中小企業の「うつ病」対策ー人、資金、時間、情報に余裕がない

企業の労働安全衛生、特にメンタルヘルス問題に取り組んでいます。
拙著「中小企業のうつ病対策」をお読みください。

緑と愛と丘のあるまち

2020年09月11日 | 情報

「他山の石」では、済まされない事案ですね。

なお、川西町のキャッチフレーズは、「緑のあるまち」だそうです(川西町のHPより)

 

長時間労働「隠す状況が負荷に」 町職員自殺で第三者委

202099日 朝日

 

山形県川西町の男性職員(当時25)が20166月に自殺した問題を巡り、町は8日、
第三者調査委員会(委員長=粕谷真生弁護士)の答申書について町議会全員協議会に報告した。
答申は、自殺の原因を「長時間労働、それを隠さなければならない状況が心理的負荷となった」と分析し、
再発防止策を提言した。

職員は安部幸宗さん。144月に採用され、町財政の業務を担当していた。

答申書では、安部さんの時間外労働時間を、164月が114時間、5月が85時間、6月が140時間と認定。
4月と6月は厚生労働省が示す時間外労働の「過労死ライン」の月100時間を超えていた。

また、529日から、亡くなる2日前の624日まで27日間連続で勤務した。
こうした長時間労働の実態は同僚や上司に知られないようにしていたという。

長時間労働とそれを隠さなければならなかった要因として、
①職員の労働時間を正確に把握するシステムがなかった
②労働時間を正確に把握しなければならないとする意識が(職員間で)共有されていなかった
③(安部さんが)職務を遂行するための支援が不十分だった
ことを指摘した。

再発防止策としては、タイムカードなど職員の在庁時間を正確に把握できる制度の導入や、
職員の時間外労働に対する意識改革、研修・指導体制と相談窓口の充実などを挙げた。

遺族が指摘していた職場内でのパワハラやいじめについては「認められなかった」と結論づけた。

この日の全協で、原田俊二町長は「私自身もそうだが、職員一人ひとりが今までのあり方が良かったのか、
ということを見直し、変わっていかなければいけない」と述べた。

町は今後、職員に対する研修の強化や、来年度から使用が始まる予定の新庁舎で職員の在庁時間を
把握する仕組みの導入などを進めるという。町民に対しても町の広報誌を通じて説明するという。

第三者委員会は計3人の弁護士で構成。町の諮問を受け、今年2月から計9回の委員会を開き、
町職員ら計234人にアンケートしたほか、
33人に面談するなどしてまとめた答申書を7日に町に提出していた。

 

遺族「残業隠す雰囲気、納得できない」

亡くなった安部幸宗さんの父・康幸さん(62)は8日に記者会見し、
「丁寧に調査してもらい感謝している」と語った。
一方で「残業を隠さないといけない雰囲気が町役場にあり、納得できない」とも話した。

康幸さんによると、幸宗さんは、職場で疑問があってもすぐに質問せず、
できるだけ調べて質問するよう上司に求められたり、経費が増える残業を隠していたりしていたという。
その結果、上司が幸宗さんの長時間労働の実態を把握できなかったとみている。

康幸さんは、こうした上司の指導や、入庁3年目の幸宗さんにこなせる業務量だったのかといった点に
疑問を示す。指摘したパワハラやいじめが認定されなかったことには「納得するしかない」と述べた。

康幸さんは「(幸宗さんが)頑張ってたんだなと思った。悔しかっただろう。
もっと楽しい人生もあったのに、と思う」と話した。

代理人の弁護士は、康幸さんが今後、公務災害の認定と補償を求めた上で、
町の責任を問うために損害賠償を請求する方針を明らかにした。

 

コメント
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