当たり前のことのくり返しであるが、俳句の指導を考えるときには、次の四つの場面の指導を考えなければならない。
その第一は、俳句を作る前の指導だ。
俳句の種の拾い方や俳句の作り方の指導である。この指導には、当然俳句とは何かについての説明も入るが、中心は、俳句を作るときの視点や考え方についてである。イメージを与えると言うこともある。
第二は、推敲についての指導だ。これは、俳句を高めていく時のこつのようなものを含む。
この指導についての全体指導では、例句を示すことが有効だ。
第三は、句会の指導である。
この時、具体的な場面に依拠して作られた句は、子どもたちの意見も出やすいが、頭の中だけでひねられた俳句は、「どこがいいですか」と聞いても漠然として答えられないことも多い。そういうことも知って指導すると、自ずとどの句に焦点をあてて話し合いを進めればよいかがわかったりする。どの句を取り上げ、どうほめるのか、どうほめさせるのかも大切な点である。
第四は、日常化へのシステム作りである。この点での助言や具体的な方法が示されないと、一回こっきりで終わってしまう。