中小企業の「うつ病」対策ー人、資金、時間、情報に余裕がない

企業の労働安全衛生、特にメンタルヘルス問題に取り組んでいます。
拙著「中小企業のうつ病対策」をお読みください。

安全衛生優良企業を目指しましょう

2018年05月07日 | 情報

安全衛生優良企業の(超)好事例を、休み前に紹介しました。
安全衛生優良企業とは、労働者の安全や健康を確保するための対策に積極的に取り組み、
高い安全衛生水準を維持・改善しているとして、厚生労働省から認定を受けた企業のことです。

しかし、企業、特に中小規模の企業においては、安全衛生に真剣に取り組んでいる企業は、少ないというのが小職の印象です。
なぜ少ないのか。第1に中小規模の企業の経営層は、安全衛生が企業の利益に、
直接間接に結びつかないという先入観を持っているようです。
第2に、企業経営において、労働安全衛生法より優先しなければならない法律が多くあり、
場合によっては、操業停止、営業禁止になるような経営上、致命的になる法令が、それこそ「目を光らせて」いるからです。

一方で、通商産業省が提唱している「健康経営」政策においても、企業組織の根幹をなす人材の重要性を提唱しているように、
安全衛生を重視することは、そこで働く従業員(労働者)が重要であることは、共通する考え方です。
事実、「健康経営」を評価する項目には、労働安全衛生法の規程が多く盛り込まれています。
つまり、通商産業省が提唱している「健康経営」と、厚生労働省が提唱している安全衛生優良企業とは、
多くの点で重複している政策なのです。 

以前にも当ブログで紹介していますが、中小規模の企業といえども、安全衛生は企業経営上重要な課題であり、
そのための方策として安全衛生優良企業の認定取得を目指すことは、検討に値する選択肢でしょう。
また、衛生委員会が「上手く」運営できないという声を聞きますが、その原因の一つに、「目標がない」があげられます。
その点、安全衛生優良企業の認定取得を目指すことを当面の目標に設定すれば、
御社の衛生委員会がきっと活性化することでしょう。

(参考)安全衛生優良企業の認定
安全衛生優良企業制度は、厚生労働省から認定を受ける必要があります。
実際には、「解説書」を読み解き本社のある労働局にエビデンスを提出します。
その際、重要なポイントとなるのは、労働者の安全や健康を確保するための対策に積極的に取り組み、
高い安全衛生水準を維持・改善していることです。
そして、この認定を受けるためには、2つのステップに分かれており、まずステップ1【必須項目】として
過去3年間労働安全衛生関連の重大な法違反がないこと。ステップ2【加点項目】として、
労働者の過重労働防止対策、メンタルヘルス対策、健康づくり対策、受動喫煙防止対策、安全管理など、
安全・健康で働きやすい職場づくりについて積極的な取り組みを行っていることが求められます。
そして、認定を授与した後の有効期間は3年間となっています。

 厚労省HP
http://anzeninfo.mhlw.go.jp/shindan/shindan_index.html


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