このところ身のまわりが妙に寂しい。
ソーシャルディスタンスとかで、人と人との間を2メートル空けることになった。
スーパーやコンビニのレジの前には足跡のマークが描いてあって、そのマークの間が意外に遠く感じられる。
エ❓ こんなに間を空けるの、と思う
ついこのあいだまでは、レジ前の行列の間隔は30センチ、いやもっと近かったかもしれない。
それが急に2メートル。
自分の前に並んでいる人が遠く見える。
後ろに並んでいる人も遠くに見える。
人が自分から遠ざかっていった。
人が自分から離れていった。
一人ぼっちになったと思った。
寂しい。
やっと自分の番になった。
すると今度はレジの前面にビニールの大きなカーテンが下がっている。
警戒されているのだ、と思った。
悪者扱いされている、とも思った。
向こうは大きなビニールのカーテンで遮断して身を守っている。
こっちは何も悪いことしてないのに。
いつもはカーテンなしでジカに向き合っていたレジの女の子が、急に冷たい態度をとり始めた。
急によそよそしくなったのだ。
こっちは何ひとつ悪いことをしてないのに。
寂しい。
これまでそのレジの人と親しかったわけではないのだが、あまりにもあからさまな態度の変化。
それでなくてもコロナ禍以降、人々の孤立感は増している。
疎外感も深まっている。
とにかく人に近づくな、近づくと感染するぞ、危ないぞと言われ続けているので人に対する不信感も増している。
人と人は仲良く助け合い、信じあって生きていくはずではなかったのか。
それが急に信じるな、近づくな、人と人との間は2メートル空けろということになった。
人間という言葉は人の間と書く。
もともと人と人との間を空けるべく運命だったのだ。
寂しい。