中小企業の「うつ病」対策ー人、資金、時間、情報に余裕がない

企業の労働安全衛生、特にメンタルヘルス問題に取り組んでいます。
拙著「中小企業のうつ病対策」をお読みください。

ストレスチェックの視点②

2015年06月23日 | 情報
ストレスチェック制度の実施にあたって、会社側が考えることは、
①投入する費用を最小限に抑えたい
②投入した費用を回収したい
③投資効果を最大限にしたい
ということになるでしょう。

この欲張った3点を実現するためには、
前ブログで強調した、従業員に安心して受検してもらう、言い換えれば、従業員が安心して受検できる、
制度の運用により、従業員の会社への信頼を勝ち取ることにあります。
そのためには、
イ 制度をよく理解し、正しく運用する
ロ 情報開示で、従業員の理解・協力を得る
ハ 正しい運用と情報開示で、従業員の信頼を勝ち取る

この3点ができれば、上述した投資効果の極大化が実現できます。
まあ、文字にするとこのように簡単なのですが、いざ実現しようとすると、
予想していなかった問題点・疑問が、まさに噴出する状況に直面することになるのでしょう。
しかし、法令遵守しても、マニュアル通りに実施したつもりでも
従業員から信頼されないストレスチェック制度であるのなら、費用と労力と時間の
無駄遣いに終わってしまうことは、よく理解いただけるでしょう。

さて、①について詳述します。
みなさんの会社には、連日、EAP会社等から多くの売り込みがあったのではないでしょうか?
「ストレスチェック制度の準備はできていますか?」「ストレスチェック制度の運用は
ぜひ、当EAPにお任せください」等々。
自己資金に余裕があって、面倒なことは外部機関に任せれば良いと考えているのなら別ですが、
多分このような企業は、大企業を除けば少数派ではないでしょうか?
疑問が残るのなら、どのEAPでも構いませんので、一度見積もりを取り寄せればよいでしょう。
自社で実施した場合の積算結果と比較してみてください。

経営層としては、何とか内部の資源で運用できないか検討することでしょう。
人事労務部門に対し、内部の資源で運用できないか検討しろと、指示を出すことでしょう。
数百人までの規模の企業・事業所ならば、内部の資源で十分に運用できます。
人事労務部門、嘱託産業医、それに、嘱託の保健師、顧問の税理士、社会保険労務士等々、
人材・能力は豊富に揃っていることを、再確認しましょう。
まず、やってみないと分かりません。

実は、厚労省のマニュアル通りに実行すれば、意外と簡単ですよ、ストレスチェック制度の実施は。
そして、自社で実施すれば、従業員の実務能力が格段に進歩するという副次効果も期待できます。
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