YNWC的な日常

街の中でも季節を感じて暮らしたい。生き物や自然のの話を中心に美味しい食べ物、散歩のことなど綴っていきます

ムササビ、宙を舞う!!!!!

2014-12-25 06:02:55 | お出かけ情報


ムササビはリスの仲間です。夜行性なので昼間は巣穴で過ごします。両腕を広げると座布団ほどの大きさがあるため、巣穴は大きな木のうろとか、寺社の屋根裏などに限られます。そんな場所が開発により失われ続けている現在、ムササビたちは住宅難に見舞われているわけです。

そんなわけで、上の写真(左端)のように巣箱をかけたり、森を残したり、保護活動も進んでいますが、なかなか追いついていないのが現状。

そもそも、その生態についても詳しく解明されてはいないようです。

というわけで、写真の下の方にいくつか写っている白い
ネット状のものは、ムササビの糞を採取するための仕掛けなんだそうです。糞のホルモンバランスを調べることで、発情期を見極められないかという研究らしいですよ。

…なんて話をふんふんと聞きながらスタートしたムササビ観察会です。



ムササビは日没後、およそ30分すると巣穴から出て来て餌を探すことが知られています。

ですから、その姿を観察したければ、日が沈む頃、巣箱のある場所で待機すればいいのです。ただし、広い森の中に幾つかねぐらを持っているので、確実にそこにムササビがいるかどうかがポイント。

この日観察する巣箱には、ちゃんとムササビが入っていることをガイドさんが確認済み。暖かいビジターセンターを後に、のんびりと巣箱ポイントへと向かいます。



我々が到着してからすぐ、まだ日没から10分もたっていないというのに、ムササビは穴から顔を出し、盛んに辺りを伺っています。



これ、フィールドスコープにコンデジを近づけて撮影しました。かなりぶれちゃってますが、目の上の白い線やピンクの鼻の頭がわかるでしょうか?



かなり身を乗り出しては、もう一度巣箱へ入ります。観察会のメンバーは18人。やはり気になるんでしょうか…。

それでも、あっという間に巣箱の上へ這い上がると、一気に木のてっぺんへと駆け上りました。



ムササビって飛べるわけではないんです。皮膜を広げて風の抵抗を受けやすくすることで、高い場所から、低い場所へと滑空するのです。そして、また木を駆け上り…、それを繰り返して移動します。だいだい1回の滑空で160m程度の移動が可能らしいです。けっこう大変。

これだけ周りに木がありますから、どこに向かって滑空するかは、その時のムササビの気分次第。

20人近くも観察しているわけですから、当然反対側の森の奥へと消えて行くだろうと、その時がくるのを見守っていたわけなんですが…。

なんと、こともあろうに、意外や意外、我々の方へ向かってダイビングして来ました。

ええええ~っっっ!!!!

どんどん近づいてくる茶色い物体。顔もはっきりと見えるほど、言葉通り、目の前に迫ってきたのです。

ええええ~っっっ!!!!

もう頭の中は真っ白。ただ、ただ、呆然と立ち尽くしていました。そして仰け反るように見上げた、その上空を白いモコモコの座布団がかすめて行ったのです。

ムササビ、宙を舞う。
しかも、まさに真上。そして至近距離!!!

ハッと後ろを振り向いた瞬間には、すでに別の木の幹にガシッと張り付き、一瞬休んだあと、再び木を駆け上って行きました。そしてさらに奥の木へ。

信じられないことが起きました!!!
クリスマスの奇跡なのか、朔旦冬至の恩恵か、あるいは日頃の善行か!?

あり得ない!!!
あり得ないくらいの大接近!!!
3年間、この森に通っているガイドさんにとっても、ものすご~く稀なことらしいです。

参加者のどよめき、今しがた起きた奇跡を興奮しきりで話す声…。そこにいた全員が奇跡を共有した一瞬でした。

ひとしきりの興奮が冷めてくると、気になるのはなぜこのような奇跡が起きたのか?なぜムササビはいつもより早い時間に巣穴を飛び出したのか?なぜわざわざ参加者の集まる方向へ飛んできたのか?

ここから先は、ガイドさんも「私見」と断って話してくれたことなのですが、ふんふんと聞いていた最初の話。まさに、ムササビたちの繁殖活動が生んだ奇跡なのではないかということでした。

ちょうどムササビが飛んで行ったその先に大きな神社があるそうです。そこに住むメスのムササビがその日に発情期を迎えたのではないかというのが彼の仮説でした。

発情期を迎えたメスには数頭のオスが群がることも多いんだとか…。我先にと急ぐオスのムササビには、我々なんて眼中になかったのかも…。

もしこれが正解だとすると、いったいどうやって、遠く離れたメスの発情を知ることができたのか。匂いなのか、声なのか…それとも他の何かなのか…。

ガイドをしてくださったビジターセンターの清水さんは、野生動物の生態に詳しく、尽きることなくいろんな話を聞かせてくれました。



上の写真はムササビの食痕について、木の枝を示しながら説明してくれているところです。

他にも、この公園にはなぜか傷ついたムササビ(片目とか…)が多数生きながらえている話や、関係のないモグラの話まで…。

なかでも、ムササビの繁殖行動についての話は、タイムリーだったこともあり、かなり興味深かったです。まあ、あまり詳しく書くとエグくなるのでやめておきます(笑)

興味のある方は、こちらの本を↓



清水さんも力説してましたが、真面目な本です(笑)

残念ながら、ムササビの滑空写真は撮影できませんでしたので、センター内の展示物をお借りして掲載させていただきます。





本当になんとも奇跡的な夜。帰り道には流れ星のサービスまでありました。ま、わたしは見逃しましたけどね…(¬_¬)

昼の探鳥会も、オシドリやコジュケイの登場におおいに盛り上がったし、声をかけていただいたチョビテレ様には、心より感謝申し上げます。そして付き合ってくださったメンバーの皆様、楽しい時間を共有でき最高の気分です。YNWCが集結するとき、きっとまた奇跡が起こるはず!!またぜひネイチャーウォッチングに出かけましょう。皆様本当に、ありがとうございました。

津久井湖城山公園→HP

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