余命が22分ずつ短くなるといった調査結果があります。また、1日の座位時間が4時間未満の人に比べ、4~8時間、8~11時間、11時間以上と長くなるに従って、世界保健機関(WHO)が推奨する身体活動量を満たしていても、死亡のリスクが11%ずつ高まることも知られています。

後者のデータからは、長く座り続けるとせっかくの運動の効果が無駄になることを示しています。このような人たちを私たちは「アクティブ・カウチポテト」と呼んでいます。ちなみに、日本人成人の平日座位時間は1日7時間 (中央値)で、世界20カ国の中でも最長となっています。

――座位時間が長くなる理由は何でしょうか。

時代の変化が影響していると思います。昔のテレビはわざわざテレビまで近づいてチャンネルを回す必要がありましたが、今は手元のリモコンを操作するだけで済みます。掃除や洗濯もほぼ機械任せです。パソコンや携帯電話の発達により、足を使わなくても済む場面が増えました。利便性を求めた結果、仕方なしにでも家事や仕事、移動の場面での低強度の身体活動をする機会が減っているのです。

――岡教授は、立って仕事や勉強することを勧めていますね。

座り過ぎによる健康リスクを知らずに健康を害している人をなくすことが、私の研究の使命だと考えています。立って働く、立って学ぶことは当たり前だという社会へパラダイムシフトを起こしたいです。

考えてみてください。職場でも学校でも座っていなくてもできることはたくさんあるはずです。海外ではスタンディングデスクや昇降机を導入する会社や学校が少なくありません。日本でも先進的な取り組みをしている企業や私立学校を中心に、導入例が増えてきました。私の研究室では今、ある企業と共に社員証に組み込まれた加速度計を用いて座位時間や身体活動量を把握し、座り過ぎの解消に役立てることができるようなシステムを共同開発する計画も持っています。

――研究の課題は何ですか。

意識や環境をいかに普及させるかです。企業経営者によく言われます。「従業員に健康リスクが生じるのは退職後でしょ。今は投資できないよ」と。ですから、座り続けることが生産効率や労働意欲を低下させているデータの収集を進めています。これは学校での学習効率や学習意欲にも通じることです。

――研究を支える「WASEDA’S Health Study(WHS)」とは何ですか。

早稲田大学の卒業生を主対象に、長期間にわたって身体活動・運動や座位行動、食生活などと病気の発症などとの関連を調査し、そのデータを健康づくりの研究に役立てようと、2013年に立ち上げられたプロジェクトです。希望に応じて、加速度計を装着して座位時間や身体活動などを計測してもらうコースや、全国の拠点や所沢キャンパスで健康診断や体力・運動能力測定に参加してもらうコースなど4コースを設けています。

現在約3200人の登録者数を1万人規模に拡大させ、20年間の追跡調査を行います。この研究成果をもって、2032年の創立150周年には「健康に関する研究といえば早稲田」と呼ばれるようになりたいです。そして、医学部のない早稲田大学でも地球規模で解決しなければならない身体活動不足問題の解消に貢献できることを示したいと考えています。

【プロフィール】岡 浩一朗(おか・こういちろう)。1999年に早稲田大学大学院人間科学研究科博士後期課程を修了、博士 (人間科学) の学位を取得。早稲田大学人間科学部助手、日本学術振興会特別研究員(PD) 、東京都老人総合研究所(現東京都健康長寿医療センター研究所)介護予防緊急対策室主任を経て、2006年4月、早稲田大学スポーツ科学学術院准教授に着任。2012年4月より現職。専門は、健康行動科学、行動疫学。
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令和6年度「全国労働衛生週間」

2024年08月21日 | 情報
厚労省HP令和6年7月30日(火)
照会先 労働基準局安全衛生部労働衛生課

令和6年度「全国労働衛生週間 」を10月に実施
今年のスローガンは「推してます みんな笑顔の 健康職場」

厚生労働省は、10月1日(火)から7日(月)まで、令和6年度「全国労働衛生週間」を実施します。
今年のスローガンは、一般公募で募った268作品の中から、水野綾子さん(愛知県)の作品「推してます みんな笑顔の 健康職場」に決まりました。

全国労働衛生週間は、労働者の健康管理や職場環境の改善など、
労働衛生に関する国民の意識を高め、職場での自主的な活動を促して労働者の健康を確保することなどを目的に、
昭和25年から毎年実施しており、今年で75回目になります。
毎年9月1日から30日までを準備期間、10月1日から7日までを本週間とし、
この間、各職場で職場巡視やスローガン掲示、労働衛生に関する講習会・見学会の開催など、さまざまな取り組みを展開します。(別添中8・10参照)

労働衛生分野では、高年齢労働者をはじめとした労働者の健康管理、
過労死等の防止を含めた長時間労働による健康障害の防止対策やメンタルヘルス対策、
病気を抱えた労働者の治療と仕事の両立支援をサポートする仕組みを整備します。
また、化学物質対策では、特定化学物質障害予防規則、石綿障害予防規則などの関係法令に基づく取り組みの徹底を図るとともに、
各事業場におけるリスクアセスメントとその結果に基づくリスク低減対策の実施を促進していきます。

今年度のスローガンは、働く上で基本となる健康の確保を推進することによって、
誰もが笑顔で快適に働くことのできるような、愛される職場づくりを目指していくことを表しています。


厚労省HP 令和6年度全国労働衛生週間実施要綱


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(ストレスチェック・シリーズ⑥)あらためて確認したい方へ

2024年08月20日 | 情報
ストレスチェックとは?
あらためて確認したい方へ

厚労省HP ストレスチェック制度

・ストレスチェック制度は、定期的に労働者のストレスの状況について検査を行い、
本人にその結果を通知して自らのストレスの状況について気付きを促し、
個人のメンタルヘルス不調のリスクを低減させるとともに、
検査結果を集団的に分析し、職場環境の改善につなげることによって、
労働者がメンタルヘルス不調になることを未然に防止することを
主な目的としたものです。平成27年12月に施行されました。

・「ストレスチェック制度サポートダイヤル」

産業医、保健師等ストレスチェックの実施者、事業者、衛生管理者等ストレスチェック制度担当者等からの
ストレスチェック制度の実施方法、実施体制、不利益な取扱いなどに関する相談にお答えします。

電話
0570-031050(全国統一ナビダイヤル)※通話料がかかります。
受付時間
平日10時~17時(土曜、日曜、祝日、12月29日~1月3日は除く)

〇今回のストレスチェック・シリーズは、これで終了です。
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(ストレスチェック・シリーズ⑤)労働者の疲労蓄積度自己診断

2024年08月19日 | 情報
特にストレスチェック努力義務になっている、50人未満の事業場向けです。

中災防作成;労働者の疲労蓄積度自己診断チェックリスト(2023年改正版)(本人用・家族用)

過重労働による健康障害防止のため疲労の蓄積をチェックするツールです。
労働者自身が疲労の蓄積をチェックする「労働者本人用」と、ご家族が見て疲労の蓄積度をチェックする「家族用」があります。
Web上または用紙(PDF)でチェックできます。

労働者の疲労蓄積度自己診断チェックリスト(2023年改正版)
(参照)厚労省通達;過重労働による健康障害防止のための総合対策について

過重労働による健康障害防止のための総合対策


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