熟年の文化徒然雑記帳

徒然なるままに、クラシックや歌舞伎・文楽鑑賞、海外生活と旅、読書、生活随想、経済、経営、政治等々万の随想を書こうと思う。

ブラジル大統領のアマゾン破壊

2019年07月05日 | 地球温暖化・環境問題
   今日の日経夕刊のトップ記事は、「異常気象 世界襲う 仏で46度・メキシコでひょう」
   さらに、「中印水害 観光経済に打撃」
   世界各地で異常気象の影響が広がっていると、九州を襲った豪雨など、最近の危機的な状況を報じている。

   さて、NHK BS1 が【キャッチ!世界のトップニュース】 で、「ブラジル・ボルソナロ政権でアマゾンに危機」を放映した。
   アマゾンの熱帯雨林は550万平方kmで世界最大で、地球温暖化の抑制に大きな役割を果たしているが近年、農場開発や違法伐採などによって急速に面積が縮小している。
   ボルソナロ大統領が、アマゾンの開発を積極的に進める方針を打ち出し先住民や科学者の間で反発が広がっている。というのである。
   アマゾンの面積の20%以上を占める先住民保護区では区域内の開発を禁止されているのだが、ボルソナロ大統領は就任後、環境保護局の予算を大幅にカットし、先住民保護政策の担当機関も格下げし、鉱物資源の採掘や発電所の建設を進める方針を打ち出した。
   先住民保護区はアマゾンを森林破壊から守る最後の砦になっているだけにその開発は取り返しのつかない影響を生態系にもたらす。と言われている。
   テレビは、アマゾンのジャングルを住みかとする昔ながらの伝統的な原始生活を営んでいるインディオが、生活の場を追われる悲劇や、伝統的な衣装を身に着けたインディオの集団が、ブラジリアにデモに繰り出す様子を放映していたが、巨大な原始林が無残に破壊される映像など見せられると胸が痛む。

   さて、口絵写真は、2006年12月30日に、このブログで、ナショナルジオグラフィックの記事を引用しながら、「地球の悲鳴・・・消え行くアマゾン熱帯雨林」を書いたときに使った口絵なのだが、既に、あの時点で、
   ナショナル・ジオグラフィックは、
   「ブラジル・アマゾンの熱帯雨林は、この40年間に20%近くが消滅した。これは、欧米諸国が南米に進出し始めて450年の間に失われた森林の総面積を上回る広さだ。今後20年間に更に20%が失われると見られ、そうなれば森林の生態系は崩壊する。」と言った出だしで、如何にアマゾンの熱帯雨林が危機的な状態にあるのかを語っている。

   当時でさえ、政財官の癒着などで、アマゾンの自然環境の保護は勿論、行政を司る現地政府機関は殆ど有効に機能せず、アメリカの巨大な農機具や食料会社など多国籍企業が跋扈しており、原始林は、危機に瀕していたのだが、今回のボルソナロ大統領のように、逆に、環境保護の予算を削り、先住民保護区を破壊して、積極的に開発するとなると、アマゾンの命運は風前の灯となり、地球環境の破壊と地球温暖化に拍車をかける。

   私は、ブラジルに4年住んでいながら、アマゾンも、ベレン、マナウスを垣間見て、近郊の川を上ったくらいなので偉そうなことは言えないが、アマゾンの上空を何度となく飛行機で飛んでいるので、その凄さは分かる。
   それに、4年間のブラジル生活で、ウルグアイを除いて、南米の国は殆ど訪れており、多くの未開の原始林や自然環境に触れているので、これらが、開発と言う名目で破壊されるとなると実に悲しい。

   環境問題に関心が強いので、これまでも、アマゾンの悲劇については随分書いてきた。
   わが青い宇宙船地球号を守り抜きたいと希っている。

   こともあろうに、G20で来日したボルソナロ大統領が、安倍首相に、無謀なアマゾン開発を一緒にやろうと勧誘したと言う。
   どう答えたのかは知らないが、

   もっと悪い環境破壊の元凶は、トランプ大統領、
   地球温暖化対策の国際枠組み「パリ協定」からの離脱に至っては、これに極まれりである。

   もう一つ気になったのは、昨日の日経のFINANCIALTIMES特約記事
   ギデオン・ラックマンの「危うい気候変動対策 選挙の壁越えられるか」
   詳細は省略するが、オーストラリアの選挙で、気候変動対策としてあまり過激な政策を提案する政治家は、選挙に敗れるリスクが高いと言う教訓が生まれたこと、ヨローッパ各地でも、この傾向が広がっているとする指摘である。
   潮目が変わると恐ろしい。
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