結論としては、良いことだと考えます。むしろ、遅きに失したとも考えます。
年金申請者にとって、障害年金の支給申請を認定されるか、されないかでは、大きな違いです。
障害年金支給、地域差なくせるか 厚労省のガイドライン運用開始
2016年9月29日 朝日
障害年金が支給されやすい地域とそうでない地域があり、都道府県の格差は最大6倍に広がっている。
厚生労働省は医師の判断が難しい精神・知的障害を対象に細かく基準を定めたガイドラインをつくり、
今月から運用を開始。格差の是正をめざす。
「薬で改善」と不支給→2級認定
うつ病と広汎(こうはん)性発達障ログイン前の続き害を抱える50代女性は2014年10月、
愛知県で国民年金の障害基礎年金を申請した。翌年2月、日本年金機構の愛知事務センターから届いた決定は「不支給」。
「著しい発達障害は認められず、意欲低下などの持続は睡眠障害の影響が大きい。
正しく薬を処方されれば改善する」という理由だった。
女性は今年3月まで週に4日間、事務仕事をしていた。職場で疲れ切り、帰宅すると玄関でへたり込んでしまう。
食事を自分で作ることができず、コンビニに頼る。
一人暮らしの部屋は家事が滞り、近所に住む母親(79)に手伝ってもらっていた。
障害基礎年金には1級(月約8万1千円)と2級(月約6万5千円)がある。厚労省の認定基準によると、
障害年金をもらうには症状が「日常生活に著しい制限を受ける程度」か、それより重いという条件がある。
初めて障害の診断を受けた日から1年半後に、年金事務所か市区町村役場へ診断書などを添付して申請。
それを各地の認定医が条件にあてはまるかどうかを判断し、支給の可否が決まる。
申請書に添付した主治医の診断書には「社会的行動や対人関係で混乱しやすく、それが抑うつ、疲労感につながっていた。
睡眠障害が改善せず身体的不調が持続していた」と書かれていた。
女性の支援者は「なぜ認定医が主治医の診断書の内容を認めなかったのか。理不尽だ」と話す。
女性は今年6月、改めて同じ内容の診断書を提出した。
厚労省が今月から運用を始めたガイドラインでは、精神障害者は日常生活能力の程度が
「身のまわりのことは経常的な援助がなければできない」場合でも1級か2級に該当するとしている。
すると、今月になって2級に認定された。
女性はいま、仕事をしていない。生活費は母親が正社員として働いて工面している。
「年金があると母親を少し楽にさせてあげられる」と胸をなで下ろした。
都道府県で最大6倍の差
厚労省は昨年2月、障害年金が不支給になった割合を都道府県ごとに算出。
最も高い大分県と最も低い栃木県で6・1倍の差があった。愛知県は全国平均よりやや高い。
不支給になった障害の種別では精神障害・知的障害が67%を占めた。
厚労省は、主に精神障害に関して認定医(14年4月時点で216人)の判断がばらつくと考え、
精神・知的障害向けに全国統一のガイドラインをつくった。
認定基準では「1級は他人の介助を受けなければほとんど生活できない程度」
「2級は日常生活は極めて困難で労働できない程度」などと規定。
ガイドラインでは、「適切な食事摂取」「身辺の清潔保持」など日常生活の能力を7項目に分け、
これらが「できない」「援助がないとできない」だと1級か2級になる、というめやすを示した。
厚労省の担当者は「診断書の自由記述などとの総合判断になるため、個々の認定医の判断はコメントできない。
認定医が判断を誤ることはあり得るが、ガイドラインによって改善していくと思う」と強調する。
ただ、障害年金に詳しい社会保険労務士の白石美佐子さんは「地域によっては前より厳しく認定される可能性もある。
人が判断する以上、どんなめやすがあってもばらつきはなくならない」という懸念も示す。(井上充昌)
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