十分間俳句

発見・感動・創造! 子どもたちの感性を培い日本語力を高める十分間俳句

冬休みの読書 その4

2011-01-08 | ジュニア俳句
こんなもんじゃ 山崎方代歌集
山崎 方代
文藝春秋

 この本は、面白かった。歌というのはいいなあ。俳句もいいが、歌もいい。
山崎方代は、大正3年生まれだと知った。

死ぬほどの幸せもなくひっそりと障子の穴をつくろっている
 
くろがねの錆びたる舌が垂れている鬼はいつでも一人である
 
こんなにも湯呑茶碗はあたたかくしどろもどろに吾はおるなり
 
唇を突き出しているしみじみと日記にもない今日が暮れゆく
 
こんなにも赤いものかと昇る日を両手に受けて嗅いでみた
 
お隣の古屋さんもあの世にいってから咳一つしない
 
手のひらをかるく握ってこつこつと石の心をたしかめにけり
 
ふりむくと己れの影がついて来る月かげなれど味方でもある
 
かぎりなき雨の中なる一本の雨すら土を輝きて打つ
 
しょんぼりと五十二歳の手をひろげうらを返して今日を過ごしぬ
 
ふるさとを捜しているとトンネルの穴の向うにちゃんとありたり
 
甲州の柿はなさけが深くして女のようにあかくて渋い
 
もう姉も遠い三途の川あたり小さな寺のおみくじを引く
 
奴豆腐は酒のさかなで近づいてくる戦争の音を聞いている
 
明け方の酒はつめたく沁みわたるこれが供養というものなのだ
 
かくれんぼ鬼の仲間のいくたりはいくさに出でてそれきりである

 声あげて泣いてみたいね夕顔の白い白い花が咲いてる
 
野の径に蛍袋が咲いている花のいのちは記憶にすぎぬ
 
あかあかとほほけて並ぶきつね花死んでしまえばそれっきりだよ
 
鎌倉の九月の風は四行詩・実朝公の墓に詣でる
 
赤子のような詩を書く人がおりまして覗いてみると寝そべっている
 
じっとこう机の前に腕をくみ坐っていると耳は要らない
 
太書きの万年筆をたまわりぬキリスト様は何も呉れない
 
一粒の卵のような一日をわがふところに温めている
 
一息に般若心経の一巻を写し終えたりまだだいじょうぶ
 
めずらしく晴れたる冬の朝なり手広の富士においとま申す
 

今日は、これから松山のはい教育研究会にでかける。

飛行機は、7時25分発だ、。

私に与えられた時間は、25分 「小学校における俳句教育の進め方」がテーマ

教育課程にどう位置づけるかというやつだが、

話の題は「三分の一の壁をやぷる」とした。

授業での課題は、全員、つまりみんなができる ということだからだ。