十分間俳句

発見・感動・創造! 子どもたちの感性を培い日本語力を高める十分間俳句

スポーツ俳句の進め方

2012-11-07 | ジュニア俳句

今、江東区では、小中学生を対象にスポーツの俳句を募集している。
各学校でも、これに取り組んでいる。
昨日はあいにくの雨。
訪れた亀高小学校には、「わんばくの森」があり。区内の学校でも一番自然が豊かな学校である。
晴れれば、これらの題材で俳句作りを進めるところであるが、土砂降りの雨では外に出ることはかなわない。
そこで、スポーツ俳句に取り組んでみることにした。

スポーツと俳句を組み合わせる。
いったいどうすればいいか、迷うところである。
これまで応募をあったのものを見ると、スポーツの俳句だから「スポーツ」という言葉を入れるというものが結構多い。
極端な例を挙げればたとえば、

スポーツはとても体にいいんだよ

というような種類のものだ。標語的になる。オリンピックの例を挙げれば、

オリンピックまたきてほしい東京に

問題点は、二点だ。一つは、子どもたちのスポーツをした実感をどうしたら詠めるか。もう一つは、季語の斡旋である。
そこで次のような順序で指導した。

1、好きなスポーツをいろいろ挙げさせる

たとえば、野球、サッカー、ドッチボール、アーチェリー、柔道、剣道、マラソン、バスケットボールetc.

2、この言葉を入れ込んで俳句を作るが、下五は、とりあえず「日曜日」とおかせる。

 野球してヒットを打った日曜日
 
というような具合になる。
五分間で、ほとんどの子がこうすると複数の俳句ができる。うまくできない子には個別に指導する。

3、一つのものを例にして、さらに深めてみる。野球でもいろいろな場面がある。
 ホームラン、逆転、サヨナラ 、ピッチャー、ストライク、ヒット
 
ここでもまだ日曜日はそのままにしておく。

 日曜日逆転サヨナラホームラン

のように日曜日を逆に上五にしてもよい。
各スポーツにいろいろな場面があることを確認し、子どもたちには、まずどのスポーツで俳句作りをするか決めさせる。
どれにしようか迷ってしまい、そこで時間を使ってしまう子が必ず出てくるので、まず、どのスポーツにするか、確認するとよい。
一つできたら、別のスポーツにしてもいいし、同じスポーツで何句も作ってもよいとしておく。

4、身近なスポーツを題材にする。
最初はいわゆる球技のようなものが子どもたちから出てくるが、体育の時間にとりくんだようなものはもっと身近で、もっとリアルな感想を持っている場合も多いので、それらについて取り上げてみる。
たとえば、なわとび、マット運動、とびばこ、校庭の遊具、運動会、体育の時間に取り組んでいること。
そうすると、もっとバラエティに富んでくる。

跳び箱の七段とんだ日曜日

「日曜日には、跳び箱はしないよ」 と子どもたちからの声。
「そうだね。どうすればいい。」 
「火曜日に体育があるから、それにしようかな。でも火曜日だと4音だからどうしようかな。本当はちがうけれど水曜日にしておこうかな。」

跳び箱の七段とんだ水曜日

となる。三十分も取り組めばどの子も十句ぐらいできている。

5、どの季語が合うかを考える。
これまでに学習したものも含めて、季語を書いた紙を渡す。
日曜日の部分をいろいろにかえてみる。

跳び箱の七段とんだ冬の朝
跳び箱の七段とんで春近し
跳び箱の七段とんで天高し
跳び箱の七段とんで夏の空
跳び箱の七段とんで梅雨あける
跳び箱の七段とんで萩の花
跳び箱の七段とんだ天道虫

ここまで来たら、後は子どもの感性であるから任せておけばいいし、句会をすると季語がぴったりするものがやっぱり選ばれから句会を通して指導したりぴったりしているものをほめてあげればよいと思う。
この先の感覚については、日本語力の向上を待つしかないが、この季語の斡旋という作業を通して、意識的に感覚を学ぶチャンスにもなっているという側面も見逃せない。 

 

 


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