十分間俳句

発見・感動・創造! 子どもたちの感性を培い日本語力を高める十分間俳句

数矢小学校での句会から

2010-10-22 | ジュニア俳句
数矢小学校の5年生では、基本的に月に一回俳句の授業を続けている。
夏休みの前までは、俳句のづくりの指導に入っていた。
しかし、それだけではなかなか俳句の質を高めるのは難しい。
俳句づくりと「句会」は、切っても切れない縁がある。
お互いの句を見合い、評価し合う。これが上達の契機になるのだ。
独りよがりでなくなる。真剣勝負で、自分の句や友達の句を見つめる。
句づくりの視点が見えてくるのが、この句会の場だ。

数矢小学校の5年生のある学級での句会。テーマは「秋」だ

 
数矢小秋空の下また一句

この句が最高点を集めた。
どうして、この一句が最高点なのか。ここに一つの秘密がある。

「他の人は、みんな秋を見つけて句を作ったが、この句は、句を作っているみんなを対象にしている。」

そうなのだ。他の人が見ない所に目を付けた。この目の付け所。
これが、俳句の発見と繋がる。

 秋になりススキの白はゆれている

この句は、当日は、みんなの前で評価しなかったが、白いススキと言わないで、「ススキの白」と表現したところは素晴らしいなあと思う。

 秋の空入道さんもぺっちゃんこ

 秋の空夏より雲がやさしいな

 秋の空入道雲よりまだ子ども

秋の空の雲。よく見ているなあと感心した。いろいろな言い方はできるが、秋の雲は夏の雲とは違う。柔らかい感じ。積乱雲ぽくてもそこまでなりきれない。そういう変化を発見している。この力こそ、観察力・発見力なのだと思った。

実に楽しい句会だった。