イカの足はゲソという。
居酒屋でも寿司屋でもゲソで通る。
ゲソは下足からきていて、下足は脱いだ履物ということ。
イカは自分で脱いだわけではないのに勝手に「脱いだ扱い」になっている。
回転寿司や一般的な寿司屋では、イカ(胴体)は安いほうのネタということになっていて、やたらにイカばかり注文する客は安い客と見なされる。
胴体より更に格下のゲソは、評価は低いが居酒屋の一番安いメニューとして一般大衆に愛されている。
ゲソは刺身盛り合わせには参加させてもらえない。
ほんのついさっきまで、上下一体仲良くやっていたのに、突然上下に分かれ、身分も分かれてしまったゲソは不憫だ。
どんな食通でも、イカの足については何も語らない アオリイカ
胴体のほうは、アオリイカの味はどうのこうの、白イカの歯ごたえはああだこうだといろいろ言うが、足については何も語らない。
アオリイカの足は、白イカの足と違って旨味にコクがある。
ぐらいのことを言ってやってほしい。