中小企業の「うつ病」対策ー人、資金、時間、情報に余裕がない

企業の労働安全衛生、特にメンタルヘルス問題に取り組んでいます。
拙著「中小企業のうつ病対策」をお読みください。

SC(ストレスチェック)制度の準備情報・質問編⑯

2016年03月15日 | 情報

 Q:個人情報について。記入済みの質問票は、秘匿しなければならない個人情報である、ということは十分承知していますが、
その質問票の個人名や、面談対象者であるかないか、というような情報も個人情報に該当するのでしょうか。

A:名前は、個人情報であるというのが、結論です。
個人情報保護法の第2条で、具体的な個人情報の筆頭に「名前」が挙げられています。

個人情報保護法第二条  
この法律において「個人情報」とは、生存する個人に関する情報であって、
当該情報に含まれる氏名、生年月日その他の記述等により特定の個人を識別することができるもの
(他の情報と容易に照合することができ、それにより特定の個人を識別することができることとなるものを含む。)をいう。

SCの対象者であるかどうかはともかく、SC受検者であるかどうか、医師面談の対象者であるかどうか、はすべて
個人情報の対象であると考えてください。
具体的な場面を考えてみましょう。医師面談のために職場を一時的に離れなければならないのですが、
離席するには、理由を述べて上司の許可を得なければなりません。
ここで、上司に医師面談の対象者であるかどうかが、上司に知られてしまいます。
即ち、個人情報が実質的に漏えいしてしまうのです。悩ましい問題です。

このことは、厚労省も承知していることが窺えます。
SCマニュアルの65頁をご覧ください。
なんと、職場を離れるにあたって、上司等にその理由を伝える必要はないと、言っています。
霞が関の職場風土は、記述の通りなのかもしれませんが、少なくとも民間企業においては、
上司に無断で離席したならば、生理的現象以外は、懲戒の対象になります。

 「○ 面接指導は原則的には就業時間内に設定しましょう。日時の設定に関しては、曜日や時間帯を柔軟にして、
対象者が面接指導を受けやすい環境を整える配慮が必要です。
また、就業時間内に面接指導を受ける際には、必ずしもその理由を伝える必要はありませんが
労働者の上司等の理解を得ておくことも重要です。
さらに、面談での聴取、評価とセルフケアをはじめとする指導が1 回では実施できない場合もあり、
複数回の面接指導となる場合の労務管理上の取扱いもあらかじめ取り決めておくことが必要です。」

さて、本題に戻して、この問題をどのように解決するかは、基本的には、御社の衛生委員会で審議のうえ、
答えを見つけ出してください。どうしても解決策が解らない等の場合は、
橋本社会保険労務士事務所が、具体的、理論的にアドバイスします。


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