「ぐうたら ・フォト日記」

「ぐうたら」を生活信条とする、ぐうたらなフォト日記です。時々『写真の無い・フォト日記』にもなります。

写真家をしていました。

2004年11月15日 | フォト日記
毎年下北沢で演劇をやっている友人から、チラシの写真を依頼されました。斎場の待合室の話しなので、「焼き場の煙突から煙の上がっているような写真を使いたい」ということなのですが、「今時そんな焼き場あるかいな・・・?」と思いつつ、友人が指定してきた横浜市の北部斎場というところへ出かけて行きました。なにぶん場所が場所なので、目立たないように黒い服装で行くことにしたのですが、友人S氏は今から役にはまっているのか、黒スーツに黒ネクタイ、大事そうにバックを抱えた姿は「会計係」かはたまた「香典泥棒?」のようです。

土曜日の12時半に長津田駅に集合し、腹ごしらえをして、勇んで出かけます。タクシーで10分ほど行ったでしょうか、突然右側に大きな門が見え、トンネルに続いています。トンネルを抜けると、「なんだ~、こりゃ-!」今の斎場と言うものは煙突など無く、山間にひっそりと隠れるように超現代的な建築が並んでいます。(まるで秘密基地みたいだなぁ・・・)Webで調べて見ると平成14年度の神奈川建築コンクール入賞作品(奨励賞)でした。
と言うことで、イメージとのギャップで唖然としているS氏をよそに、僕は「面白いな・・・」などと不届きなことを考えながら、フィルム1本半ほどをさっさと撮り、不審尋問をされない内に、すたこら外に出ました。

仕方なしに、バス停を探し、もと来た道を戻ったのですが、この風景がまた面白いのです。横浜市の郊外なのですが、里山の風景が残っているのですね・・・。バス停で時間を見ると1時間に1本あるか無いか、しかも無い時間帯に当たったようです。車は大型ダンプを含め結構通るのですが、人の気配はありません。タクシーを呼ぶにしても、電話番号が分かりません。途中見かけたタバコ屋まで戻って聞くと、「そこに貼ってある」と言います。なるほど自動販売機の脇にタクシー会社の電話番号が貼ってあり、その横には公衆電話がありました。上の写真は携帯電話でタクシーを呼んでいるS氏です。結局この取材は無駄足だったのですが、なぜかこの1時間の間に、「日本の平均的な風景を垣間見た」という気がしました。現代とは面白い時代です。

目的の写真は取れず終い、チラシは芝居が桜の下で始まって、桜に終わるので、桜の写真が候補になりました。季節はずれのさくらの写真を載せておきます。
コメント
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