中小企業の「うつ病」対策ー人、資金、時間、情報に余裕がない

企業の労働安全衛生、特にメンタルヘルス問題に取り組んでいます。
拙著「中小企業のうつ病対策」をお読みください。

企業と健保組合の関係

2015年06月04日 | 情報
企業の産業保健体制には、人事労務部門のほかに、産業医や保健師が在籍する健康管理室、
さらに別組織ととして独立性の高い健康保険組合があります。
この健康保険組合には看護師等が在籍しています。
ところが、これら産業保健体制を担う、各部門間における「個人情報」の取扱いについて、
上手く共有できていない、共有できない、共有することができない、等の現象があり、
これらの問題に対処できない事態が一部に惹起しています。
この問題に対処する知恵を、教授いただきましたので、以下に紹介します。

法的な基本は、個人情報保護法第23条に規定されている、個人情報の第三者提供の制限です。

「第二十三条 個人情報取扱事業者は、次に掲げる場合を除くほか、
あらかじめ本人の同意を得ないで、個人データを第三者に提供してはならない。」

しかし、必要のつど、本人同意を求めていたのでは手続上、面倒ですし、
その都度同意を求められる本人も煩わしさがあります。

そこで、関係者間、関係部門間で個人情報の取扱い規定を定め、本人同意を取り付けておけば
個人情報の情報共有が可能であることを確認できます。

その裏付けとなるガイドラインは数多くありますが、根幹となるガイドラインを紹介します。
健康保険組合等における個人情報の適切な取扱いのためのガイドライン(P20.平成16年12月27日)

「健保組合と労働安全衛生法に規定する事業者が共同で健康診断を実施している場合
又は共同で健診結果を用いて事後指導を実施している場合など、
あらかじめ個人データを特定の者 との間で共同して利用することが予定されている場合、
(ア)共同して利用される個人データの 項目、
(イ)共同利用者の範囲
(ウ)利用する者の利用目的、
(エ)当該個人データの管理につ いて責任を有する者の氏名又は名称、
をあらかじめ本人に通知し、又は本人が容易に知り得 る状態においておくとともに、
共同して利用することを明らかにしている場合には、当該共同利用者は第三者に該当しない。」

まとめとして、企業の成り立ち、組織体制、環境にはそれぞれ違いがありますので、
あらかじめ、個人情報の取扱い規定を構築しておくことが必要になります。
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